見出し画像

幾何学ムーブメントはどこからやってきたのか

最近よく見かける『幾何学模様を用いたデザイン。ビジュアルとして、あしらいとして、背景として、またはアイコンとして、用途の広い模様ですが、この幾何学ムーブメントは一体どこからやってきたのでしょうか!?

そのルーツを辿ってみました。

01. デザイン事例

最初に、幾何学模様を用いたデザイン事例を集めました。


02. 幾何学模様とは

幾何学模様は、多角形や直線が規則正しく並んだもの、幾何曲線により生成されたものが主流です。幾何学的な要素が、自由に組み合わされ表現されることで抽象的な幾何学模様となります。

詳しい解説がこちらのサイトにも取り上げられています。


03. バウハウスムーブメント

幾何学デザインのルーツを探ると辿り着くのが、バウハウス(1919~1933年)というドイツに設立された美術学校です。ドイツ語で「建築の家」を表しています。ここでは、建築を最終ゴールとした造形に関する様々な教育が行われていました。

特徴は「余計な装飾を排除した、シンプルで機能的な美しさ」の追求。

形よりも機能・合理主義を唱え、美術と産業を融合させた現代デザインの基礎を築きあげました。格子や幾何学模様を進化させながら、後年に続くグラフィックデザインの土台を確立させてきたのです。


04. バウハウスとグラフィックデザイン

機能・合理主義を唱えたバウハウスの理念は、現在のグラフィックデザインにも影響を与えています。例えば、ルイヴィトンのロゴとして有名な「Futura」は、バウハウスの非常勤講師パウル・レナーによってデザインされたフォントです。また、東京造形大学や武蔵野美術大学など、日本の代表的な美術大学の教育理念は、バウハウスの理念をもとに構築されています。


05. バウハウスとビッグテック

バウハウスの理念は、グラフィックデザインにとどまらず、課題解決のアイデアとしてテクノロジーの分野にも生かされています。

Google Arts&Cultureの最新コレクション「Bauhaus Everywhere」からも見てとれます。

他にも、Googleのデザインガイドライン「I/O 2018: Our Definitive Guide to Design」からもその系譜を見ることができます。

Google Pixelの販促ムービーとして作られた「Pixel 4a Attract Loop」は、世界に大きなインパクトを与えました。


06. ムーブメントを牽引するクリエーター

これらビッグテックのクリエイティブを手掛ける代表的なクリエーターが「Jonathan Notaro」「German Kopytkov」です。

その特徴でもある数学的なデザインは、ビッグテックに限らず近年のスタートアップ企業のクリエイティブでもよく見かけます。

まとめ

グラフィックの分野では多く取り入れられてきた『幾何学デザイン』。
機能・合理性を追求した思想は、ITとの相性も良く、UIUXデザインやコンセプトムービーとして取り入れられ、ビッグテックやそれらを手掛けるクリエーターにより、私たちの環境を取り巻いています。

そこには常に、100年も前から続くバウハウスの系譜が生き続けていると言えるようです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?