花の子ルンルン
ララたんの花の子ルンルンです。
南フランス、小高い丘のふもとにある小さな田舎町に、ララルンルンという名の活発な女の子が住んでいました。
彼女の父母はすでに亡くなっていたので、花屋を営む祖父母と共に暮らしていました。
ルンルンが12歳の誕生日を迎えたある日、「花の子」を探しているという白い猫の「キャトー」、犬の「ヌーボ」が現れました。
「花の子」を見つけ出す魔法によりララルンルンが「花の子」であると確信した二匹は、フラワーヌ星王国からの使者であると名乗り、「王国の王が代替わりするにあたり、地球のどこかに咲くという七色の花が必要で、それを探すことができるのは、花の子の女の子にしかできない」と言い、その花の子がララルンルンなのだと言ったのでした。
「お花を探しに出るなんて、おじいさん、おばあさんを置いていけないわ。」
それに対して、おじいさんは
「可愛い孫ララルンルンよ、聞いておくれ、花探しを頼まれることは名誉なことだよ、それに七色の花を見つけた女の子は幸せになれると言い伝えがあるんだ。きっと見つけて幸せになれるよ。」とお花探しの旅を後押しするのでした。
「おじいさん、おばあさん、行ってきます。
早く探し出して戻ってくるからね。」
ララルンルンは、七色の花を探す旅に出ました。
その様子を密かに伺う二つの影がありました。
かつてフラワーヌ星に反旗を翻し滅ぼされた一族の末裔、トゲニシアと、その手下のヤボーキでした。ララルンルンが七色の花を見つけ出したら、それを横取りして自分が新しい女王なろうという魂胆でした。
「ひっひっひっ トゲニシア様、こんどはあいつをどうしてやりましょうか?」
「あの娘、私の気に入らないことばかりするわ。せいぜい邪魔してやって。」
「お安い御用で。ひっひっ」
そんな二人に妨害されながらも、ララルンルンは行く先々で出会うセルジュという青年カメラマンに、幾度となく助けられ励まされました。
「セルジュ、あなたがいつも助けてるから、この旅を続けていられるの、本当にありがとう」
しかし、セルジュは旅を常に共にすることはなく、風のように現れては去っていくのでした。
そんなセルジュに対し、ルンルンは淡い恋心を抱くのでした。
「ああ、セルジュ」
旅の途中、やっと七色の花を見つけました。
「これが、そうね!とうとう見つけたわ。」
ですが、
トゲニシアの横取りにあってしまいます。
「こっちによこせ、こいつめ」
「いやよ、わたさない」
そんな時、助けてくれていたセルジュが崖から落ちそうになり、ララルンルンはセルジュを助けようとして滝壺に落ちてしまいました。
「キャーッ、危ない、セルジュ!」
「こっちに来るな、君こそ危ない」
「セルジュ、この手に捕まって」
キャーッ
「ララルンル〜ン」
ドボーン
その時です。
何者かの声が響き、「ララルンルンよ、今までのよき行いを報いてやろう」不思議な力が働き、ララルンルンは助かりました。
「ララルンルン、助かってよかった。心から嬉しいよ。」
「セルジュ、私もよ。」
残念ながら見つけた七色の花は、スイセンに水晶の光が当たってそのように見えていただけで、本物ではありませんでした。
「さあ、旅を続けなさい」
「はい。」
七色の花を探す旅を続ける中、祖父が倒れたと聞いたルンルンは、急ぎ故郷に戻りました。そこで目にしたものは、美しい花畑の丘でした。
それは、セルジュが行く先々でララルンルンの代わりに花の種を取って故郷の祖父に送ったのが、やがて丘一面に花を咲かせたものでした。祖父は「愛と真心の印」ともいえる花畑に育てあげていました。
これを聞いたトゲニシアらは花畑を潰してララルンルンを旅立たせようと考え、花畑を荒らしました。
「やめて、何をするの!」
しかし、無惨にも花畑はむちゃくちゃになりました。ララルンルンは、生き残っていたつぼみを見つけ、手を差し伸べました。
花々を愛おしんだララルンルンの涙がつぼみに当たったその時、開いたその花は、探し求めていた『七色の花』でした。
「まあ、なんてことなの?こんな近くに七色の花があったなんて。」
「君が旅をしていた時の花の種からだよ。君の綺麗な心が、きっと、この花を咲かせたんだ。」
「魔法で見つけたこの子が花の子であり、君がこの地球で七色の花を咲かせる運命だったんだ!」
それを見ていたトゲニシアは花を奪い取ろうしました。しかし、七色の花はそれを拒み花の力でトゲニシア達はどこかに飛ばしてしまいました。
花の鍵の光を七色の花に当てると、フラワーヌ星へと続く虹の橋が現れました。ペガサスに引かれた薔薇の馬車に乗り、ララルンルンは七色の花を届けに向かいました。
フラワーヌ星についたララルンルンは歓迎され、王家一族に迎えらました。花を探しだした偉業を王から称えられ、新国王の妃として迎えたいと言われました。
ですが、ルンルンはそれを断りました。
地球にいるおじいさんとおばあさんを残しておけなかったからです。
王様は、ララルンルンに言いました。
「まだ、国王候補を紹介していなかったな。」
「はい、王様」
「さあ、入ってきて、この方にご挨拶を。」
入って来た新国王候補とは、誰あろうセルジュその人だったのです!
「まあ、あなただったの?」
「今まで隠していて、ごめん。しかし、ずっと君のことを見てきたので、僕は君のことをよく理解できたよ。」
「まあ、セルジュ」
セルジュは、ララルンルンの気持ちを理解して、共に地球で暮らすことを選びました。
確かに七色の花は、ララルンルンに幸せをもたらしたのでした。
おしまい
写真を見てて花の子ルンルンを書こうと思いましたが、話をあまりよく知らなかったでWikipediaを参考にして書きました。お許しください。