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【フォレスト出版チャンネル#228】ゲスト/転職・就職|コロナ禍で激変! 企業の採用最新情報
このnoteは2021年9月28日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
いい人財が「集まる」会社、とにかく人材を「集める」会社
渡部:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティの渡部洋平です。今日は編集部の森上さんとともにお届けしてまいりたいと思います。森上さん、よろしくお願いします。
森上:よろしくお願いします。
渡部:はい。今日も今日も今日も、ですね、素晴らしいゲストの方に来ていただいております。
森上:はい。そうなんですね。以前、こちらのVoicyでもゲスト出演いただいたコンサル会社の方で、かつ採用コンサルタント、いわゆる採用のスペシャリストですね。採用する側、採用される側、その両方の視点から今の採用事情、人材開発事情みたいなね、そんな話がお聞きできたらなと思っております。
渡部:はい。では、今日は「転職をしたい」「転職を考えている」みたいな人も聞いてみていただけると、今のこのコロナ禍でどういうふうに採用の状況が変化しているかっていうこともわかると思いますので、ぜひ最後までお聞きいただきたいと思います。本当にいろいろとお聞きできそうで楽しみにしています。
それでは、本日のゲストをご紹介させていただきます。株式会社アタックス・セールス・アソシエイツの営業コンサルタント、および採用コンサルタントの酒井利昌さんです。酒井さん、本日はよろしくお願いいたします。
酒井:よろしくお願いいたします。
森上:よろしくお願いします。
渡部:では、最初に私から簡単に酒井さんのプロフィールをご紹介させていただきたいと思います。株式会社アタックス・セールス・アソシエイツの営業コンサルタント、採用コンサルタント。学習塾業界、人材サービス業界を経て、株式会社アタックス・セールス・アソシエイツへ入社。前職の人材サービス業界では、人材派遣・新卒採用を通じた、大学生と企業とのマッチング支援に従事。9年間で1000社の採用支援。学生3000人の就職支援に携わっていらっしゃいました。支援した学生が3年以内に転職した例は7%以下で、驚くべき定着率を誇っていらっしゃいます。株式会社アタックス・セールス・アソシエイツへ入社後は、年間150回以上の研修、セミナー、コンサルティング支援に従事。インパクトのある熱血的な指導スタイルにより、目標を絶対に達成させるマインドをゼロから鍛え上げており、企業からのリピート、オーダーが絶えません。採用コンサルティングとしては、養ってきた営業マーケティングノウハウを採用活動に転用することで、携わった企業すべてを短期間で採用目標達成に導いています。絶対達成する組織をつくるために採用、育成、戦力化までを一貫して支援するコンサルタントとして支援先企業から絶大な信頼を得ています。本当に素晴らしいキャリアですね。本日は、酒井さんに来てもらいました。
森上:はい。ありがとうございます。
渡部:さらに、フォレスト出版から本を出していただいているんですよね。
森上:そうですね。では、私から。コロナ前の2019年8月ですね。『いい人財が集まる会社の採用の思考法』というご本をご一緒させていただきました。こちらは、著者が酒井さんで、監修をベストセラーでご存知の方も多いと思うんのですが、『日本でいちばん大切にしたい会社』というシリーズのご本を出されている、坂本光司先生にお願いしています。酒井さんの初のご著書ということで、ご一緒させていただいた次第です。
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渡部:はい。人材不足と言われて久しい日本なんですけれども、そんな中でいい人材が集まる会社はどんな採用をしているのかとても気になる方も多いと思います。逆に言えば、採用をしてほしい人にとっても気になるお話だと思います。本のお話をお聞きする前にですね、酒井さんの普段のお仕事やどんなことをされているのか、ですね。また、コロナ禍における、日本社会の採用事情についていろいろと聞いていけたらと思います。では、だいぶ長らく僕ら2人で話してしまいました。いよいよここから酒井さん、どうぞよろしくお願いします。
酒井:よろしくお願いします。
森上:酒井さんは営業コンサルタントと採用コンサルタントという2つのお顔をお持ちでいらっしゃって、営業コンサルタントのほうは、それこそ以前、ゲストにお越しいただいた同じ会社の山北陽平さん、横山信弘さんのように、営業のコンサルティングをされるっていう感じのイメージですかね?
▼横山信弘さんゲスト回
▼山北陽平さんゲスト回
酒井:そうですね。営業コンサルタントがどんな仕事かを教科書的に言うと、企業の営業活動の課題を分析しまして、営業力を高めるための支援を行う。これが営業コンサルの仕事なんですけど、私はより現場にガーって入って、やっているって感じですね。似た仕事には研修講師って仕事あるじゃないですか。
森上:はい。はい。
酒井:ちょっと違いますね。ちょっとって言うか、全然違うかな(笑)。研修講師ってやり方を教えたら基本終わりなんですね。
森上:なるほど。
酒井:「こうやったらいいですよ」みたいな感じで、「あとは皆さんで頑張ってくださいね」っていう、そんなスタンスなんですけども、当社は絶対達成する会社を一社でも増やすと。こういう理念でやっていますので、結果を出すまで一緒にやっていくと。こんなスタンスでコンサルティングやらせていただいています。
森上:なるほど。酒井さん場合だと採用のスペシャリストでもありますので、採用コンサルタントという立場でお入りになる場合も、そういった寄り添って現場に入ってずっとやっていく感じになるんですか?
酒井:まさにそうですね。採用コンサルって、やっている人結構多いんですけど、元人事の人とか、あとは社労士さんとか、そういった知見で、コンサルに入っているっていう方が多いんですけど、私はさっき言ったみたいに絶対達成みたいなスタンスでやっていますので、かなり寄り添って、結果が出るまで伴走していくっていう。そんなスタンスで採用コンサルもやっていると。それはちょっと他とは違うかなとは思っています。
森上:なるほど。じゃあ、採用コンサルってなってくると、クライアントさんが採用したい人物像と言うか、そのあたりにすごくコミットして進めていくって感じですか?
酒井:そうですね。採用活動って、大きく3つの活動に分解できるんですけども、1つ目は「集める」。集めないと、次のステップに進めませんので、まずは集めるですね。そして「見極める」。本当に自社にとってふさわしい人かどうかって見極めるっていうことですね。最後に「動機付ける」ですね。大きくこの3つに分解できるんですけども、会社さんによってどこに課題があるのかって違いますので、そこはインタビューさせていただいたりとか、いろんな切り口で分析をして、その課題を確認した上で、採用力を高めるためのご支援を進めていると、そんな感じですね。
森上:酒井さんのご本の『いい人財が集まる会社の採用の思考法』の中でもいろいろと書かれていますが、監修者の坂本先生が「しっかりした会社っていうのは集めるところに、対しては全然労力がかからない」っておしゃっていますよね。
酒井:集めるって言うよりも、集まるっていう感じなんですよね。まさにこの書籍のタイトル通りですね。黙っていてもって言うと、ちょっと違うんですけけども、いい会社だと認知されているので、人の方から「ぜひ、お願いします」ということで集まって来ちゃうっていう。これは企業の規模に関係なく、そういう認知がされているので、集めなくても集まっちゃうっていう、そんな状態になっていると。そういうのはあるんですけど、ただなかなか一足飛びにそのような状態になるのは難しいので、ある一定の期間までは必死に集めると。 いろいろとプロモーションをしながら集めていくと。あまり短期目線に囚われずに、中長期的な目線に立って、いい企業にしていくという活動もしながら、集まる状態にしていくっていう、その2つが必要なのかなと思いますね。
森上:なるほど、なるほど。集まるっていうふうに持って行くためには、やっぱり一足飛びにはいかないと。もう積み重ねだということですよね。
酒井:そうですね。
森上:やっぱりご本の中の事例を見ていても思うんですが、誰も知らないって言うか、テレビCMをバンバン打っているような知名度の高い会社さんじゃないところでも、結構しっかり集まるところは、ちゃんと集まっているんですよね。
酒井:そうなんですよね。まあ、知る人ぞ知るみたいな。そんな会社を書籍の中ではご紹介しましたけど、例えば三和建設さんとか、清川メッキ工業さんとか、そういった会社さんをご紹介しましたけど、たぶんこの放送を聞いていただいているリスナーの方も、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんけど、あんまり聞いたことないっていうね。
森上:そうですよね。ほとんどの方は聞いたことないですよね。
酒井:ただある特定の人からは絶大なファンがいらっしゃるんですね。例えば新卒採用でいくと、大学関係者からすると、本当にいい会社だって認知されているとかですね。
森上:なるほど。なるほど。
酒井:だからまあ、紹介されますよね。「この会社いいぞ」ってね。
森上:はい、はい。やっぱりいい会社って、つまり集まる会社って、普通に素人目線で考えちゃうと、条件がいいとか、そういった発想をしちゃうと思うんですけど、そうじゃないところが結構多かったですよね?
酒井:そうですね。条件押しっていう会社はこの本の中では紹介していませんね。むしろ条件以外のところで会社選びをされている方に、「うちはいい会社だぞ!」ってアピールできる。そんなところをかなり絞ってですね。絞ってって言うとあれですけど、特に見せているという会社さんかなと思いますね。
森上:そうですね。やっぱりまず集めるっていうところの部分の課題もそうですけど、いかに集まる会社に持っていくかっていうこともニアイコールになってくるということですね?
酒井:そうですね。
コロナ以降、人を「集める」から「見極める」へ
森上:あと、やっぱり一番気になるのは、採用する側からすると見極めることが一番難しいだろうなあっていうのは、たぶん思われている企業さんが多いんじゃないかなと思うんですけど、どうでしょう?
酒井:そうですね。先ほど「集める」と「見極める」と「動機付ける」と、その3つの活動に分解できるっていう話をしたんですけど、2019年の私が書籍をフォレストさんから出させていただいた当時っていうのは、集めることに課題があるっていう会社さんが圧倒的に多かったんですね。
森上:なるほど。
酒井:集まらないと。
森上:まさに人材不足!
酒井:そうなんです。人材不足と言うより、人手不足みたいな感じで、手が足りないって感じですね。
森上:日本全国での課題でしたもんね、確かに。
酒井:そうなんです。だから、そういうタイミングで、森上さんからお声がけいただいて、書籍を出させていただいたので、ちょっと自分で言うのもおこがましいですけど、売れさせていただいたのかなと(笑)。
森上:いやいや、本当にそうですよね。
酒井:森上さんがおっしゃる通り、今は課題が「集める」っていうところから、「見極める」っていうところにシフトしていまして。
森上:やっぱりそれは、コロナっていうのが相当影響していますか?
酒井:影響しています。
森上:なるほど。
酒井:なので、今まで集まらなかった会社も集まるようにはなっていますね、人の数自体は。
森上:まあ変な話、言い方悪いですけど、玉石混交であるという感じですね? 集まる人が。
酒井:そうなんです。なので、そこをどのようにいい人だけを集めるようにするかとか、集まった人が本当にいいのかどうかを見定めるということですね。そういう方向についてのご相談が、本当この一年ぐらいは増えていますね。
森上:そうですか。ご本の中で、3つに分解されたうちの「集める」の次の「見極める」についても、いろいろとご提示いただいているんですが、「見極める」っていうところについては本当にコロナ前だろうと、コロナ以降だろうと関係なく、通用する手法を出してくださっていますよね?
酒井:はい。基本的に書籍としてお出ししているこの内容については、普遍的な内容を書いたつもりですので、コロナだろうが、コロナじゃなかろうが。
森上:そうですよね。
酒井:はい。そこはベーシックなところかなと思っています。
森上:時間が少ない中で、ご説明していただくは大変だと思うんですけど、「見極める」時のポイントを1つでも教えていただいてもいいですか?
酒井:はい。ありがとうございます。何に置いても、まずやらなきゃいけないことがあって、それが何かと言うと、人材要件の設定ですね。
森上:ふん、ふん。
酒井:つまり、どんな人を採用するべきかという基準を明確に持つと。これが何よりも大事なことですね。つまり、「あるべき姿と現状とのギャップが問題」ってよく言うじゃないですか。よく言うのは、我々だって話なですけど(笑)。
森上:いやいや、よく言われますよね。
酒井:あるべき姿が、どうありたいのかですね。そこがあって一方で現状があって、そこの乖離部分が問題だということですので、採用活動における特に「見極め」のフェーズにおいては、当社はそもそもどんな人を取るべきなんだっていう、そういう採用すべき人っていう、そこが明確にあって、その上で目の前いる人、書類だったら、書類を送ってくださった方、つまり現状ですね。目の前にいる方ですね。その方が、マッチしているかどうかと。マッチしていないのであれば、お見送りですし、マッチしているんであれば、今度は「動機付け」をしていくプロセスに入っていくので、あるべき姿を持たないと、ジャッジしようがないということですね。
「コミュ力」を採用基準の上位にしてはいけない
森上:なるほどね。ご本の中でも指摘されていますが、社会調査で結果が出ている中で、企業の採用する側の視点で一番どんな人材が欲しいかっていう、第1位が「コミュニケーション能力」ってありますよね?
酒井:ありますね。
森上:あれに対して真っ向から、いい意味で酒井さんは否定されていますよね?
酒井:否定をさせていただきました。
森上:あれはどういう意図なのかをちょっと解説いただきたいんですが、僕はこれがめちゃめちゃインパクトあったんですよね。採用するときは、コミュニケーション能力が高い人がいいっていう基準を設けているほうがやっぱり多いと思うんですけども、それに対する否定ということで、どういったところで否定要素が入ってきますでしょうか?
酒井:ありがとうございます。一番大きな理由は、コミュニケーション能力っていうのは、入社した後でも鍛えられる能力だから、ということなんですね。
森上:なるほど。
酒井:はい。やっぱり採用基準を定める上で、明確に意識しなきゃいけないのは、今必要な要素なのか、後々でも身につけられる要素なのか、この二軸で考えていく必要がありまして、いろんな調査をしたところ、私が調査しているのもあるんですけど。調査を分析すると、コミュニケーション能力は、基本的に、環境であったり、あるトレーニングによって伸ばすことができるっていう能力なんですよね。なので、採用基準にしてもいいんですけど、いろんな会社がやっぱりコミュニケーション能力を求めていらっしゃいますので、当然、自社よりも給与水準が高い会社さんですとか、知名度が高い会社さんも、コミュニケーション能力っていうのは、だいたい挙げていますので、そうするとやっぱり取り合いになりますからね。そう考えると、そこは採用基準から外して、うちは入社した後に鍛えられますからねということで、別の基準を設けることによって幅が広がりますよね。
森上:なるほど。
酒井:他社が取りに行かないところを、取りに行けますよねと。これが書籍で書かせていただいた内容かなと思います。
森上:そうなんですね。それこそ面談をして、そこでのコミュニケーション能力が高いとは言え、さらにもう一つこちらが欲しいと思っている基準というのを重視しないと、コミュニケーションが妙に高い人間を相手にすると、それが変な話、コミュニケーションが高いだけに、間違った採用をしてしまうといった場合っていうのも多々あるっていうお話を酒井さんからお聞きした覚えがあるんですが。
酒井:そうですね。それもありますよね。口ばっかり達者っていう人もいますよね、中身がなくて。本当にこれからの時代は中身が大事だと思いますので、本当に口下手で表に出すのは恥ずかしいんだけど、ずっと長くかかわっていると、味が出てくるって言いますかね。その方のよさがだんだんわかってくる、そういうパターンもありますので。
森上:なるほどね。そのあたりっていうのは、採用基準も会社によって違ってくると思うんですけど、変にコミュニケーション能力が高いっていうのを採用基準の一番上位に持っていってはいけないということですね。
酒井:そうですね。私はそう思っています。
森上:すごくおもしろい視点だなと思うんですが、渡部さんはここまで聞いてきてどうですか?
渡部:そうですね。やっぱり今、酒井さんにお話していただいた通り、コミュニケーションが得意じゃなかったとしても、例えばその会社にめちゃくちゃマッチしているとか、能力を持たれている方っていると思うんで、一番最初に「コミュニケーション」って入れちゃうと、一気に幅が狭まっちゃうっていうのはすごく感じましたね。僕らも一時期、結構採用活動をやっていて、面接とかもさせていただいたんですけど、今の観点があったら、もしかしたら採用基準って変わっていたのかななんて思いましたね。
森上:そうですよね。だからやっぱり採用する側が見極めるためには、しっかりとした採用する人物像、採用基準をどれだけしっかり具体的にリアルに設定できるかと。そんなことが重要だってことですよね?
酒井:おっしゃる通りですね。この重要性って書籍の影響なのかわかんないですけど、2年前と比較すると、結構認知されていまして、採用基準が明確でなかったっていう会社さんが、今はもう明確にしているっていうようなデータもいろいろと出てきていまして、そこは2年の時を超えて変化も出てきたかなと思っています。ただ、そのことに関してご相談をいただくことも多くて、「基準をつくったんだけど、これで合っていますか?」みたいな。「この考え方でいいですか?」みたいな。なので、私も確認させていただくとちょっと浅かったり、世の中のトレンドがうまく反映されなかったり、あとは「そんな人、いないよ」みたいに基準が高かったり、そういったパターンもあるので、そこは市場感を持ちながら、一方でやっぱり入って活躍できる人かどうかっていうところ。客観的な目線が必要でございますので、そこは一緒にいろんな切り口を整理させていただいているところですね。
森上:なるほど。ご本の中では、どういうふうに採用基準をつくっていけばいいかっていうのを、具体的にいろいろとご指導、ご教授いただいているので、ぜひそのあたりっていうのも気になったら本をチェックしていただけたらなと。宣伝チックですみません。そんな感じではあります、渡部さん。
渡部:本当に今の採用基準の明確化と、コミュニケーションに関する部分のお話だけでもすごく変わる会社さんがあるんじゃないかと思うので、ぜひもっと詳しいことが書いてある『いい人財が集まる会社の採用の思考法』をぜひ、買っていただけるとうれしいなあと思いました。
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では、今日もかなり短い時間の中で、すごく重要な本質的なお話をしていただいたと思うんですけれども、お時間がそろそろここまでということで、酒井さんには明日もゲストに来ていただきますので、明日はさらにこの本に関わる部分を含め、転職や就職を考えている人に向けて、これからの時代、企業が欲しがる人材の特徴について詳しく聞いていきたいと思います。では、酒井さん、本日はご出演いただきまして、ありがとうございました。また、明日もよろしくお願いいたします。
酒井:ありがとうございました。明日もよろしくお願いします。
森上:よろしくお願いします。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)