【イベントレポート】第3回Social Action PITCH|社会課題を解決するオンラインピッチ byクラウドファンディングForGood~
11月4日に開催された、第3回Social Action PITCH|社会課題を解決するオンラインピッチのイベントレポートです!
Social Action PITCHとは
社会課題解決に挑む「クラウドファンディング実行者4名」がピッチ登壇
本イベントでは、社会課題を解決するために立ち上がったFor Goodの実行者4名が登壇し、課題の現状や、クラウドファンディングを通じて解決するためのプランを発表します。今回のゲストの方にはクラウドファンディングを経験した感想をお聞きしました!社会をより良くするために立ち上がった実行者さんの想いをお聞きください!
また、イベント当日はピッチ登壇に加えて、参加者の皆さんからいただいた質問をもとに質疑応答も行います!日々の活動でぶつかっている課題や、それを乗り越える方法などをお聞きいただけます。
イベントレポート
本日司会進行を務めさせていただくFor Goodの横溝 南海 (よこみぞ みなみ)と申します。
現在、私は熊本の天草で地域おこし協力隊として活動しています。その中でも、「アクションを起こし、それを全国に広げていけたらいいな」との思いから、現在「For Good」に従事しています。また、「For Goodラジオ」のパーソナリティも務めておりますので、ぜひラジオも聴いていただけたら嬉しいです。
PITCH1
取り組んでいる課題
放棄竹林の問題に取り組んでいる、一般社団法人クルクルオノミチの藤本 浩平(ふじもと こうへい)と申します。
竹林は雑草と同じイネ科で、雨が降ると急速に広がり、約26年で東京ドーム3000個分にも増えているとされています。特に放棄地に広がると、整備されていない竹林が土砂災害を引き起こしやすくなり、最近の水害や異常気象と相まって災害リスクが高まるとされています。
また、現在99%以上が輸入品であるメンマを国内で生産するプロジェクトが九州を中心に展開されており、放棄竹林の解決を目指しています。私たちもこれを尾道で挑戦することを解決策として取り組んでいます。
どうしてその課題に取り組んでいるのか
私は尾道の向島に住んでおり、18年ぶりに帰郷した際、特に私の住む地区の高齢化が深刻であることを実感しました。地域清掃では私と70歳近い母が最も若く、今後さらに人口減少や放棄地が増えていくことが懸念されています。また、耕作されなくなった畑や竹林にイノシシが出没し、地域の環境が悪化する中で、祭りの神輿を担ぐ人手も不足するなど、自治機能の衰退が課題だと感じました。
昨年、偶然参加したビジネスコンテストで仲間を見つけ、そこで賞を受賞したことがきっかけとなり、地域課題に取り組むプロジェクトが具体的に動き始めました。
クラウドファンディングで挑戦していること
このクラウドファンディングを通して、
一緒に支援してくれる仲間を増やすこと
商品を紹介して、活動を知るきっかけにすること
を目指していきます。
「尾道タケタケ」という調味料を開発し、通常のメンマの味とは違うものを作ることに挑戦しました。メンマは食物繊維が豊富で味を閉じ込める役割があるため、山椒などの風味を染み込ませ、さまざまな料理に「味変」として使える商品にしました。たとえば卵かけご飯に加えると、食感とパンチの効いた味わいが楽しめます。
実現したい社会
私たちが目指すのは、尾道を先輩世代から受け継いだように、子どもたちにも誇れる故郷にすることです。そのために、放棄竹林を整備し、住みやすい地域づくりを進めたいと考えています。また、色々なことに挑戦するということが当たり前の文化を築き、取り組みを共有することで、同様に放棄竹林の問題に悩む方々にも事例として役立ててもらいたいと考えています。
PITCH2
取り組んでいる課題
ネコリパブリック首相の河瀬麻花(かわせ あさか)と申します。
日本では犬猫の殺処分数が依然として多く、特に猫の処分数が犬よりも多いのが現状です。環境省のデータによると、2年前には約1万匹の猫が行政によって殺処分されました。私たちは「殺処分ゼロ」を目指し、すべての猫に安心して眠れる場所と満たされた生活を届けるというミッションのもと、10年間活動を続けています。
どうしてその課題に取り組んでいるのか
日本では、多くの人が殺処分を「安楽死」と思われていますが、実際には犬猫を小さな「ドリームボックス」に押し込め、20分間もがき苦しませながら窒息させるという残酷な方法が用いられています。特に子猫は空気が薄くても生きていけるので、窒息しきれず、生きたまま焼却されることもあるという衝撃的な現実があります。このような現状を変えたい一心で、私たちは保健所から救出した病気やずぶ濡れの子猫たちをケアし、新しい家族に繋げる活動を続け、「殺処分ゼロ」を目指しています。
クラウドファンディングで挑戦していること
新しいシェルター確保のための資金調達が目的です。以前からご厚意で借りていた一軒家シェルターが売却されることになり、私たちも購入を勧められましたが、8000万円の費用は手が出せないため退去を余儀なくされました。賃貸物件を探しましたが、40匹の猫が住める条件を満たす物件は見つからず、活動の継続が危ぶまれる状況でした。
しかし、奇跡的に近隣に条件を満たす3800万円の物件が見つかり、この物件が猫たちのケアや治療、終末期の静かな場所として最適と判断し、思い切って購入に踏み切りました。猫たちがゆっくり過ごせる、そしてスタッフたちが泊まり込んでお世話できる形に改装したいと考えています。
実現したい社会
” 殺処分をゼロ ”にするためには、保護活動だけでは不十分です。受け皿の確保や譲渡の出口を作ること、保健所に持ち込まれない社会を目指すこと、そしてこれらの活動を継続することが重要です。これらの4つの要素がうまく回ることで、殺処分ゼロを実現できると信じて活動を続けています。
PITCH3
取り組んでいる課題
ビオ農縁の春和のぞみです。
私たちが解決したい課題は、18歳未満の子どもの相対的貧困の割合が11.5%に達していることです。これは、9人に1人の子どもが貧困に苦しんでいることを示しており、非常に深刻な社会問題です。この状況を知る中で、私たちは全員が当事者となり、問題解決のきっかけを作っていきたいと考えています。
どうしてその課題に取り組んでいるのか
この課題に取り組む理由は、私が地元の中学校で保健体育を教えていたときに、夏休み明けに学校に来た生徒たちが痩せていることに衝撃を受けたからです。大人の助けを借りられない中で、毎日必死に生きている子どもたちがいることを知り、彼らのために少しでも力になり、そういった子どもたちを減らしていきたいという思いが強まりました。
クラウドファンディングで挑戦していること
私たちは、今回のクラウドファンディングを通して、社会課題を知ってもらったうえで、移動式子ども食堂を立ち上げたいと考えています。移動式の形を取ることで、特定の場所にこだわらずに市内を回り、必要としている子どもたちに食事を届けることが可能になります。キッチンカーの購入費用や整備費用を集めるために、クラウドファンディングに挑戦しています。
実現したい社会
私たちが実現したい社会は、子どもたちが明日のご飯に不安を抱えず、当たり前に食べられる社会です。食育や農業と社会課題を掛け合わせ、子どもたちの未来が豊かになるよう支援していきたいと思っています。
PITCH4
取り組んでいる課題
NPO法人外国から来た子ども支援ネットくまもとの岩谷 美代子(いわたにみよこ)(代表:竹村 朋子さんの代理)と申します。
私たちが取り組んでいる課題は、外国ルートの子どもたちへの日本語指導です。
これらの子どもたちは、親の国際結婚や仕事の関係で自らの意思とは無関係に日本に連れて来られた子どもたちです。そのため、モチベーションが低く、日本語指導を受けられない地域も多い状況が続いています。日本全国には約13万人の外国ルートの子どもたちがおり、そのうちの半数以上が日本語指導を必要としています。
どうしてその課題に取り組んでいるのか
この課題に取り組む理由は、日本語学校に勤めていた際、中学生の子どもたちから日本語指導の要望を受けたことがきっかけです。日本語学校は18歳以上を対象としているため、彼女は自宅でホームステイをさせて子どもたちに日本語を教えることを始めましたが、一人の力には限界があります。そこで、地域全体で日本語指導を受けられるような体制を作りたくて活動をスタートしました。
クラウドファンディングで挑戦していること
私たちはクラウドファンディングを通じて、増え続ける子どもたちへの日本語指導を持続可能にするための資金を集めています。これまでの15年間、ボランティアで運営を続けてきましたが、行政からの支援は不安定で、今年度は委託金が受けられない状況に直面しています。現在、クラウドファンディングを通じて多くの方からの支援を受けており、このプロジェクトを通じて子どもたちの存在を広く知ってもらいたいと考えています。
実現したい社会
私たちが目指すのは、外国ルートの子どもたちが日本社会で取り残されることなく、自立し夢を実現できる社会です。少子高齢化が進む日本において、外国から来た子どもたちは大切な存在であり、彼らを支えることで社会全体の未来を明るくしていくことができると信じています。
登壇者の感想と意気込み
藤本 浩平さん(一般社団法人クルクルオノミチ)
このような機会をいただき、ありがとうございました。子どもができたことで、私は子どもたちに自分たちの地元をしっかりとバトンをつないでいきたいという思いを持っています。ぜひ皆さんも共犯者となり、ご支援いただければと思いますので、よろしくお願いします。他の方々の活動についてお話を聞く機会はなかなかない中で、非常に勉強になりましたし、大いに刺激を受けました。他の実行者さんたちのように、歴史ある活動ができるように頑張っていきたいと思います。
岩谷 美代子さん(NPO法人外国から来た子ども支援ネットくまもと)
このような機会をいただき、ありがとうございます。本来は代表の竹村が出席する予定でしたが、急遽代理として参加しました。クラウドファンディングの運営は慣れない作業が多く、記事作成や写真撮影も他の方の協力を得ながら進めました。実際に自分でやってみて、他の団体の皆さんも同じように苦労されていることがよく分かりました。また、本日は他の実行者さんのお話も直接伺えて、とても勉強になり嬉しく思います。今後も仲間と共に頑張っていきたいと思います。
さいごに(For Good運営より)
ここまで本記事を読んでいただいた皆さま、ありがとうございます!
第3回Social Action PITCHのレポート記事は、いかがでしたか?
改めて、イベントの様子を動画でご覧になりたい方は、以下のyoutubeからイベントアーカイブを視聴することも可能ですので、ぜひご覧ください。
「社会をより良く変えるアクションを起こす実行者さんの想いを、より多くの方々へ届けたい」
その思い一本で立ち上がった本企画ですが、第3回もお申し込みをいただけるのか、For Good運営メンバー全員がドキドキワクワクした気持ちでいっぱいでした。
しかし、前回に引き続き、今回も60名以上の方にお申し込みをいただき、参加していただきました。
イベントに参加していただいた皆さまと「社会をより良くする」という輪を共有することができ、運営メンバー一同嬉しく思っております。
これからも皆様と共に、楽しい場を提供できるよう努めてまいりますので、引き続きご期待いただければ幸いです。
改めて、この度はイベントにご参加いただき、ありがとうございました!
来月以降も、毎月4日にSocial Action PITCHを継続開催していこうと思っていますので、ぜひ、ご都合がよろしいタイミングでご参加いただけますと嬉しいです!
また、皆さまにイベント内でお会いできることを楽しみにしております!
これからも、For Goodをどうぞよろしくお願いします!
For Good運営
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