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「疑似相関」に相関関係はあります!

 導入をすっ飛ばして本題から入りますが、「疑似相関(関係)」に騙されないことは重要です。しかしこの「疑似相関(関係)」という言葉自体が非常に紛らわしいのです。後述しますが、恐らく統計学の用語を英語から日本語に導入した際に誤訳されてしまい、そのまま定着したのだと思います。

 事象Aと事象Bが疑似相関関係にある時、AとBの間には「因果関係」はありませんが「相関関係」はあります。疑似でも何でもなくまっとうな相関関係が、です。

英語では以下のような表現が用いられます。
相関関係:correlation
因果関係:causation; cause-and-effect relationship
疑似相関(関係):spurious relationship; spuriousness

spuriousは「偽物の; 見せかけの; 誤解に基づく」という意味ですが、ここでは「紛らわしい; 誤解を招く」と捉えるのが良いでしょう。

 Spurious correlation という表現も使われますが、ここではまさに「紛らわしい」の意に解するべきであり、「疑似相関(⇒見せかけの相関)」という訳語は辞書の語義を表面的に当てはめたことによる誤訳だと考えられます。

 「疑似相関」は日本語の用語としてすっかり根を下ろしているので今更「誤訳だから排除せよ」というわけにもいきません。なので、代替案を示してもあまり意味がないような気もしますが「表見因果関係」というのは結構良いのではないでしょうか。

#相関関係 #因果関係 #擬似相関関係 #統計学 #表見因果関係

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