[美容の現在④]カラーリング技術が進歩し、日本の常識は世界に近づきつつある。
私は東京ディズニーランド誕生とほぼ同じ美容師歴36年、フォルムで28年目の現役美容師です。
今回は「カラーの好みは多様化している。美容技術も多様化の一途へ」というテーマで書いていきます。
私はおよそ30年前、フランスのパリ・イタリアのローマ・旧西ドイツ・オランダなど、欧州の美容関係ツアーで研修を受けました。そのときいろんな技術講習があったのですが、カラーのバリエーションはすごく豊富でいろんな色があり、ブリーチの技術もたくさんあったのを覚えています。
ただその頃の日本は、長い髪のワンレングスが一択で大流行中。
強いパーマがかかっていたり、毛先だけパーマをかけて前髪もパーマでかけている「ワンレンボディコン」スタイルが主でした。
カラーリングもメッシュなどありましたが、挑戦しているのは一部の人だけで、今ほどブリーチが一般的な感じではありませんでした。むしろ全体に明るい色を入れる人はあまりいなかったかもしれません。
その当時は、くるくるドライヤーやブラシでつくるスタイルが多かったのですが、今現在はカールアイロンで作るのが主流の時代。
アイロンを使うと髪にかなりの熱ダメージがあっても、カールアイロン(高価なアイロン)だと傷んだ感じのしない外国人風のゆるふわヘアが誰でも簡単に作れます。
しかもその熱ダメージを軽減させる商材も豊富で、本当に良い時代になったと思います。
カラーリングも、お客さまのイメージや好みに合わせてコントロールすることも、美容師がお客さまの個性に合わせた色味に仕上げることも、簡単にできるようになりました。
もちろん白髪も、明るくして目立たなくすることも、しっかり染めて隠すことも、頭部の部位によって染め分けすることもできます。
ロングヘアのお客さまも、髪の傷みを軽減させて大胆にカラーを入れることもできます。
ただし一度傷んだ髪は元には戻らないので、事前によくカウンセリングして、お互いに納得した上での施術になります。
4〜5年ぐらい前から今現在まで、日本でも多種多様な技術でカラーリングを楽しむことができる環境になったと肌で感じます。アジア人の茶褐色ベースの黒い髪色でも、どんどん技術がアレンジされて進化しています。
40〜50年以上カラーリングの歴史がある外国と比べても、今や遜色ないのではないでしょうか。
アジア人の黒髪は太め・硬めでキューティクルもしっかりあって、ベースの色が暗くて、リフトアップするにはやはりダメージが強くなるのですが、色が明るい欧米人の髪は、細くて柔らかくて、一見弱そうですが、実は芯がしっかりしていてダメージに強い質感です(全てには当てはまりませんが)。
髪本来の色味も明るくて、ベージュベースだったりします。
分かりやすく言うと、茶黒い画用紙(=アジア人)と黄白の画用紙(=欧米人)に絵の具を乗せるような違いです。
なので欧米人のカラーリングには本当に様々な色があり、ベージュやグリーン系もとてもキレイに発色します。しかもブリーチはすぐに白金ぐらい抜けるので、施術時間も短くてすみます。
薬事法もかなり違って、カラー剤に混ぜる薬剤が日本では一応6%が主流ですが、確か海外では25%ぐらいだったような……。
塗り方もバリエーションがたくさんあって、今ではインターネットで検索したら無数にアイデアが出てきます。
これを少しだけ応用して、日本人にマッチした方法で塗ることもできます。
そしてお客さまのヘアカラーに対する意識も、社会の環境も変化して、今のハイトーンカラームーブメントが起きているのだと思っています。
白髪は見えても良い。私らしい色味にしたい。
そんなお客さまが増えているのだと、普段の仕事をしていて感じます。
もっともっと勉強して、素敵で上品なヘアカラーをご提供したいと思います。
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この記事は フォルム綱島店 片谷宗弘 が書きました。