#291【ゲスト/営業】余計なひと言で失敗する営業パーソン
このnoteは2021年12月23日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。
今井:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティーを務める、今井佐和です。今回は素敵なスペシャルゲストをお呼びしています。営業研修講師として、10年間で1万人以上の売れるセールスパーソンを育てた実績を持つ、大岩俊之さんと、フォレスト出版・編集部の貝瀬さんです。どうぞよろしくお願いいたします。
大岩:よろしくお願いします。
貝瀬:よろしくお願いします。
今井:では、早速なんですけれども、大岩さんはフォレスト出版から『1万人以上のセールスパーソンを変えた!売れる言いかえ大全』という書籍を出されていらっしゃいます。大岩さんの方から簡単に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか?
1万人超の売れる営業パーソンを育てた
凄腕営業コンサルタント
大岩:はい。大岩俊之と申します。大学では、IT、人工知能を勉強していたバリバリの理系人間なのですが、IT業界に就職した後に、営業に興味を持って、営業職に転職して、営業を16年ほどやってきました。で、理系出身だったこともあったので、何か理系の知識を活かせる営業はないのかな、ただ物を売るだけより、何か理系っぽい方がいいなってたどり着いたのが、電子部品というものなんですよね。家電とか、物の中に入っているものなんですけど、私は愛知県出身なので、トヨタ系、自動車系が多いので、車系の会社のデンソー、アイシンとか、そういう会社に行ったり、ソニーとかパナソニックとか家電メーカーに営業、売る仕事をしてきました。その後、自己啓発で興味を持った速読とかノート術の講師をしていたんですけども、自己紹介をしていると、ある人から、「あなたは営業の経歴ばかりを言っているから、営業を教えたほうがいいんじゃないか」って言われて、結局、営業を教える仕事になりました。今は、企業に出向いて営業を教える仕事をしています。主に私が経験してきた営業職に近い、法人向けに物を売るっていう業界が多いんですけども、リフォームとか金融とか保険の個人向けセールスをやっている方なんかも、一緒に営業を学んだりしています。
今井:ありがとうございます。そうすると、今は営業について教えるというのが主なお仕事という感じですか?
大岩:はい。営業を教えるのが今の仕事ですね。
今井:ありがとうございます。そんな大岩さんが今回、『売れる言いかえ大全』という本を貝瀬さんが編集をして、出されたんですけれども、どういったきっかけでこの企画が生まれたんですか?
貝瀬:はい。珍しく、今回は自分発信ではなかったんですよね。ある著者さん、大岩さんのお友達の方の本を以前担当したことがあって、その方のご紹介で。なので、最初は『売れる言いかえ大全』じゃなくて、「売れる営業、さりげなく伝える」みたいな。「押し付けない。ゴリ押ししない。無理強いしない」みたいな感じで、要はセールストークの本ではあったんですけど、ちょっと切り口が違っていて。それで一回社内で企画を出して、編集だけじゃなくて、営業の方のご意見も伺って。そうすると、「さりげないとかじゃなくて、今、某社の“言いかえ○○ “みたいなベストセラーがあったりするから、それの営業版っていいんじゃないの?」って話になりまして、それを大岩さんにご相談したところ、「それですね!」っていうことで、また構成案を作り直していただいて、再提出したところ、「企画進行!」となった次第です。
今井:ありがとうございます。以前担当した方のご紹介で出会われて、大岩さんと2人で協力して、本になったということだったんですね。
貝瀬:そうなんです。内容はもうほとんど大岩さんに作ってもらっちゃったようなもんですね(笑)。
セールスパーソンが言いがちな「余計なこと」
今井:(笑)。やっぱり営業をされていると、そういうアイデアとかもたくさん溢れるように出てくるかと思うんですけれども、今回のこちらの『売れる言いかえ大全』という本のコンセプトですとか、大岩さんが一番伝えたかった内容などについて簡単に解説をお願いしてもよろしいでしょうか?
大岩:私は元々「営業と心理学を掛け合わせたテーマの伝え方」っていう本を作りたかったんですけども、それの中で本を読んだら、パッとすぐその内容が使えるっていうものにしたかったっていうのがありました。私も結構本を読むんですけど、本って深く読まないとよくわからないっていうイメージが強くてですね。それよりも「〇か×」、「いいの、悪いの、どっち?」みたいな。「これを使えばいいんだ」って、そんな感じで、すぐ使えるっていうところから、このようなテーマになったんですけども。営業のテーマの中で、セールスパーソンの方の話をよく聞いていると、皆さん、本当に節々で余計なことを言うんですよ。
今井:余計なことですか(笑)?
大岩:例えば、営業の中でも自信がある人なんかだと、お客さんが知らないだろうと思って、「ご存じないと思いますが」っていう言い方をする人がいるんですね。でもこれは、「相手は知らないだろう。間違いなく99%知らないだろう」と思ったとしても、「ご存じだと思うんですけど」、そういう言い方がしづらかったら、「もしかしたら事前にお調べかもしれませんが」とか。「もう誰かから聞いているかもしれませんが、この件で」って言えば、何も思われなくて済むので、「ご存じないと思いますが」って言われると「何言ってんだよ」みたいな。
今井:ちょっと知らなかったとしても、カチンときてしまうかもしれませんね。
大岩:そうなんですよ。カチンとくる代表格なんですけど(笑)。その言いかえっていうのは、結構大事だっていうふうに。組み合わせていくと、結構いっぱいあるなあっていうことが分かって、営業の流れの中で作っていったっていう感じですね。
どの業界の営業パーソンが読んでも使えるフレーズを散りばめた
今井:確かに意識しないところで、ついついうっかり使ってしまう、ちょっとした言葉のあやみたいな。悪気はないのについつい言っちゃうみたいなことって、すごくたくさんあるかもしれないって、お話を聞いて思いました。で、今回なんですけれども、そもそもなぜ「言い方」ですとか、「言いかえ」というところをテーマにしようと思ったんですか?
大岩:これはですね。某「言いかえ○○」っていう本がすごく流行っていて、クラブハウスでその方とも話をしたことがあって、「すごく売れているよ」って聞いていて、書店に行って調べれば調べるほど、それ系の方が最近増えてきたなって。でも、なぜかこのテーマで営業の本がないんですよ。で、貝瀬さんからも「こういうのどうですか?」っていう話を聞いて、「あ、これぴったりだな」というふうに思って、営業と言いかえっていうのが合体して、出来上がったということで、このテーマになったという感じです。
今井:もしかすると、大岩さんが本を書くために、その枠が空いていたのかもしれませんね。
大岩:ほんとそうですね。今はそう思っています(笑)。
今井:ありがとうございます。今回、この書籍化にあたって、大岩さんが意識して書かれたところっていうのは、何かありますでしょうか?
大岩:はい。営業コーナーに行くと、営業本っていっぱいあるんですけども、営業の本って、誰向けに書かれているかって、実ははっきりしていまして、著者の人がどの領域にいるかっていうのが大きいんですね。で、私は大きく分けて4つぐらいかなと思うんですけども、法人向けか、個人向け、多くの本は8割方個人向けが多いかなって感じがします。7:3ぐらいかな。まあ、個人向けが多いですね。そして、あと有形商材と無形商材って言って、形があるものを売るのか、形のないものを売るのかっていう違いがあるんですね。私は、以前にも本を書いたことあって、見たくもないアマゾンレビューを見ると、「特殊な業界のことを言っていて、我々には使えない」っていう、コメントがちょこちょこあって。
今井:なるほど。
大岩:他の方を見ていると、「うちの業界には使えるけど、私には合わなかった」とか、そういうのがやっぱり多いんですよ。なので、なるべくどの業界の人が読んでも使えるフレーズを散りばめていこうということで、4つの業種を入れた本にするのが大変だったんですよね。
今井:なるほど、より多くの人に手に取っていただけるようにっていうところを、意識されたんですね。
大岩:そうですね。なので、「あまり私の業界では使えない」とか、言わせないぞと。
今井:誰でも使える。そして先ほどおっしゃっていた、すぐ使える。実践的なっていうところを意識されたということなんですね。
大岩:はい。
「大全」を作り上げる苦労の裏話
今井:なるほど、なるほど。ありがとうございます。ちなみに大全とか、多くの層の方に向けて、どなたにでも使えるようにっていうところがあると、なかなか書くのが大変だったのかなというふうに。特にご自身が経験したことがない環境と言うか、場面だったりとかを想像するのって大変なのかなって思うんですけれども、大岩さんが特に大変だったな、苦労したなあっていうところはありますか?
大岩:苦労したのは、400ページあって、2冊分が1冊になっているっていうのが、同時に2冊書いているようなもんだなと思ったんですよね。私は、書くのは結構速いし、構成とかもすごく早い自信があるんですけど、全然終わらないんですよ(笑)。なんで、こんなに終わらないのかなと思ったら、「2冊分だからか!」っていうのが1つで。で、今回は法則が各営業の流れに沿って、アプローチっていう、アポを取るところから、雑談をして、商品を紹介して、相手にクロージングして、オンラインで誘導して 、クレーム対応をしてって、各場面に沿って作られているんですけど。やっぱり私が得意な部分があって、苦手な部分っていうのもあって、得意な部分っていうのは何ページでも書けるんですけど、でも書いていいのは1ページなんですよね。
今井:そうですね。
大岩:苦手な部分は5行くらいしか出てこないっていうのがあったんですけど(笑)。
今井:(笑)。
大岩:それを1ページにしなきゃいけないから、そのバランスですよね。全て、1ページにするっていうのが、本当に悩みましたね。
今井:やはり“大全”、全ての人に向けてっていうところで、バランスよくと言うか、同じ分量だけっていうところが、苦労ポイントだったということなんですね。
大岩:そうですね。
今井:ありがとうございます。今回は2冊分あるような、400ページという、すごく多くの分量の本が出来上がったかと思うんですけれども、読んだ方にどんなことを特にお伝えしたいなあっていうふうに思われますか?
大岩:営業をやっている方って、基本的に売り上げか、契約件数っていうのを管理されて、それを取るために、訪問件数とかアポの数とか、そういうのが問われるのが今までの営業の仕事なんですけど、どんな言葉を使ったんだ、何て言ったんだって、あんまりクローズアップされていなくて、実は言葉の使い方によって、売れる、売れないっていう違いがあるので、営業活動の中で、取り入れられたらいいな、広められたらいいなっていうところで、言葉をもっと意識した営業をしてほしいなあというのが私の想いですね。
今井:ありがとうございます。確かに営業と言うと、営業成績、数字、グラフ、ドーンみたいなイメージがありますけど、その裏には言葉で人と人との対話っていうのがあった上での数字っていうところで、なかなか注目されないけど、実は一番大事なところですよね。
大岩:そうなんですよね。
貝瀬:やっぱりコロナ以降、どうしても訪問できませんとかって、外に出れなくなっちゃったから、苦労しているセールスパーソンの方、すごく多いみたいで、営業のセールスの本って、かなり増えているのと、これまではそんなに数が出なかったってよく言われていたんですけど、ヒットするものが多くなってきています。物が売れないって言われていたところに、更に被せるように、お客様に会えない時代、そうやってどんどん苦しくなって、それまでにITに投資していて、ウェブサイトから集客ができるとか、そういうシステムを持っている、ある程度規模が大きいとかITに詳しい企業であれば、まだ打ち手はあるんでしょうけど、そういう方針をしていなくて、テレアポを取って、お客様のところに行ってっていう、そういうスタイルのところはかなり苦しかったんじゃないかなというような印象があって。セールスの本は今回の本以外にも、別件で担当していたりするので、しばらくはそういうセールスパーソン向けの市場っていうのはあるのかなと思っていまして、ただ今出ている本って、ちょっと若い人には難易度が高いのかなっていうのはあるんですけど、中身はすごくいいものが多くて、お客様に自分のことを押し付けるんじゃなくて、まずは悩みごとを徹底的に聞いて、それで真のニーズを分析して、それをさらにお客様自身に気づいてもらうと言うんですけど、すごくいい話なんだけど、これものすごく難しくないかと思って。そういう意味では、もっと入り口の営業って言うか。ビジネスの基本は対話ですから。リモートであろうが、リアルだろうが、やっぱり対話ですから。もっと基本的な言葉の使い方の入り口を教えて、「この方がうまくいくよ」っていう方が、即効性があるんじゃないかなと思って、幸いに大岩さんがものすごく経験豊富な方で、ご自身で様々な業種の営業もやられていたし、研修講師でもありますし、さらに先ほどちょっとお話がありましたけれども、心理学的なそういうのもお持ちなので、「こういう時に、こういうふうに話すといいよ」と、「ちょっと言葉を変えたら、相手の印象が変わるよ」みたいなのも、ものすごく掘り下げてもらったので、企業・業種等問わず、全てのセールスパーソンにとって、かなり実践的な使える本になったんじゃないかなと思っている次第であります。
今井:ありがとうございます。しかも、話し方でしたら、相手のニーズを知るみたいな難易度の高いことをしなくても、今すぐできるっていうのが、またいいですよね。ちなみに今回、その基本的な話し方っていうのは、どれぐらいの法則として、まとめてあるんですか?
貝瀬:今回、一応100あるんですね。例えば、こんな時に売れない営業の人は、「とりあえず上に聞いています」と言い、売れる営業の人は「かしこまりました」と言うとか。そういう、最初に会話を入れて、その次のページが解説なんですけど、その法則が100個あって、さらに「折角だからもうちょっと足しましょうよ」って言って、各章の終わりに恩恵ワード、NGワードが6個とか7個くらいなんですけど、それが必ず入っているんですよ。今回は、すごく形に徹底的にこだわったんですね。行数も絶対ピッタリ合わせてとか。
今井:それが、先ほどおっしゃられた苦労ポイントの1つなんですね。
貝瀬:そうですね。だから、多分、内容だけだったら、大岩さんは全然楽勝なんですよ。なんですけど、全部この形で18章とかですよ。18章、全部それでやってくれって言ったので、収録している言葉は延べで・・・重複しているものもあるけど、200じゃきかないですよね。フレーズはね。そのまま、「こういう時はこう言えばいいんだ」って、難しい言葉ではなくて、全部一言なので、そういう意味では、うまくまとめていただいて、本当にありがたいなというところですかね。
今井:100の法則に、200以上のフレーズが。しかもすべて同じ形で分かりやすくまとまっているということで、本当にすごくいい“大全”が出来上がったんだなというふうに思います。 おそらくこの100の法則っていうのは、大岩さんご自身が営業としてやっていた時のエピソードであったり、研修講師としてご活躍されている時に、色んな営業の方と出会われた時のご指導の中から生まれたものだというふうに思うんですけれども、今回、その法則の誕生の裏話なんかも聞いていきたのですが、本日は残念ながらお時間が来てしまいましたので、また明日改めて詳しくお聞きしたいと思います。本日は大岩さん、貝瀬さん、どうもありがとうございました。
大岩:ありがとうございました。
貝瀬:ありがとうございました。
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)