【12月は寄付月間】特別開催 / 社会課題解決の最前線!私たちに、今できるアクションとは?
私たちの生活と社会課題はどのように関わっているのでしょうか。 また、私たちが、今できるアクションは何でしょうか。 私たちの日常生活の中では、社会課題を落ち着いて考える機会が少ないのが現状です。 世界ではどのような社会問題が起きているのか? 私たちの身近ではない問題も同じ地球に住んでいる以上、決して他人ごとではありません。
今回のイベントでは「まずは知ることが大切なのではないか」と考え、12月の寄付月間をキッカケに認定NPO法人e-Educationの副代表・坂井健さんとNPO法人メッシュサポートの理事長・塚本裕樹さんの2人のゲストをお招きして「社会課題の現状と、それぞれのNPOの活動内容、今私たちに出来るアクションについて」考えるイベントを12月19日(火)に開催しました。
本記事では、お話された内容を特別にお届けします。
登壇者さまのご紹介
坂井健さん
認定NPO法人e-Educationの副代表
フィリピンの貧しい子どもたちにテクノロジーを使って支援するStudyCo、JICA及び日本の教科書会社と協業しフィリピンの教科書を制作するプロジェクトを歴任。2020年より同法人副代表として海外事業、BX(ブランドエクスペリエンス)、人自の統括を務める。
塚本裕樹さん
NPO法人メッシュサポートの理事長
2001年より㈱ 都市デザインシステムにてコーポラティブハウスやホテル設計に携 わる。2007年に沖縄へ出張した際に、 当法人前理事長の小濱医師と出会い法人の設立に参画。以降、 航空機の自主運航体制の構築や広報活動に取組み、 2018年より理事長に就任。
どんな社会課題に向き合っていますか?
坂井さん:私たちは貧しくて学校に行けない子供達や村に塾がない子供達に教育を無償で提供して、現地の大学に合格をさせるお手伝いをしています。
突然ですが、皆さんこれはどのような写真がわかりますか?
実はこれ、バングラデシュの街灯の下で勉強する子どもの写真なのです。
彼は今高校生で、大学に行きたくて夜も街灯の下で勉強しています。
バングラデシュは、インフラや家庭の問題で外で勉強する子どもたちも多いのです。
こうした勉強に真摯に向き合っている子供たちがいるにも関わらず、バングラデシュの農村部では、学校がなかったり、受験をするための塾がなかったりすることで、十分に教育が受けられない子どもたちが多く存在しています。
一方で、こちらの写真をご覧ください。
こちらはバングラデシュの都市の写真なのですが、今写っている看板はほとんどが塾の看板なんです。
途上国と聞くと、国全体が貧しいイメージを持っている方も多いと思いますが、都市部と農村部で、激しい格差が広がっています。
そのため、都市部と農村部の教育格差をなくすことが私たちの取り組む課題です。
成田:農村部にいる子どもたちとどのように接点を作っているのですか?
坂井さん:私たちが直接農村部に行って、学校や村の中でプロジェクトの内容をお話させていただいて、子供達に参加してもらっています。
また、e-Educationで実際に授業を受けた先輩たちが口コミを広げてくれることで、後輩たちがe-Educationに来てくれるという好循環も生まれています。
成田:塚本さんはどのような問題に取り組まれていますか?
塚本さん:私は航空路線の移動手段が乏しい離島で、患者の搬送が困難な状況を解決するための活動を行っています。
沖縄などの周辺に点在する小さな離島に関しては採算が合わないということで、航空路線の数が少ないという現実があります。
そのため急患の患者さんがいらっしゃった時に搬送が本土と比べて遅れてしまうのです。
そこで私たちメッシュサポートでは、航空路線の移動手段が乏しい離島のインフラ問題を解決していきたいと思っています。
成田:どういった経緯で離島のインフラの立ち上げに関わることになったのですか?
塚本さん:過去にリゾートホテルの開発で島を空撮することになりまして、その空撮に使わせていただいた飛行機の会社が、沖縄でドクターヘリを使っている会社でした。
その方々と話をしている中で、離島医療問題を取り組んでいる先生とお会いする機会がありまして、今の離島医療問題を知り、取り組ませていただいています。
クラウドファンディングで挑戦していることを教えてください
坂井さん:私たちは先程お話させていただいた途上国の教育格差問題を是正するために映像教育を用いて、農村部の子供達の教育をサポートしています。
バングラデシュでも林修先生のような有名な先生は多くいらっしゃるので、その方々にお願いをして、授業を撮影させていただいき、農村部の子供達に無償で提供しています。
ただこの問題に向き合う中で、近年の円安の影響を強く受けてしまい、これまでよりも30~40%ほど経費が多くかかっています。
しかし、コロナの影響で、映像教育がより多く普及していき、e-Educationの生徒さんも増えてきた中で、経費の問題でこの取り組みを縮小したくないという思いが強く、クラウドファンディングに挑戦させていただきました。
成田:農村部でもパソコンなどは普及しているのでしょうか?
坂井さん:2010年のe-Education創業のタイミングでは、パソコンが農村部なかなか置いていなかったので、日本で寄付していただいたパソコンなどを農村部に届けていました。
ただ2015年からは私たちが小型のタブレッを開発しまして、それらを農村部に提供しています。
現在は、コロナの影響もあり、途上国でもタブレットやスマートフォンが広く普及していますので、生徒がご自身のデバイスで授業を受けることができています。
成田:塚本さんはどのようなクラウドファンディングに取り組まれていますか?
塚本さん:今回は医療用飛行機での搬送体制を維持するためにクラウドファンディングに挑戦しています。
なぜ今回飛行機なのか?と言いますと、これまでドクターヘリを利用して、急患の患者さんを離島から本島に運び、治療を受けていただき、民間の飛行機を使って離島まで帰ってもらっているのですが、中には、身体的な都合で民間の飛行機に乗れず、帰ることできない患者さんもいるのです。
そこで、このような患者さんのために医療用の飛行機を導入をしました。
しかし、この活動を続けていくためにはどうしてもランニングコストが必要になってきます。
そこでクラウドファンディングを通して事業を継続できるように今回の取り組みに挑戦しました。
実現したい社会を教えてください
坂井さん:私たちが実現したい社会は最高の教育を世界の果てまで届けることで、今はまだ4カ国にしか映像授業の提供ができていませんが、これを世界の果てまで届けて、どんな地域でも教育格差がない社会を作りたいと思っています。
また、今バングラデシュで勉強して、大学に合格した子供たちが、「今度は自分が農村の子供達に教育を届けたい!!」というように、子どもたちが恩送りをする連鎖が生まれる社会にしていきたいと思っています。
成田:塚本さんはどのような社会を実現したいですか?
塚本さん:私たちはへき地や離島でも安心して生活できる社会を実現していきたいと思っています。
国土を守るために何かできることはないのか?ということを今後も考えて安心した地域づくりをしていきたいです。
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