ゆるスポーツ_

巡礼とゆるスポーツが今の僕を再定義した (5/12)堀下

新大阪からつくばに帰る新幹線の中でこの日記を書いています。

京都にいた頃にいちばんお世話になった人の結婚披露宴にご招待いただいたので、弾丸日帰りになってしまいましたが、参加させていただきました。


5年前、ぼくは大学3年次を終えてからの3年間を休学し、”起業準備”という名のモラトリアムを過ごしていました。

そのちょうど真ん中の時期、期間にしても半分に当たる1年半を京都で過ごしました。株式会社しびっくぱわーで取り組んでいる事業の柱である、行政計画策定に係るコンサルティング業務は、この京都時代に学んだものです。


思考は場所すなわち環境の影響を強く受ける

普段からそう思っています。
それは今日、1年ぶりに関西に行って、改めて思い出しました。

京都にいた頃のこと。

まだ先の見えない、でもなにかやりたいと沸々とした想いを持ちつつ平日は”与えられた”仕事をこなしつつ、毎週金曜の夜になると夜行バスに乗り込み東京へ、そしてつくばへと帰り、日曜の夜行バスでまた京都に帰ってそのまま仕事をする…そんな生活を1年半ずっとしていた頃を。

創り出していないと捉えていた仕事に従事するという行為そのものに漠然とした不安と不満、怒りと焦りを持っていたこと。だから業務委託されていない、新しい領域を開拓したくて常に”仕事”を創り出せないか悶々と考え続けていたこと。

今は行政コンサルティング業務も捌きながら、Tsukuba Place Labを立ち上げたことによってコミュニティマネージャーという今最もトライしたいと思える働き方を築くことができたと思っています。そしてなにより【まちづくり×教育】という、5年間掲げ続けてきたものの具現化できずにいたビジョンに、やっと自分の事業が、思考が、行動が追い付きつつある、そんな感触もあります。だからこそ遠い過去の話と忘れていた、悶々としていた時期のことを、京都に行ったことで、こんなにも簡単に思い出せるものかと驚いています。


あの悶々とした気持ちを払拭したいから

ぼくらコミュニティマネージャーが普段、現場で取り組んでいるのは江本さんの日記にある言葉がほんとうに上手く表せていると思います。

不便さはコミュニケーションの始まり
少しだけ行動してもらったり、不便さをちょっとだけ強いたりする、そんなデザインをしれっとするのがわたしたちのお仕事。たとえば、交流イベントの後片付けは参加者にも手伝ってもらう。たとえば、コワーキングが長期休みの時は会員さんにゴミを捨ててもらう。そんな小さな仕掛けが、いつか当事者意識になることを知っています。

そう、不便さを強要することなく共有しコミュニケーションのとっかかりをデザインしたうえで、絶対にそのタイミングを外さないように最新の注意を払うことが、コミュニティマネージャーの大切なお仕事の1つと思っています。

流れをデザインし、感情を引き出し、情報を紡ぎ、”今ココ”そしてその先にあるお互いの価値を最大化していくことがぼくのお仕事です。

コミュニティマネージャーの定義がそうである、と言いたいのではなく、ぼくにとってのコミュニティマネージャーの定義です。それは、先の見えなかったあの頃の悶々とした淀んだ心持ちに対して、ほんの少しの方向性と最初の1歩を踏み出す勇気を与える存在でありたい、という想いから来ているのだと、今ならそう説明できます。


人の動きをデザインする

ゆるスポーツが、まさにコミュニティマネージャーがなんたるかを説明するいい教材だな、と最近思ったのでここに書き記しておきます。

※これは僕が先見性のある画期的なアイデアと練りに練った戦略とに裏打ちされた事業についての説明ではなく、ゆるスポーツとは一般社団法人世界ゆるスポーツ協会さんが提唱されるもので、下記開設はよんなな会を主宰される脇さんのご講演の中にあったものであることを申し添えておきます。

ゆるスポーツ。
それは、年齢・性別・運動神経に関わらず、だれもが楽しめる新スポーツ。超高齢社会でスポーツ弱者が多い日本だからこそ生み出せるみんなのスポーツ。勝ったらうれしい、負けても楽しい。多様な楽しみ方が用意されているスポーツ。足が遅くてもいい。背が低くてもいい。障がいがあっても大丈夫。あなたのスポーツが、必ず見つかります。世界ゆるスポーツ協会は、ゆるスポーツを創るスポーツクリエイター集団です。(HPより引用

天井に的があります。
風船で中心を狙います。
中心に近いところに当たれば高ポイント。

ただそれだけのゲーム。

でもここに人を動かすデザインがある。

このゲームはヘルスケア分野で威力を発揮しているよう。

風船って思いのほか”ふわふわ”と揺蕩うもので、まっすぐと天井に向かってくれないもの。そこで何度か繰り返すうちに、自然と手をより上に伸ばしたところから風船を放すようになるとのこと。

一切無駄な説明などなく、ただただ自然と人の手を高くに上げさせることの難しさ、そして尊さを、介護予防事業に従事する方々は感じるだろう。

そう、高齢者の手を自然と高く上げさせているのだ。

この事例を知った時に、ただただ
ああ、こんな違和感のない導き方をしたいなぁ
と思いました。


おっと、もうすぐで東京駅です。

この続きはまた今度。

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