いい家具は、いい材料から生まれる!
柳宗悦のこと③ 著書の中でこんなことを言っています。
「工藝は自然が与うる資材に発する。資材なくば、その地に工藝はない。工藝にはそれぞれの故郷があるではないか。異なる種類や変化やその味わいは、異なる故郷が産むのである。工藝の美はわけても地方色に活きる。それはある特殊な地方の特殊な物資の所産である。悉くが天然の賜物である。」(工藝の道より)
「柔らかい桐や杉を始めとし、松や桜や、さては堅い欅、栗、楢。黄色い桑や黒い黒柿、斑のある楓や柾目の檜。それぞれに異なった性質を示して吾々の用途を待っています。この恵まれた事情が日本人の木材に対する好みを発達させてきました。こんなにも木の味に心を寄せる国民は他にないでありましょう。~ 美しい材を用いるということは、やがて自然の美しさを讃えているに外なりません。平に削ったりあるいはそれを磨いたりすることは、要するに自然の有つ美しさを、いやが上にも冴えさすためであります。~ そうして如何に日本が、そういう自然に恵まれた国であるかを反省することは、日本を正しく見直す所以になるでありましょう。」
(手仕事の日本より)
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どちらも昭和初期に書かれたものですが、今読んでも新鮮です。というか今こそ読むべきだと思います。