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【チーム分析】最終戦とは思えない程に荒れたアブダビGP!RBは来期に向けて課題の多いレース週末に【2024 Rd.24 ABU】

2024年第24戦アブダビGPの各チームの週末を通してのパフォーマンスなどを分析していく。

「Red Bull」
レッドブルは今週末は特にコンストラクターズやドライバーズにおいても変化のない、実質消化試合となっていた。

レッドブルはセルジオ・ペレスの去就の話題が絶えない中でペレスはQ3に進出するも最後はQ1でのトラックリミット取り消し、復活騒動でタイヤを1本無駄に使ったのが響き10番手となった。
決勝ではポイント獲得が見込まれていたが、オープニングラップにTern6でバルテリ・ボッタスに追突されドライブを失いリタイアを余儀なくされた。

またマックス・フェルスタッペンは予選Q2までは調子が良かったもののQ3では微調整が上手くいかず、最終コーナーでは危なくクラッシュしそうになるなど荒れ、5番手がようやくだった。

決勝ではフェルスタッペンはスタートでオスカー・ピアストリのインにTern1で飛び込むも接触をしてしまい、10秒のペナルティを科せられた。

フェルスタッペンはその後はポジションを取り返し6位でフィニッシュした。

レッドブルはシーズン序盤こそRB20の良さがあったもののシーズン中盤から終盤にかけては非常に苦戦を強いられ、マクラーレンやフェラーリに負ける場面が目立った。

来季に向けてはドライバーラインナップすら分からないがペレスもフリー走行などではフェルスタッペンより安定したロングランをしているなどマイナスではない部分もあるので誰になるのか楽しみだ。

「Mercedes」
メルセデスは今週末でルイス・ハミルトンとの長い歴史に終わりを告げる週末となったがそのスタートは決して良くなかった。

ハミルトンはQ1の最終アタック時にケビン・マグヌッセンが避けようとしてTern14で倒したボラードが車体に引っかかりタイムを更新できずに敗退となった。

しかし決勝では16番手から脅威の追い上げを見せて、終盤はミディアムタイヤでジョージ・ラッセルに最終ラップで追いつき、見事オーバーテイクをして4位でメルセデス最後のレースを終えた。

一方ラッセルはトップと争うほどの競争力がレースペースではなく5位でフィニッシュした。

メルセデスはシーズン中盤や終盤の特定サーキットでは調子が良かったものの、サーキットのコンディションに大きくマシンパフォーマンスが左右されており、来季に向けて常に良いパフォーマンスを発揮できるようになればチャンピオン争いにも参加できるだろう。
また来季からはハミルトンに代わりキミ・アントネッリがデビューする為、ラッセルには今まで以上のリーダーシップが必要となる。

「Ferrari」
フェラーリは今週末、逆転でのコンストラクターズタイトルを狙う中では厳しい週末となった。

FP1ではアーサー・ルクレールが兄弟での走行をしている華やかな傍ら、兄のシャルル・ルクレールはシーズン規定数を超える3機目のESを装着し10グリッド降格ペナルティが決まった。

予選ではペナルティの決まっているルクレールがQ2でのアタックでトラックリミット違反でタイムが抹消となり、Q2敗退となった。

一方でカルロス・サインツはマクラーレン勢に次ぐ3番手を獲得した。

決勝ではルクレールが覚醒し、オープニングラップでは19番手から10番手まで浮上、その後も脅威的なペースでオーバーテイクを重ね3位でレースを終えた。

3番手スタートのサインツはスタート直後の混乱を掻き分け2番手につけると第2スティントではトップのランド・ノリスとの差を一時は縮めるも最後は離されてしまった。

結果としてはフェラーリは2-3でフィニッシュしたもののコンストラクターズでは2位、ルクレールはドライバーズで3位となった。

フェラーリはシーズン序盤では考えられない位置までポジションを上げてきたものの終盤には取りこぼしもあり、ピットなどの幾つかのミスがなければ勝てたかもしれないシーズンだっただけに勿体ない。
しかし来季からはレースペースには定評のあるルイス・ハミルトンが加わり、これまで以上に勝利の可能性が広がると思われ、期待は大きい。

「McLaren」
マクラーレンは今週末、26年ぶりのコンストラクターズタイトルを獲得する最高の週末となった。

予選ではランド・ノリスがポールポジションを獲得、2番手にはオスカー・ピアストリが続き前戦に続くパフォーマンスの良さでフロントローを独占した。

決勝ではスタート直後のTern1でピアストリはマックス・フェルスタッペンと接触してしまいポジションを大きく落とした。
またピアストリはVSC明けのTern6でフランコ・コラピントに追突し10秒ペナルティを受けた。

一方ノリスはスタートを上手く決めてトップを維持し、途中では2番手のカルロス・サインツに詰め寄られるもマージンを取りながら良いペースでレースを進め見事、ポールトゥーウィンを決めた。

ピアストリはペナルティもあり、10位でフィニッシュし、このレースを全ラップ完走したことにより2024シーズンの全ラップを完走したただ1人のドライバーとなり、これは史上4人目の快挙となった。

マクラーレンは今年、シーズン序盤こそは震わなかったものの、マイアミ以降からは非常に強い走りで見事コンストラクターズタイトルを獲得した。
一方でノリスはドライバーチャンピオンシップ2位となり、満足のいく結果とは言えず、これはチームとしても多くの取りこぼしや判断の遅さが露呈した結果だろう。
来年は更なる激化が予想されるが、マクラーレンは良いマシンを保持すると共に戦略の柔軟性や首脳陣の決定能力の向上などをして、来季の戦いに挑む必要があるだろう。

「Aston Martin」
アストンマーティンはトップを目指していたものの中団勢に埋もれるシーズンとなってしまった。

フェルナンド・アロンソは予選でQ3に進出し、決勝ではポイントも獲得したものの、ストロールはトラックリミット違反で5秒ペナルティをレース後に受けるなどして14位でレースを終えた。

決勝でのレースペースは2ステップ作戦を採用したこともあり安定していたものの、平均のペースが上位勢と比較すると1秒近く異なっていたのは今後に向けての課題であろう。

アストンマーティンは来季の途中からはエイドリアン・ニューウェイの加入が既に発表され、チームの強化と共にパフォーマンスが向上することが目標となるだろう。
しかし2026年からはレギュレーションが変わることを考慮すると、来年はその年を重視して開発するのか、26年に向けての開発を優先した戦略をとるのかで大きく異なるシーズンになるだろう。

「Alpine」
アルピーヌはシーズン終盤でのパフォーマンスの良さをこのアブダビでもピエール・ガスリーが発揮した。

ガスリーは予選では6番手を獲得し、決勝ではトップと比べると大きいペース差があったものの、中団勢で見れば非常に安定しており、7位フィニッシュした。

一方でこの週末からエステバン・オコンに代わり起用されたジャック・ドゥーハンはガスリーに比べると安定しない走りとなった。

アルピーヌはブラジルでの大量ポイントを活かす形でシーズンをコンストラクターズ6位で締めくくり、シーズン序盤から中盤のペースを考慮すると上々の出来となった。
来季からはガスリーにのみ投入されたアップデートを見る限りは非常に良い様子だった。
しかしチームとして考えるならばドゥーハンのパフォーマンスも非常に重要であり、ここから来季に向けて何処まで準備が整えられるか、来季のプレシーズンテストまで楽しみだ。

「Williams」
ウィリアムズは終盤で連続して発生したクラッシュによる影響でパーツなどが不足する中の困難な週末となった。

金曜日の時点では2台のマシンが追加のギヤボックスを投入し、決勝は5グリッド降格が決まった。

予選では2台揃ってQ1敗退となり、特にフランコ・コラピントのマシンはフロアをフリー走行で壊したことにより現場で治したツギハギのものを使用していた影響から全くタイムが出なかった。

決勝ではコラピントがVSC再開後のTern6でオスカー・ピアストリから追突されパンク、その後はタイヤを交換して走行するもレース中盤にはPUのトラブルが疑われリタイアとなった。

一方でアレクサンダー・アルボンは12周目にピットインをしてハードに履き替えて、45周のロングランをするも、終盤はペースが悪化し57周目にはオスカー・ピアストリにオーバーテイクを許しポイントを逃した。

ウィリアムズとしては今季終盤は余剰パーツや財政的な面では非常に苦労した戦いとなった。
しかし来季からはカルロス・サインツとアルボンという最強のコンビとなるのでクラッシュなどを気にする必要は少なくなりチームとしても開発などに多くのリソースを費やせるだろう。

ウィリアムズには来季、そして26年からの躍進に期待したい。

「RB」
RBはシーズン終盤にアップデートの関係もあり大きく失速しコンストラクターズでは8位とはり最終戦アブダビでもパッとしないレースとなった。

予選では角田裕毅が僅差でQ3進出を逃す11番手、それに続く形でリアム・ローソンが12番手とまずまずの結果となった。

しかし決勝ではスタートで角田のマシンは加速せず、エンジンがアンチストールに何度も入り、その結果クラッチを痛めてその後のピットストップなどでも苦労する結果となった。
このスタートでのミスで角田は最後尾までポジションを落とし、第1スティントのミディアムは決して良いペースではなかったものの、第2スティントのハードでは良いペースを保持していた。
またハードタイヤの際には幾つものバトルを格上のマシンに対しても行えており、特にTern6までに抜かれても、Tern9までのDRS区間2で抜き返す場面などは印象的だった。

一方のローソンはスタートでは良いスタートをしたものの、1回目のピットでは左フロントタイヤのボルトがきちんと閉められておらず、ローソン自身は一瞬動き出し止まったもののガンクルーは気づかずに再度ピットインして締め直した。
この際にアンセーフリリースが記録され、ローソンには10秒のストップ&ゴーペナルティが科されレースから戦線離脱となった。

またローソンは終盤にはブレーキの問題でコース脇にマシンを止めてリタイアした。

RBは最終戦になってミスやトラブルが連発するというなんとも言えないシーズンの終了となり、パフォーマンス的にも安定性を欠いていた。
しかしシーズン終盤に投入した来季に向けてのアップデート達を来季のシーズン前半、そして後半にはしっかり開発を上手く進めて中団勢のトップを一年を通して維持して戦えるマシンを作って欲しい。

「Sauber」
ザウバーはシーズン終盤になりアップデートが大きく機能を果たし、来季に向けては明るい兆しを残したシーズンとなった。

今週末、ザウバーはリアディフューザー周辺のアップデートを投入し、その成果もありバルテリ・ボッタスはQ3に進出し、自身今季最高グリッドの9番手を獲得した。

しかし決勝でボッタスはオープニングラップにTern6でセルジオ・ペレスに追突し10秒のペナルティを受け、その後のレースでは再びTern6のブレーキングでタイヤをロックさせコントロールを失いケビン・マグヌッセンに追突、その際に左フロントをパンクさせサスペンションも壊してしまいリタイアとなった。

一方で15番手からレースをスタートした周冠宇はスタートでのフォルススタートをとられて5秒ペナルティを受け、レースでは2ステップ作戦を敢行し、レースペースは悪くはなかったもののスタートのポジションが悪くポイントを逃した。

ザウバーは最終戦は思うようなレースにはならなかったものの、ボッタスがQ3に進出した様に着実にマシンは進化を遂げていた。
来季からはニコ・ヒュルケンベルグがハースから加入し、更なる予選でのポジションを狙えることが予想され、マクラーレン育成から加入するF2チャンピオンのガブリエル・ボルトレにも期待したい。

「Haas」
ハースは今週末中団勢の中でトップのパフォーマンスを発揮した。

ニコ・ヒュルケンベルグは予選では4番手を獲得し、2列目のスタートかと思われたが、予選セッション中に追い越し禁止区域のピット出口のトンネル内で他車を追い越しした為、3グリッド降格ペナルティとなった。

しかし決勝では13周目にピットインしてハードに交換した後には安定したラップでハードのスティントをなんとレース終了まで続け、8位でフィニッシュしポイントを獲得した。
ヒュルケンベルグのレースペースは50周辺りからは少し落ちてきたものの、殆どタイヤのデグラデーションを感じさせない、さすがのマネジメントだった。

一方でケビン・マグヌッセンは決勝ではバルテリ・ボッタスにTern6で追突されパンクをしてしまい、余計なピットインを余儀なくされ16位でレースを終えた。

ハースはシーズン序盤から独特の戦略や、チームの連携を発揮してマシンのパフォーマンスを最大限活かす走りをしており、小松綾織体制1年目は非常に優秀な成績だと思う。
来季からはドライバー2人が変わり、オリバー・ベアマンとエステバン・オコンの起用が決定しており、ベアマンに関しては今季フェラーリで一度、ハースで2度の決勝出場経験があるなど、オコンと共に実績のあるドライバーなので来季のハースには中団勢を抜け出す様なパフォーマンスを発揮して欲しい。

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