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#297【出版の裏側】年間ベストセラーランキングについて語ってみた

このnoteは2021年12月31日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。

渡部:フォレスト出版チャンネル、パーソナリティの渡部洋平です。2021年も最後の日、大晦日になってきました。今日は私を含めて4人のメンバーでお届けしたいと思います。それでは皆さんよろしくお願いします。

森上・寺崎・今井:よろしくお願いします。

渡部:編集部の森上さん、寺崎さん、そしてもう1人のパーソナリティの今井さん、4人でお届けしてまいりたいと思います。今年も最後ということなんですけれども、今日はですね、 もちろん私たちは出版社なので、本にまつわるテーマで今年一年を終わりにしようということで、森上さんが企画を持ち込んでくれました。

森上:持ち込んだっていうほどじゃないんですけど・・・。

渡部:(笑)

森上:去年もやりましたよね。

今井:毎年恒例ということで。

森上:そうですね。年間ベストセラーっていうのが、出たんですよ。各取次さんのね。で、今回は取次の日販さんの年間ベストセラー。それについて単行本、ビジネスというところでのランキングについて、色々と語っていただければなと思いまして。じゃあ、まずは佐和さんに1位から10位まで読み上げていただいた方がいいのかな。

今井:はい。お任せください。日本出版販売株式会社、略して日販さんというところなんですけれども、こちらの2021年の年間ベストセラーということで、10位からご紹介していきたいと思います。

10位『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』
9位『「繊細さん」の本』
8位『嫌われる勇気』
7位『1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書』
6位『リーダーの仮面』
5位『「育ちがいい人」だけが知っていること』
4位『1%の努力』
3位『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』
2位『本当の自由を手に入れる お金の大学』
1位『人は話し方が9割』


ランキングに登場するタイトルの入れ替わり

森上:ありがとうございます。これ、結構去年と被っているものも結構ありますね。

寺崎:毎年やっていますけど、ほぼ同じっていうね、出てくるタイトルが。そんなに去年と変わっていないっていう。

森上:これ、確か去年も1位でしたもんね。永松茂久さんの『人は話し方が9割』は。

寺崎:そうですね。去年もビジネス書ランキング1位ですね。ただ、この本、ビジネス書ランキングだけじゃなくて、総合ランキングでも1位を取ったというね。快挙。

森上:すごいですね。今年はこの本が総合でも1位を取ったということで、総合2位が『スマホ脳』。『スマホ脳』も結構売れているイメージがありましたけど、それを抜いて。あと、芥川賞の『推し、燃ゆ』。それも抑えての1位ということで。これはすばる舎さんの本で、今週の火曜と水曜にVoicyに出ていただいて、それを聞いていただいた方はご存じかもしれませんけど、総合1位をビジネス書が取ったというのは、『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』以来なんですよ。

寺崎:そんなんだ。『もしドラ』って何年だろう?

森上:あれは2009、2010、2011年とかそのあたりだね。

渡部:2009年12月ですね。

森上:そんなもんですよね。2009年か。あれ以来ですって。ビジネス書が総合1位を取ったのは。

寺崎:すごいね。

今井:10年以上ぶりっていうことなんですね。

森上:すごいですよ。そして、これ、ビジネス書のランキングにおいては2年連続1位じゃないですか。それもまたすごいし、売れた理由については火曜、水曜にすばる舎の担当編集者と、営業マンが色々と語ってくださっているので、聞いていただければなと思うんですけど。あと、総合の5位にビジネス書ランキング2位の『本当の自由を手に入れるお金の大学』が入っていますけど、寺崎さん、これも一昨年ぐらいからいるのかな?

寺崎:いますね。去年がビジネス書の8位ですね。

森上:じゃあ、上がった感じなんだね。

今井:上がっていますね。

森上:ビジネス書ランキング3位の『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』、これも上がっていますね。去年も入っていましたもんね?

寺崎:いや。これは初登場かも。

森上:ほんと!?去年はなかった?

寺崎:なかった。サンマークさん。これは初登場だ。その代わり、去年君臨していた、去年2位の『FACTFULNESS』が、今年はトップ10にないですね。100万部突破したのにね。

今井:海外の方の本がトップ10には入っていませんね。

寺崎:そうだ。確かにその傾向が。

森上:これ、出版社名を見てくださいよ。ダイヤモンド社さんが、ベスト10のうち4点入っていますよ。すごいですね。ひろゆきさんの『1%の努力』、これは今年、初登場かな。あと、6位の『リーダーの仮面』ね。

寺崎:これも初登場だね。

森上:あと、粘り強く『嫌われる勇気』と。

寺崎:いやー、もういつまで君臨されるんですかっていうね。

今井:(笑)。『嫌われる勇気』もだいぶ前から流行っているイメージがあります。

寺崎:そうですよね。

森上:それで、去年と変わらず、残念ながらフォレスト出版という名前がないというね。この寂しさっていうのが。

寺崎:「フォ」の字もない。

森上:(笑)。

やっぱりコミュニケーションものが強い

寺崎:でも、去年もこの話をしたかもしれないけど、やっぱりコミュニケーション系が入っている印象ですよね。話し方しかりね。

今井:そうですね。「話し方」とか、「よけいなひと言を好かれるセリフに」とか、「「育ちがいい人」だけが知っている」、つまり礼儀作法みたいなお話だったりとか、そんな感じがありますね。

森上:その辺りについては、コミュニケーションっていうのが少なくなってきている中で、逆にそれが求められているのかな?

寺崎:無理やりストーリーにすると、一言の大切さみたいなのに、みんなが気づいたみたいな。特に3位の『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』なんか、今の世相に重なる部分、感じません?

森上:すごく感じます。SNS時代ならではですよね。

寺崎:あと、緊急事態宣言の籠りで、人に会えなかったこの1年間。

森上:そうですね。今は開放的になってきていますけど、あの頃の辛さっていうのは、やっぱりそれなりに人それぞれありましたもんね。コミュニケーションが限定的っていうところでね。でね、僕は6位の『リーダーの仮面』っていう、マネジメント系の本が、上位に入ってきているっていうのはすごく新鮮でしたね。

寺崎:このタイトル、すごいよね。

森上:本当に勇気のあるタイトルですよね。

寺崎:よくこのタイトルにしたなって感じ。

森上:うちじゃ、なかなかチャレンジなタイトルになるかな、タイトル会議では。この本はいい本ですよね。識学をテーマにした、著者は安藤広大さんで、横一線と言うか、結構体系的になっている、一見、ちょっと一昔前のリーダー論にも見えるんだけど、読み方を変えると。体育会系感をちょっと感じる人もいたんじゃないかな。でも、すごく売れたよね。ここまで売れるとは、ちょっと正直思っていなかったので、すごくびっくりしているし。でも、読んで納得っていうのもありましたね。

Googleの検索ランキングから見えてくるもの

寺崎:ちなみに今日このランキングの話があったので、今年のGoogleの検索ランキングを調べてみたんですよ。で、検索で「〇〇とは」って検索するじゃないですか。その〇〇に入る言葉のランキングなんだけど、1位が、「適応障害」。でね、面白いのが、トップ10の中に「適応障害」「中皮腫」「双極性障害」「PTSD」っていうのが、入っているんですよ。

今井:なかなかマニアックな病名がてんこ盛りですね。

寺崎:思ったのは、売れている本はコミュニケーションに寄っているけど、人々が検索して知りたいっていうのが結構メンタルヘルス。

森上:まさに9位に入っている『「繊細さん」の本』。それは、ちょっと面白い見方ですね。

寺崎:まあ他は、「クラブハウス とは」とか、「イカゲーム とは」とか。

森上・今井:(笑)。

寺崎:「イカゲーム とは」って、検索するんだなーって思ったんだけど(笑)。

森上:でも、そういう意味では、代わり映えしないなーとは言えども、いくつかトピックスとかも含めて新しいものも入ってきているなってのもあるし、ここに残り続けるのが、どれだけ大変なことか。『嫌われる勇気』なんて、ずっと入っているんじゃないかな、これ。すごいな。『「繊細さん」の本』もずっと入っているよね。2、3年入っているんじゃないかな。

寺崎:2022年にガラッと流れが変わっていたら面白いけどね。

森上:そこに我々、フォレスト出版っていうのがね、入ってくれるとね。入れるようになりたいですね。

何冊売れれば年間ランキングに入るのか?

渡部:ちなみにこれは何冊くらい売れると1番になり、何冊くらいで10番くらいなんですか?一般的な年で。

森上:全然わかんないんですけど、『人は話し方が9割』、これは2年経って、90万部って言っていたかな。これが総合1位だってことですもんね。

寺崎:だから、二桁万部ですよね。入るのは。

森上:まあ、10万部じゃ無理だね。

寺崎:『人は話し方が9割』なんて、この間、10万部増刷していましたもんね。

森上:いやー、すごい。で、2冊目がもう出ているんだよね。『人は聞き方が9割』っていうね。かなり初速好調だって言っていましたけど。

今井:話し方9割で、聞き方9割だと18割になっちゃいますね。

寺崎:おれもそう思った。

森上:そうなんです。それはみんなで突っ込むところだよね。

寺崎:話し方じゃないんかい!っていうツッコミね(笑)。

森上・今井:(笑)。

森上:でも、放送を聞いていただければわかるけど、その理由も言っていました。

今井:おそらく、話す=聞くみたいなお話なのかななんて、察してみました。

森上:ご名答です。まさにその通り。

寺崎:そのすばる舎さんの放送ってこれからなんでしたっけ?

森上:もう放送されています。火曜、水曜に。

今井:まだお聞きになっていない方は、ぜひすばる舎さんの回もお聞きいただければと思います。

森上:あと、スターダムと言うか、一気に爆発したのが、ひろゆきさんね。これは急に出てきた感じの・・・。急にって言うか、昔からいた中で。

寺崎:お茶の間レベルの人になりましたよね。

森上:そうね。今年の人っていう感じですよね、ビジネス書の中で言うと。ビジネス書界の今年の人。そんな感じでしょうか。渡部さん、以上です。

渡部:はい。ありがとうございます。それでは今日は2021年最後の日、12月31日の放送でしたが、「2021年の年間ベストセラーについて語ってみた」ということで、編集部の森上さん、寺崎さんの見解をお聞かせいただきました。

森上:1つだけ追加で最後に・・・。これはちょっと半分宣伝になっちゃうんですけど、フライヤーさんと、グロービスさんがやっている「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022」っていうものがありまして、今うちの本が3冊エントリーしています。URLを貼っておきますので、見ていただけたらと思います。もし、読んでよかったよなんていうのがあったら。

今井:ワーママはるさんとか出ていらっしゃるんですね。

森上:そうですね。

渡部:せっかくなので、タイトルをお伝えしましょうか。ここは今井さんから。

今井:はい。フォレスト出版からエントリーしているもの、イノベーション部門でのエントリー作がワーママはるのライフシフト習慣術、そして自己啓発部門でなぜ、あなたは他人の目が気になるのか?。そして、マネジメント部門で予算ゼロでも最高の人材が採れるまちがえない採用ということで、こちらワーママはるさんと、鴛海さんはVoicyのゲストでもお越しいただいたお二人になっております。ぜひ、こちら、皆さまの清き1票をお待ちしております。リンクの方をこちらに貼っておきますので、ぜひぜひお願いいたします。

森上:ありがとうございます。投票期限が1月の10日までになっております。読者投票、誰でも投票できますので、ぜひURLをご覧になっていただいて、うちの本に投票しなくてもいいので、ご自身で読んでよかった本、それを投票できるような。確か、各部門ごとに3票づつあるのかな。6部門あるので、18票あるのかな。18票をご自身で投票してみるのも面白いかなと。年末年始の楽しみとして、ぜひ、やってみてください。

今井:はい。私もこの「読者が選ぶビジネス書グランプリ2022年」のエントリー一覧を見ているんですけど、エントリーされている本を見るだけでも、ちょっと頭がよくなったような気持ちになるので、ぜひこちらのページを皆さんにご覧いただけたらなと思います。

寺崎:ぜひ、フォレスト出版に投票をお願いします。

森上:お願いします(笑)。

渡部:ちなみにこの3冊は、森上さん、寺崎さんは関わっていらっしゃる本はあるんですか?

森上:僕は『ワーママはるのライフシフト習慣術』ですね。あとは、『予算ゼロでも最高の人材が採れるまちがえない採用』が杉浦さんっていう、女性の編集者で、『なぜ、あなたは他人の目が気になるのか?』が石黒さんという男性の編集者。

寺崎:何回かVoicyには出てもらっていて、ご存知のリスナーの方もいるかもしれないです。

森上:ぜひ、よろしくお願いします。

渡部:ありがとうございました。それでは、今年最後の放送を終了したいと思います。それではVoicyのリスナーの皆様、2021年も本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)


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