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グロービス経営大学院とフライヤー、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」の受賞作品|おすすめ3選
グロービス経営大学院とフライヤーは、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」の受賞作品を2月13日に発表されました。受賞作品の著者をスピーカーとして招いた特別セミナーも3月17日から行われるようですね。
読者が選ぶビジネス書グランプリ2025
~おすすめ3選~
部下をもったらいちばん最初に読む本(橋本拓也/アチーブメント出版)
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紹介されている注目概念は以下です。
●5つの基本的欲求(生存、愛・所属、力、自由、楽しみ)
●リードマネジメントの5つの技術(リーダーシップの技術、個人の成長支援の技術、水質管理の技術、委任する技術、仕組み化する技術)
基本的欲求はマズローやハーズバーグなど過去にも様々な枠組み、切り口がありましたが、本書では「5つの基本的欲求」と独自定義。それぞれ人により強弱あり、その傾向を分析してマネジメントする必要あり、としています。
個人的には、「水質管理の技術」というメタファーは初めてリーダーになる方には重要なテクニック、考え方だと思います。
いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才(今井孝/すばる舎 )
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「いい1日だった」と感じるために、24時間すべてが素敵である必要はない。たった2時間の「最高のひととき」があれば十分だ。
確かに、24時間フルフルMaxで全力幸せというのも大変で疲れそうです。では、2時間を「最高のひととき」にするにはどうすれば?ということで、5ステップが紹介されています。
「やらなくてもいいこと」をやめる
「自分の感情を満たしてくれるもの」を知る
充実感を得られる1日を過ごす
未来のためにも時間を使う
幸福感を意識して味わう
個人的には、ステップ1,2が意外に難しく、そして重要かなと思います。一日を振り返ると多くが「やらなくてもいいこと」ばかりだったりします(ブルシットジョブという考えもありました)。結果、一日がアクティブ・ノンアクション、不毛な多忙に終わるということも。
また、そもそも自分の感情を満たすもの、が分からないはおろか、自分の感情もよくわからないというアレキシサイミア傾向も現代は多くなってきていると言われています。
移動する人はうまくいく(長倉顕太/すばる舎)
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人類の歴史を遡ると、定住によって文明が生まれたのは確かだ。ただその一方で、権力が生まれ、「より得する側」と「より損する側」というヒエラルキーがつくり出されたのも、定住によってである。
コロナ禍の、特に初期発生時には「移動の制限」がありましたね。東京大学の國分功一郎先生は、人間にとって「移動の自由は根源的な権利」であるとも哲学者アガンベンの発言をもとに論じていたりします。
つまり、物理的に固定で集中してしまう(都市化など)ことで、人間の思考や行動も制限されてしまう、何かに固執してしまうのではないか?と感じました(今回の賞にも入っていた『イシューからはじめよ』の安宅和人さんも開疎化がもたらす未来というコラムも同様のことが語られていたと思います)。
私はこうした閉鎖的で固定的な事象を”固着”と呼んだりします。イメージ、アスファルトについたガムのような感じです、コベリつき離れない、そんな状態です。これは個人でも組織でも起こりうる。まずはその場から(物理的にも、心理的にも)移動しましょう、ということでしょうね。
以上、個人的お勧めでした!
他にもグランプリでは多くの作品が紹介されていますね!
ずいぶん前に出版された書籍もあり、久しぶりに手に取ってみようと思いました。