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[夏バテ対策の漢方・薬膳]夏の疲れを秋までに解消する方法

夏の疲労は、秋以降に影響が出ます。

毎日のうだるような暑さ、室内と屋外の温度差、夜の寝苦しさなど、知らず知らずのうちに私たちの身体には疲労が蓄積されています。これらを出来るだけ軽減し、夏の疲れは今のうちに解消しておかないと、秋以降の体調不良につながる恐れがあります。

五行図

この時期の「邪気(体調不良の原因となるもの)」は「暑邪(しょじゃ)」といい、まさに暑さが原因の発汗による消耗や口の渇きなどのダメージを受けやすくなります。
精神面をつかさどる「心」に火がついた状態になりやすいため、イライラする・眠れないといったことも起こります。
また体内に熱がこもりやすいため、火照り・頭痛・高血圧などの症状が起こりやすくなります。そして、熱がこもるということは、体内の潤いが奪われるということでもあり、その状態で秋を迎えると、空気の乾燥に伴い、喉の痛みや咳・痰などの不調を引き起こす可能性があります。
出来るだけその日のうちに上手に熱をとり、身体を潤すことが大切です。

とはいえ、単純にエアコンを効かせたり薄着をする・冷たいものを口にする、ということでは根本の解決にはならず、むしろ、冷えにつながってしまいます。

漢方の考えに基づいたお食事面、生活面でのおすすめを以下に紹介いたします。

[ おすすめの食材 ]
◎余分な熱をとり、身体の渇きを癒す食材
 ゴーヤ、セロリ、トマト、茄子、緑茶など
◎体内の余分な湿気を取り除く食材
 冬瓜、緑豆、小豆、はとむぎ、とうもろこしのひげ茶など
◎酸味のある食材(収斂〈しゅうれん〉作用により、汗のかきすぎを防ぐ)
 梅、レモン、トマト、すもも、酢など
◎体内を潤し、秋の乾燥に備える食材
 豚肉、山芋(生)、梨、いちじく、レンコンなど

[ 摂りすぎに注意したい食材 ]
◎身体を温め発汗させる食材(一層消耗してしまう可能性がある)

 生姜、にんにく、ねぎ、シナモンなど
◎冷やす食材(消化に負担がかかる、身体の内部の冷えにつながる)
 生野菜、刺身、果物、冷たい飲み物や食べ物など

[ この時期の生活養生法 ]
・お風呂にゆっくり浸かる。あがってからは、寝るまで時間をあける。
・早寝早起きをこころがけ、体内リズムを乱さないようにする。
・こまめに水分補給をする。飲み物は出来るだけ常温以上のものを。
・衣服で温度調整をし、室内の冷房対策をする。特に首元や足首を冷やさないようにする。

上手に身体のバランスをとりながら、元気に暑い夏を乗り切りましょう!

この記事を書いてくれた人:古橋 智子(漢方・薬膳・保存食講師)
漢方上級スタイリスト、養生薬膳アドバイザー、中国茶アドバイザー、かんぶつマエストロ。薬日本堂漢方スクール、長谷園 東京店 igamonoなどで講座を担当。20代より保存食作りに親しみ、数々のレシピを考案。素材の旬だけでなく、一人ひとりの体質や体調に合った保存食を提案したいという思いから漢方、薬膳を学ぶ。

インスタグラム
https://www.instagram.com/yakuzen_everyday/

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