M&Aのときの会計処理 開始BS、企業結合、のれん、PPA
株式取得により支配を獲得した場合の国際会計基準での企業結合会計処理メモになります。
関連する会計ポリシー
IFRS 3 Business Combinations
FRS 10 Consolidated Financial Statements
*50%以上のオーナーシップの取得をした場合をそうていしており、共通支配下にある企業同士の企業結合およびジョイント・ベンチャーの形成(IAS31 Interests In Joint Ventures)については、適用範囲から除外
用語解説
企業結合:投資家やほかの所有者等に、配当やより低いコストまたはほかの経済的な便益の形でリターンを直接的に提供するための指揮・管理する能力をもつ統合された活動や資産の集合をいう。
事業:投資家やほかの所有者等に、配当やより低いコストまたはほかの経済的な便益の形でリターンを直接的に提供するための指揮・管理する能力をもつ統合された活動や資産の集合をいう。
支配:企業活動からの便益を得るために、企業の財務および経営方針を左右する力。
開始BS確定
のれん&PPA確定前に概算で既存のBSに取得時に発生したコストを差し引いて簡易的に作成して連結処理を乗り切る。企業結合会計基準では、パーチェス法の手続である「取得原価の配分」は、企業結合日以後1年以内に完了する事。と暫定的な会計処理をすることが認められています。
買収時のコストとは、具体的にDDのコストや元オーナーの債務やローン、売却前の配当金、あとSPA(Share Purchase Agreement)に特筆されたトランザクションなどの事。
買収時コストは比較的わかりやすいが、開始BSを作成する際に注意したいのが(特に期中に買収した場合)認識しているが期中にあいまいになりがちな引当、前受金&前払い、為替関係や、固有の年に一回や特別な時にしか入れていない仕訳を担当者と確認する。
たいぶ減ってきていると思うけど、収益やリース(IFRS16)の認識方法などもキチンと行われているのかもwチェック。
企業結合
ググるといっぱい説明がでてくるし、下ののれんの所で合わせて説明
のれん
支払う対価と会社または事業の時価に生じた差額のこと。
当たり前ですが、こちらは買収した親会社に計上する。
• 現金1m、売掛金2m、借入金1mの会社を吸収合併し、株主に対して株式250株(1株10,000で発行、全額を資本金)を交付。つまり、資産は「現金1m+売掛金2m=3m」、負債は「借入金1m」です。
• 受け入れる純資産は「資産-負債」で2mとなります。
• 増加する資本金の金額は、株式250株を1株10,000で発行しているので、「250株×10,000」で2.5m
• ターゲットの純資産は2mですが、買収時の時価は2.5mとなり、この差額(2.5m-2m=0.5m)がのれんです。
取得原価配分(PPA)
PPA(Purchase Price Allocation)とは、M&Aにおいて会社を買収した際の取得原価を、買収した会社の資産や負債に配分する。生じた差額を再評価し、カスタマーリストやトレードマークなど買収時に認識されていないIntangible Assetを再評価し、資産として認識する。外注すると色々資産してくれるので、税効果と償却年数を精査する。
のれん認識したら減損会計も忘れずにー
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