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続。

自己啓発セミナーと並行してコチラの勧誘もあちらこちらで広がっていた。

高校生のお客さんから
「私の友達、勧誘されたよ!同じ学校の子に!カバン取られて『入らなかったらカバン返さない!』って言われて」

なんて話を聞いて驚いた。
学校でそんなことしてんの!てことは親がさせてるってことじゃん!マジかぁ!

友達も何人か断りきれずに入会した。
500円で数珠と教本を渡されるから「500円なら、、、」という軽い感覚でOKしてしまう。

幸か不幸か、私には自己啓発セミナーとネズミ講の勧誘しか来たことがなかったのでコチラの団体に関しては何をしているのかよくわかっていなかった。


お客様からスタッフへ


月日が流れ、職場を変えてオープニングスタッフとして働き始めた。
スタッフは10人。オーナーにとっては3店舗目。あちこちから集まった美容師たち。

私の4つ上の女子スタッフがいた(Tとする)。
とっても可愛らしくて優しい、ちょっと天然な感じ。お酒が好きで仕事終わりによく飲みに行った。

私と同期の男子(Kとする)とTさんの3人で遅番の仕事をしていた時のこと。

最後のお客様が帰ったあとの会話。


第一段階

T「さっきのお客さんに誘われたからこれから行ってくるね〜」
W「え?そんな仲良しだったっけ?」
T「ううん。まだ二回目だよ〜」
ちょっとピンと来た私。
W「どこで食べるん?」
T「駅南のCASA(現ガスト)だよ〜」
K「それ、宗教の勧誘だわ!やめときな」
W「だな。間違いない。」
T「え〜?でもいい人だよ。男の人紹介してくれるかもしれないし〜♪」

30歳のシングル女子にはそんな希望がわく。気持ちはよくわかる。

K▪W「いやいや!間違いねって!断ってこいよ!」
T「大丈夫だよ〜〜❀❀❀」

翌日。

T「宗教だったよ〜!断ってきたよ〜!」
W「やっぱそうだったじゃん。もう1人いたでしょ?」
T「うん!そうそう!」
W「気をつけてね!」
T「もう大丈夫だよ〜❀❀❀」

第二段階

1週間後

T「中学の同級生から久しぶりに電話が来てさあ。これからご飯食べに行ってくる〜」
W▪K「もしかしてCASAじゃないだろうね?」T「そうだよ〜!よくわかったね〜!」
W▪K「いやいやいやいや!絶対そうじゃん!勧誘だってば!」
T「え〜!違うよ〜!友達だもん〜」
疑うことを知らずに行ってしまった。

翌日。
T「ねえねえ!また宗教だったよ〜!でも断ってきたから大丈夫だよ〜!」
W「だからそう言ってんじゃん!宗教入ったらもう飲みに行ったりしないからね!」
T「やだよぉ。入らないよぉ。飲みに行こうよぉ。」
ほんとに可愛らしい人なのだ。


第三段階(はい落ちたー)

さらに1週間後

T「昨日さぁ!小学校の同級生から電話きてさぁ。すっごい久しぶりなんだよ!だからこれからご飯食べに行ってくるねー」
W▪K「▪▪▪。いや、だからさ、、、。」
T「ダイジョーブだってえー!行ってくるねぇ!」

行ってしまった。またもやCASAへ。

そしてまんまとハマっていく。三段オチ。
「もう少しで落ちるよ」の連携がされているんだろうなと想像される。


何故「CASA」だったかというと、団体の事務所が近くにあったから。
CASAで話して直接事務所に連れていくため。

Jリーグ発足からまだ間もない頃。地元のチームの事務所2階の狭い場所で集会していたのが、今では物凄い立派な建物が建ち「ここはなんの建物?」くらいに大きくなって門の前には常に警備員が立っている。ご苦労。

Tさんの今後の活躍はまた後ほど。
いよいよWAKU姐さんが勧誘されますよ!


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