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まさに「SHO TIME」!——WBC決勝、日本が悲願の王座奪回

(※野球は決して詳しくありませんが、個人の感想としてまとめます)

まさに「SHO TIME(ショータイム)」。スーパースターは最後の最後で注目を全部持っていってしまう存在なのだろう。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)決勝の米国戦、日本の優勝を見てそう感じた。

試合終盤の最大の注目は「大谷は本当にリリーフ登板するのだろうか?」ということだった。6回あたりから、大谷はブルペンとベンチを行ったり来たり。自分の打席と、登板の準備を同時並行で進める必要があった。

先発登板ではブルペンを行き来することはなく、リリーフを二刀流でこなす困難さを感じさせた。7回裏には内野安打で1塁に全力疾走したばかり。8回表に米国の反撃で点差も1点に縮まっており、スターティングメンバーの選手に最終回のリリーフを負わせるのは無理があるのでは、とも思った。

しかし、栗山監督は迷いなく大谷を9回表のマウンドに送った。マイアミの観衆もこの日一番の大歓声を送った。自国選手に対する歓声より大きく感じたぐらいだ。

大谷は先頭打者に四球を出すが、続くベッツをダブルプレーに討ち取る。

最後はトラウトとの日米キャプテン対決、エンゼルスのチームメイト対決だった。フルカウントからの160キロスライダーで空振り三振に仕留め、優勝を勝ち取った。その瞬間、大谷は雄たけびを上げ、グローブと帽子を力いっぱい放り投げた。(※なお、MLB公式サイトでは大谷とトラウトの対決を「WBC最高の場面」に挙げている)

試合後の大谷はいつもの爽やかな表情で「問題なくプレーできた」と語った。スーパースターはここまで肝が据わっているのだろうか。恐れ入った。

(※シャンパンファイト後の合同記者会見で、大谷は「日本で一度、二刀流でのリリーフ登板したことがあり、その経験が生きた」「ブルペンとベンチの往復も苦労はなかった」と語った)

試合は米国チームで今大会絶好調のターナーが2回表に先制アーチを決めて0-1。しかし、2回裏に前日のメキシコ戦で生き返った村上が初球のひと振りでソロ本塁打を放って1-1の同点に追いついた。その後、1死満塁の場面でヌートバーの内野ゴロの間に2-1に。

4回裏には岡本の値千金のソロ本塁打が飛び出し、3-1とリードを広げる。

その後は双方の守備が堅く、神経戦が続いた。山田が二度の盗塁を決めるが、捕手のリアルミュートの送球も素早く、決して楽な盗塁ではなかった。双方ともヒットや四球、盗塁で2塁まで進むことはできても、3塁にランナーを進めることは困難だった。

8回表にダルビッシュがシュワバーにソロ本塁打を打たれ3-2に迫られる。1点差の緊迫した9回、大谷が満を持して登板し、160キロの投球を連発して米国の逆転を許さなかった。米国の強力打線を前に日本は常に緊張を強いられたが、7人の投手リレーで抑え込んだ。

大谷は試合前の円陣で「相手は野球をやっていれば誰でも知っている選手ばかりですが、今日はあこがれるのをやめましょう。勝つことだけを考えていきましょう。さあ行こう!」と気勢を上げた。いつか、日本選手が米国選手と今日の試合を称えあう機会があればいいな、と思った。

大会全体を見て、世代や地域を超えた日本選手の結束の強さを感じた。きずなを結んだのは栗山監督に違いなく、36歳のダルビッシュがチームのメンバーを引っ張った。米国から参加したヌートバーも日本で大人気になった。決勝戦で途中登板した投手の多くは20代前半の若い選手だった。

日本の野球界の将来は明るい。そう感じた。


(※準決勝メキシコ戦の感想は個人ブログに掲載しています)


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