
#7.医薬品情報集の落とし穴:3次資料が機能するための条件とは?
(このブログは2024年6月11日に更新しました)
メンバーシップ「薬剤師力を飛躍的に伸ばす!メタ知識道場」へようこそ!
近年ではIT技術や生成AIの発達、そして様々な切り口の出版物や情報サイトも登場したことで、情報収集は格段に容易となりました。
しかし、それは一般人にとっての話。
薬剤師の場合、ハード面・ソフト面がどんなに進化しようと手放しでは喜べない悩ましい問題があります。
「メタ知識」がなければ、それらは思惑通りに機能しないのです。
そのことを理解していただくため、今回は3冊の書籍を例に挙げ、その光と影(!?)を考察していきます。
・「医薬品要覧」(編集:大阪府病院薬剤師会)
・「薬剤師のための常用医薬品情報集」(編集:医療薬学研究会)
・「薬剤一覧ポケットブック」(著者:yakuzaic)
「薬剤師向け」である必要性
本題に入る前にこの件について少し解説を加えておきます。
まず、薬剤師には様々な場面で医薬品情報を収集する役割があります。
・他職種や患者への情報提供義務(薬剤師法第25条の2より)
・添付文書・IFの情報をる補完する(記載要領より)
・チームの一員としての意見を述べるため(薬の専門家として)
これらの役割を果たすために「薬剤師向け」の情報源は必要不可欠です。
添付文書やIFだけで薬剤師業務が完結しないことは誰もが自覚していること。そもそも医師と同じ情報源(添付文書)だけ眺めていてどうやって薬剤師の意見を述べることができるでしょうか?(できるのは粗探し位です)
しかし、情報収集が格段に容易になった現代においても、薬剤師には逆風が吹いています。
ここから先は
2,302字
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?