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わたしと日々のときめき:リトル・フォレスト

日常でどんな時にときめきを感じますか?

今回はリトル・フォレストという映画について書きたいと思います。

『リトル・フォレスト』(2014)
五十嵐大介さんの漫画が原作で、春・夏・秋・冬の4部からなる作品です。橋本愛さん演じる主人公いち子が故郷での自給自足の暮らしの中で、たくましく生きていく姿を季節の食材を使った料理などとともに描かれています。


都会でいそいそとした生活をしていると無性に自然を感じたいと思う時がある。漠然と、将来は自然に囲まれた環境で丁寧な暮らしをしたいと憧れたりもする……
そんなときに決まって観たくなる映画。

四季折々の自然の美しい色・音、旬の作物を収穫し調理する、美味しそうな料理の匂い、そして味わう。五感にしみわたり、心地よくて穏やかな気持ちになる。その豊かな恵みと共に、いただく命の尊さ、自然の厳しさと共存するための智慧、農があっての食なのだということに気付かされます。

また、圧倒的な映像美と音響。
雨の音や虫の声、鳥のさえずり、料理の音、なんとも心地よくずっと観ていたいと思うほど。
個人的には劇中の音楽が特にお気に入りです。
担当されているのは宮内優里さんという音楽家で、生楽器と電子音を融合させた楽曲制作をしています。シンプルな電子音と暖かいアコースティックの音色が合わさったメロディがさらにリラックスさせてくれるのです。


この作品に出てくる料理はどれも美味しそうなのですが、なかでも気になったものを少し書き留めます。

夏:1st dish
薪ストーブで焼く地粉のパン

“長雨なんかに負けてたまるか”
舞台となっている小森という村では夏の時期、長雨のため何日干しても洗濯物が乾かないほどの湿気なのだそう。そんな時は薪ストーブをつかって屋内を乾燥させるらしいのですが、その機会を利用してストーブでパンを焼くのです。

秋:4th dish
栗の渋皮煮

“村で栗の渋皮煮が流行った”
村のひとりがヒマな日に試しに作ってみると、思いのほか美味しくあっという間にブームとなって広がっていった。それぞれが隠し味に醤油を垂らしてみたり、赤ワインやブランデーを入れてみたり。私の実家でも誰かが作るとブームになってお裾分けし合うというのがよくあったのを思い出しました。懐かしさを感じてなんだかほっとします。

冬:1st dish
クリスマスケーキ

“うちはキリスト教じゃないの”
主人公のいち子が子どもの頃、母と過ごすクリスマス。理屈っぽくてお祝いはしてくれなかった母が何度かつくってくれたクリスマスケーキ。それは、外見は生クリームでおおわれた真っ白な直方体で、カットすると赤米の赤とほうれん草の緑でクリスマスカラーに。

春:2nd dish
ばっけ味噌

“本当に家族だったんだろうか”
東北地方では「ふきのとう」のことを「ばっけ」と呼ぶらしい。雪がまだ積もっているある日、いち子は友人にばっけ味噌をつくってあげるため、母にばっけの収穫をお願いして学校へ行く。母はばっけ味噌を作った後そのまま失踪した。いち子はばっけ味噌をつくるたび母を想う。


書いているうちに無性に料理をしたくなってきました。
今日も美味しくいただきます。
それではまた〜!

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