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【決勝総括】RBは大苦戦! レーススチュワードの行動には疑問の残る後味の悪いレースに

12月1日、現地時間19:00から行われた第23戦カタールGP決勝を総括する。

レースとして序盤から荒れた展開を見せ、ペナルティが多く科さられる中のペナルティパレード状態の決勝となった。

特に重かったペナルティはランド・ノリスのダブルイエロー無視による10秒のストップ&ゴーペナルティ、ルイス・ハミルトンのピットレーンスピード違反によるドライブスルーペナルティの2つだった。
ノリスの件に関しては過去に2021年のオーストラリアでニキータ・マゼピンとニコラス・ラティフィが同様の事象でペナルティを受けているものの、ハミルトンに関しては前例のない重いペナルティとなった。

レースとしては終始ドライバーがプッシュする中でタイヤのデグラデーションはなかったものの、34周目にはルイス・ハミルトンとカルロス・サインツが相次いで左フロントタイヤがバーストするなど2021年を彷彿とさせるレースとなった。

結果としてはスタートでトップを奪ったマックス・フェルスタッペンが勝利を納め、2位にはフェラーリのシャルル・ルクレールが入りコンストラクターズタイトルの可能性をアブダビに繋げた。

全体としてレーススチュワードに感じた疑問点は二つあり、一つ目は接触によるペナルティに対しては重い処分が下ったのに対しフェルナンド・アロンソのアンセーフリリース気味のものに対してなど裁定に取りこぼしがあった点、またもう一つはホームストレート上にデブリがあるにも関わらず黄旗が解除されていたということだ。

またPirelliに対しては急激な予兆のないタイヤバーストは全く予想していなかったのか、また原因はデブリなのか、それともコース特性上の問題なのかを明らかにして欲しい。
レース終了後にはPirelliのマリオ・イゾラ氏は「左フロントタイヤが1番摩耗する場所であり、それが100%に達していた場合は小さな破片でさえもがパンクを引き起こす原因となりうる。またパンクしたタイヤはミラノの研究所で分析される。」と語った。
もしコース特性が原因の場合は今後の開催可否にも関わる重要な安全性の問題にも直結する事象だ。

ロングランのペースを比較するとほぼ全員がタイヤマネジメントをせずに毎周降るプッシュで走行していたことが顕著にグラフにも表れている。
当初Pirelliによるミディアムタイヤの寿命は30周とされていたが、それを超えてからもラップは更新され続け、セーフティーカー明けの多くの車がハードへと交換した後もラップタイムは向上し続けた。

また上位勢がフルプッシュした影響から後続車両もそれに続くためにプッシュし続けた結果、その差はある時点からほぼ横ばいになり、オーバーテイクは困難なレース展開へとなった。

タイヤ的な面に目を向けると35周目のセーフティーカー中に多くのドライバーがピットインしたがまだまだラップタイムは向上していた中であった。
そしてルイス・ハミルトン、カルロス・サインツは前兆なく左フロントがバーストしており、他のドライバーでもステアリングのバイブレーションを訴える者がいたりだと、タイヤ的なダメージはコースの形状からかなりのものだったことが予想される。

今回のカタールGPを終えてドライバーズポイントランキングでは10位争いが激化しており、10位のニコ・ヒュルケンベルグと11位のピエール・ガスリーは1ポイント差、12位の角田裕毅とは7ポイント差となっている。

また上位では2位争いをしているランド・ノリスとシャルル・ルクレールが8ポイント差まで距離を縮め、最終戦も注目だ。

コンストラクターズチャンピオンシップにおいてはフェラーリが決勝ではシャルル・ルクレールが2位に入るなどして、なんとか最終戦まで戦いを持ち込み、差は21ポイント差となっている。

中段勢の6位争いではピエール・ガスリーが5位で10ポイントを得たことにより7位のハースに対して5ポイント差に広げた。
一方8位のRBは今週末ノーポイントとなり、6位までは13ポイント差と厳しい結果となった。

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