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#336【ゲスト/情報活用】「思考の整理家」が教える情報活用術

このnoteは2022年2月23日配信のVoicyの音源「フォレスト出版チャンネル|知恵の木を植えるラジオ」の内容をもとに作成したものです。


情報は捨てるために収集せよ

土屋:フォレスト出版チャンネルのパーソナリティを務める、土屋芳輝です。本日も昨日に引き続き、素敵なゲストをお招きしています。経営コンサルタント、株式会社コンパス代表取締役の鈴木進介さんと、フォレスト出版編集部の森上さんです。どうぞよろしくお願いいたします。
 
鈴木・森上:よろしくお願いします。
 
土屋:昨日は鈴木さんが今のお立場になるまでのご苦労や経緯、フォレスト出版から出ている書籍、『問題解決のためのセパレート思考』について詳しくお聞きしました。まだお聞きになられていない方は、ぜひ昨日の放送もチェックしてみてください。
さて、本日は1月下旬に明日香出版社から出された鈴木さんの最新刊、『ノイズに振り回されない情報活用力』について、詳しくお聞きできればと考えております。まず、鈴木さんから『ノイズに振り回されない情報活用力』について簡単にご紹介いただけますでしょうか?

鈴木:はい。「ノイズに振り回されない」っていうのが、1つのキーワードになっておりまして、昨今、ご存じの通り、コロナ禍以降、情報に関して不要なもの、自分にとって本来価値はないんだけれども、頭の中に入ってくるようなものを全部ノイズと呼んでるんですけども、やっぱりノイズに一喜一憂してしまって、それが我々のストレスになったり、時にはコミュニケーションの分断を生んでしまう。この状況ってまずいだろうと。この状況に何か著者の立場で一石を投じることはできないだろうかと。それはやはり情報活用力じゃないかっていうことで、オファーをいただいた編集者とタッグを組むことになりました。
で、シンプルに整理すると、インプットの方法論と、情報の整理術と、アウトプットの方法論と三本柱で、情報活用力と呼ばせていただいているのが、ざっくりとした概要になります。
 
森上:やっぱり鈴木さんが得意とされている整理なんですね。
 
鈴木:はい。
 
森上:確かに、インプットって、SNSとか諸々を含めたら、もう大洪水じゃないですか?
 
鈴木:大洪水ですよね。
 
森上:これ、具体的に何か基準を作って、インプットする量をコントロールするとか、そういった話なんですか?
 
鈴木:インプットの話で言うと、そもそもの思想が「情報は捨てるために収集する」っていう、ちょっと相矛盾するようなキーワードを使っていて、要するに本質を見抜くためには、情報収集というのは手段に過ぎないので、何が必要なのか、何が不要なのかっていう軸はあらかじめ明確にしておく必要があると。
だから、例えば情報収集したものをEvernoteとかGoogle Keepみたいなものにストックしていくとすれば、始めにフォルダを全部作っておくと。例えば15パターンぐらい自分にとって関心があるものをザーッと作っておいて、そこに入るものだけを入れていって、入らないものは基本的には自分には関係ないということで、捨てていくっていう。そういう基準を作るっていうのが一番わかりやすいやり方ですね。
 
森上:なるほど。やっぱりそのフォルダっていうのは15個ぐらいが一番いいんですか?
 
鈴木:そうですね。15個がいいのか、30個がいいのかっていうと、人によって違うんですけど、多すぎても結局はいつか使うかもわからないっていう保険をかける思考が働いてしまって、結局は使わずじまいになってしまうと。経験的には15個ぐらいじゃないかなっていうことと、細かく話すと長くなるので止めますけど、「その他」のフォルダを設ける人っていうのが結構多いんですけど、なんでもかんでも「その他」に入れて、結局ノイズが溜まっちゃうよねと。
 
森上:(笑)。
 
鈴木:みたいなことを防ごうと。
 
森上:あるあるだな。
 
鈴木:本絡みで言うと、本を作るときって1つのテーマに対して少なくとも5冊、多いときは10冊ぐらい、類書を買いこんで研究するんですけど、基本的な考え方としては、どういう情報が参考として使えるかのヒント集として買い込むんじゃなくて、どの情報とバッティングしないか、どの情報を捨てるべきか、捨てる情報を見出すために類書を買い込むっていうやり方をするんですね。そうしないと、オリジナリティを出せないから。
それぐらいに、基本的な思想は、「情報は捨てるために収集する」っていう。そういう極論をメッセージとして出しているっていうことと、ポイントは、何が必要なのかを先に明確にして、収納ボックスを先に。パソコンだったら、フォルダを全部設けておく。そう徹しようよっていう訴えをしているって感じですかね。
 
森上:なるほどね。フォルダの作り方にもいろいろとコツがあるんでしょうけど、例えば1つのフォルダで、「子育て」があるとするじゃないですか。で、「子育て」の中にもまたいろいろとあったりするじゃないですか。それが「子育て」っていうところだけで収まるものなのか、中でもまたごちゃごちゃしちゃうみたいな。
 
鈴木:やっぱりある程度は、分解しておかないとどうしようもないというのはありますので、合計で言うと、15と言っても、内フォルダを3個ずつ付けたとすれば45個は少なくとも、フォルダができてしまうので、そこをどう捉えるかっていう話はありますよね。
ただ、本当にそこまでジャンルを網羅しておかなければいけないのかっていうのは、要検討。15テーマで、45フォルダが全部必要かって言うと、そうじゃないので。その中でも、濃淡を付ければいいかなと思うんですよね。
 
森上:なるほど。
 
鈴木:一番大切なのは、そういう基準も何も作らずに、とりあえず全部入れてから、あとで整理するから、整理ができないので、整理する箱を作っておいて、そこに入る分だけ買い物するみたいな、仕入れるみたいな。そんなイメージですよね。
 
森上:そっか、そっか。だから、「捨てるために」っていうのはそういうことなんですね。なるほど。あえて「子育て」っていう、レイヤーの高いもの、上位概念じゃなくて、次のレイヤーでフォルダを作るのがベストだと。
 
鈴木:いきなり各論に入れますよね。
 
森上:なるほど。インプットするだけでも工夫とコツがありそうですけど、整理するってなったときはフォルダの中で、今度は整理が始まるわけですか?
 
鈴木:整理しますよね。そこでセパレート思考が実は出てくるんですよね。
 
森上:あー、なるほど。
 
鈴木:だから、セパレート思考っていうのは、全ての思考の整理を貫く、あるいは情報の整理を貫く。本当に道具箱みたいなものであって、例えば短期、中期、長期という分け方もあるし、ビジネスでは、ヒトモノカネという分け方もあるし。
 
森上:『問題解決のためのセパレート思考』の本にも出ていますよね。
 
鈴木:出ています。で、単なる事実のデータか、インフルエンサーが語っている意見か。意見と事実を分けるという、セパレートもあるし。
 
森上:変えられるもの、変えられないものという分け方も。
 
鈴木:そうそう。全部、セパレート思考の切り口を使うことができるという話なんですよね。
 
森上:なるほど。じゃあ、そこの整理のところは、セパレート思考が結構活用された内容なんですね?
 
鈴木:エッセンスは入っています。全部じゃないですけど。なので、例えば、僕のコアな読者さんは、この『ノイズに振り回されない情報活用力』の本や、以前にノート術の本を書いたりとかいろいろあるんですけど、「ベースにはセパレート思考がありますよね」って、みんな気付くんですよね。
 
森上:読んだ方はね。
 
鈴木:そうそう。「セパレート思考を情報活用すれば、こうなるんですよね。で、セパレート思考の考え方をノート術にしたら、こういうふうになるんですよね」って。OSの部分がセパレートって、もうみんな気づいているので、そういう意味では、『問題解決のためのセパレート思考』っていうのは、数年前の本で古い本なんですけど、もう一回読み返して、『問題解決のためのセパレート思考』と1セットでもう一回読んで学習するっていう人がすごく僕のまわりには多いんですよね。
 
森上:いや、うれしいですね。鈴木さんのリップサービスかなと思ったら。
 
鈴木:いやいや。ほんと! ほんと! 『ノイズに振り回されない情報活用力』はまだ出たばかりなので、反響はわからないんですけど、『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』っていう本があるんですけど、今はちょっとわからないですけど、ちょっと前まではAmazonに「この本買った人はこの本も買いました」っていう、お勧めが出るじゃないですか。それで、『問題解決のためのセパレート思考』と、『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』が必ず1セットで出ている時期があったので、僕のこと知らない人でも、やはりこの分け方というところにこだわって、みなさん整理するのが大事っていうのは気付かれている感じですね。
 
森上:なるほど。今回の『ノイズに振り回されない情報活用力』はアウトプットについてまで語っているわけですね。
 
鈴木:そうです、そうです。

著作13冊を持つ著者が教える「情報のアウトプット」の作法

森上:具体的にはどんな感じなんでしょう?
 
鈴木:アウトプットに関しては、単純に情報をいかにそぎ落とすかなので、分類分けとは違うんですね。分類分けした後に、今度はどうそぎ落としていくか。それは、プレゼンの場面、会話、会議の場面でもいいし、文章を書く場面でもいいですけれども、それは結構小ネタ集を入れています。
 
森上:へー。小ネタ集!?
 
鈴木:例えば、こういう場面ではこういう比喩表現をしたらいいんじゃないかとか、資料はどれぐらい余白のスペースを取るのかが勝負だよとか。あるいは、話をしていると、聞き手側の集中力がもたないから、意識が分散していきますよねと。その時に、どうやったら惹きつけることができるのかみたいな。聞き手側の頭の中のノイズをどうやって消していけばいいかとか、そういうことをたくさん書いているので。
 
森上:すごいですね。徹底的に実用的な感じになるんですね、鈴木さんが書くと。
 
鈴木:そうですね。今すぐ使えるっていうのと、どういう哲学なのかっていうのと、幅広いですね。
 
森上:ビジネスメインではあるんでしょうけど、プライベートとかでも使えそうな。
 
鈴木:全然使えますね。
 
森上:いや、素晴らしい。実際どうですか? 売上の方も順調な感じに見えるんですか?
 
鈴木:どうですかね。まだ2週間経って、増刷の声がかかってないってことは、言っていいのか知らないけど。初速の勢いはちょっといまいちな気がします。今のところは。
 
森上:まあ、自己啓発の本とまた違いますからね。スキルとか、そういったものが入った本なので。
 
鈴木:どちらかと言えば、実用書に近いというか。で、ノート術はもう「ノート術」って聞いた瞬間に何でも買うっていう、一定ユーザーがいるから。初速は良かったかなという感じでしたけど。
 
森上:そうなんですか。今回の『ノイズに振り回されない情報活用力』の1つ前が、『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』の本なんですね。
 
鈴木:そうです。こっちも明日香出版社だったんですけど。ちなみに、『仕事は1冊のノートで10倍差がつく』は、読めばわかるんですけど、露骨にセパレート思考なんですよ。セパレート思考の分け方を、ノートで表現したらこうなるよねっていうのをひたすら書いているみたいな。そんな感じですね。
 
森上:もうどんどん宣伝してくださいね。なるほど。鈴木さんはなんだかんだ本も結構出されていて、今回の『ノイズに振り回されない情報活用力』は、何冊目ですか?
 
鈴木:これで13冊目ですね。
 
森上:13冊目になりますか。素晴らしいですね。まだ全然、書くネタはいっぱいあるっていうことですね。
 
鈴木:まだ書こうと思えば、ありますね。
 
森上:あるでしょうね。なんだかんだ、独立してもう20年?
 
鈴木:2000年ですから、22、23年目ですね。
 
森上:すごいですね。我々、寅年ですから、今年は年男で。
 
鈴木:今年はイケイケで。
 
森上:すみません、土屋さん。そんな感じなんですけど。
 
土屋:はい。
 
鈴木:まとまったかな、これ……(笑)。
 
森上:(笑)。
 
鈴木:ほんと、フリートークだ。
 
土屋:そうですね。情報の整理術だけでなく、インプットとアウトプットまで学べる一冊になっているということで。ここらへんはみなさん、本当に悩ましいところだと思うので。このコロナ禍になってから、やっぱりノイズって、僕もそうですけど、いろんな情報が入ってきて、どれが本当なのか、どれに従ったらいいのかっていうのがわからないことだらけなので、そういったことにも使っていけそうですよね。本質を見抜くもが大事だということですよね?
 
鈴木:そういうことですね。
 
土屋:本質を見抜くってなかなか大変とよく言われるんですけど、どうやったらいいんだっていうのが僕も含めて、みなさんが結構思うところだと思うので、そういったときにこの本がすごく役に立つんじゃないかなっていうのは聞いていて思いました。
 
森上:素晴らしいまとめをしていただいて、ありがとうございます。
 
土屋:いえいえ。ということで、今回もお時間が来てしまいましたので、この辺までとしたいんですけれども、今回ご紹介した、明日香出版社さんから出版された、鈴木さんの新刊『ノイズに振り回されない情報活用力』はこのチャプターにURLを貼っておきますので、ぜひチェックしてみてください。最後に鈴木さんからリスナーのみなさんにひと言お願いいただけますでしょうか?
 
鈴木:急に無茶ぶりされたので、メッセージどうしようかな……(笑)。一番言いたいことは、「より少なく、よりよく」っていう、このキーフレーズがすごく好きで、我々ってついついいろんなものを頭の中で考えたりとか、情報をインプットすると、確かに知識もつくし、自分が賢くなった気がするから勇気が湧いてくるんですけども。でも、玉石混交の情報の中で何が本質かっていうのはやっぱり見えなくなってしまうので、情報にしろ、選択肢にしろ、タスクにしろ、いかにノイズをそぎ落とすかっていう、足し算じゃなくて、引き算していくっていう思考を書籍を通じて、何か気づきが得られればなということで、これからも活動していきたいと思っています。
思考の整理という肩書きとか、ネーミングだけ聞くと非常に地味なんですけども、実は我々がよりよく生きる、そしてストレスを緩和する上では、求められていることだと思いますので、自信を持って著作活動も頑張っていきたいなと思っています。以上です。
 
土屋:ありがとうございます。ということで本日はここまでとなります。鈴木さん、森上さん、本日はありがとうございました。
 
(書き起こし:フォレスト出版本部・冨田弘子)
 

 

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