会いたい人には、会いたいと思ったときに会った方がいい
◎友人の死
2017年11月18日。
父と母の誕生日に挟まれたこの日を、私は一生忘れないでしょう。
この日、親しい友人が亡くなりました。
社会人になって初めて勤務した会社の同僚でした。
社会人としては彼女の方が先輩でしたが、年齢が同じだったこともあり、とても気が合い、一緒に旅行をするほど仲良くなりました。彼女は私より先に職場の先輩と結婚され退職しました。そういう時代でした。
子育てや仕事などで会う機会も減り、子育てが一段落したころに久しぶりに食事をし、年に一度は会いたいねと言いながら別れましたが、なかなか会えないまま月日は流れていきました。
亡くなる数年前に会う約束をしていたのですが、彼女が体調を崩して入院することになり叶いませんでした。退院後も、体力的に外出が難しいということで、電話で話すだけになってしまいました。電話の向こうの彼女は、とても弱々しい声でした。
日々の生活に追われていたある日、携帯電話に見知らぬ着信番号がありました。私自身が病院内にいたため出ることができずにいると、数時間後にまた着信がありました。それは見慣れた友人の番号でした。
しかし電話に出たのは友人ではなく、ご主人の声でした。
ご主人が、彼女の電話から私にかけたのでした。
11月下旬の雨の日、彼女の告別式に参列させていただきました。
火葬場まで同行させていただけることになり、ご親族の方々と共に骨上げまでさせていただくことができました。ご親族の皆様のご厚意にただただ感謝するばかりです。
死因は癌でした。
3年2カ月の闘病生活のなか、主治医の先生も奇跡と言われるほどの生命力でがんばったとのことでした。
棺に横たわる彼女は、人形のようでとても静かな表情をしていました。
お母さまがお顔をなでながら「どうしてこんなところに入っているんだろうね」と小さな声でおっしゃっているのを聞いて、親より先に子供が逝ってしまった悲しみは、はかりしれないものだろうと思いました。
◎会いたい人には、会いたいときに会おうと決めた日
友人の死は、関係性が薄い誰かの死とは明らかに違っていました。
彼女の死は、私に人間の儚さを教えてくれました。
東日本大震災の時にも思ったことですが、人間明日はどうなっているかわからないのだと改めて感じた悲しい出来事でした。
彼女との思い出はずっと私の中で生きているし、話し方、笑顔、そして笑い声をいつまでも忘れることはないでしょう。
それでも、もう二度と、この世で彼女と会うことはできないのです。
それから私は、そのうち会おうねと言いながら、忙しさにかまけてなんとなく先延ばしになっている約束は、すぐに実行しようと決めました。
ここ数年はコロナの影響で簡単に人に会うことはできなかったけれど、時間とお金が許す限りは、会いたい人には、会いたいと思ったときに会おうと決めています。
残された時間があとどれくらいあるのか誰にもわかりません。
「いつか」は来ないかもしれない。
だから会いたい人にはすぐに会いに行こう。行きたいところにいこう。
時間やお金がないことを理由にして先延ばしにしていたら後悔するかもしれない。
彼女の死は私にそんなことを気づかせてくくれました。
◎人はいつか死ぬ
中学時代の活発で頭の回転の速い同級生は、高校1年の時、電車に飛び込んだものの失敗して足が不自由になりました。それから数年後、亡くなったと聞きました。自殺でした。
別の同級生は、17歳でバイクの事故で亡くなりました。
学生時代の友人のご主人は行方不明になり、その後遺体で発見されたと聞きました。
こんなドラマのようなことが、現実に自分の身の回りで起きるなんて、想像したこともありませんでした。
死の原因は様々です。望んで死を選ぶ人もいれば、死にたくないのに死んでしまう人もいる。
人はいつか死ぬことは間違いないのだけれど、やっぱり別れは残された者には辛く悲しいものです。
半世紀以上前に亡くなった祖母のことも、亡くなった友人のことも、いつでも昨日のことのように思い出せる記憶があります。
同級生と昼休みに校庭でドッジボールをしたことも覚えています。
思い出があるからこそ、余計に悲しい。
◎生きるのも苦しい時代だけど、生きることを選択する
生きるのも苦しい時代です。
学校や会社でも、辛いことはたくさんあります。
いつ戦争が起きてもおかしくない不穏な世の中にもなりました。
それでも生きていかなければならない、大変な時代を私たちは生きています。
この先、死にたくなるほど辛いこともあるでしょう。
でも、生きたくても生きられない人もいることを忘れてはならない。
だから私はこれからも、頑張って生きようと思います。
そして会いたい人には、
会いたいと思ったとき、
会いたいと告げようと思います。
可能な限り、会いに行こうと思います。
◎自分でどうにかできることには力を注ぎたい
手相によると私は90歳まで長生きするらしい。ありがたや。
でも、90歳まで生きられると保証されたわけではないのです。
手相だけでなく、数多の占いはあくまで統計に基づくデータであり傾向だと思っています。
だから絶対はありません。
病気や災害は、自分でどうにかできる事ではありません。
でも、自分でどうにかできることには力を注ぎたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
普段は出不精で、人見知りで、おうち大好きな引きこもりですが、毎年10月の祖母の命日と、11月のこの時期になると、「会いたいと思ったときに、会いたい人に会う」という気持ちを再確認します。
人の死に直面すると、命の儚さを感じずにはいられません。
だから会いたい人には、会える時に会おうと決めました。
これは私が、自分でどうにかできることだから。
幸せは、案外そんなところにあるような気がします。
寒さが一段と厳しくなってまいりました。
お風邪など召しませぬよう、ご自愛ください。
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