【生活でも使える】林業家が使っている虫対策
私たちが仕事をしている徳島県では6月13日から梅雨入りが宣言されました。
本格的に雨の日が続くことで、山の木も生き物もどんどん成長していきます。
まさに恵みの雨です。
(林業家としては、雨の日は山で作業できないので困りますが…)
一方で、雨上がりの後に山や森を歩くと気になるのが、やはり「虫」ではないでしょうか。
よく、「山で仕事している方は、虫を触るのも平気なんでしょ?」と言われますが、
そんなことはありません。むしろ積極的に逃げたいです。
蚊やアブは、かまれるとかゆくて気になるし、ときには赤く腫れたりするし、
ハチは、種類によっては刺されたら作業を中断してすぐに下山して病院へ、ということもあります。
そんな背景もあって今回は、私が林業の現場で実際に使っている虫対策グッズを紹介したいと思います。
林業での仕事だけではなく、普段の生活やガーデニングなど外で活動する際にも使えるものばかりですので、是非参考にしてください。
はじめに 自己紹介
はじめに、私の自己紹介をさせてください。
株式会社フォレストバンクの大平耕史(おおだいらこうじ)と申します。
普段は林業事業の事務員として仕事をしています。
事務員といっても事務所でパソコンを触っているだけではありません。
現場作業を行う予定地の選定のために、登山道どころか獣道すらない山を1日中歩いて、ときにはドローンを飛ばして、現地調査をしています。また、作業が終わったところの測量をして、その成果を後世に残すための図面を作成したりしています。
(林業の事務員の仕事については、また別の機会に)
そんなわけで、実際に木を伐ったりする現場作業員にはかないませんが、
道なき道を突き進んで仕事をしています。
林業家の私がよく使う虫対策グッズたち
①蚊・アブ対策の強い味方 富士錦『森林香』
最近はキャンプをされる人にも人気の森林香です。
市販の緑色の蚊取り線香とは成分がより強力らしく、ブヨやアブといった比較的大きな虫にも効果があります。
効果も素晴らしいのですが、特筆すべきはその『持ち運びのしやすさ』です。
セット販売されている携行防虫器を使うと、ズボンやリュックに吊り下げて使うことができます。
また、裏側に予備の森林香を2巻入れるところもついているので、途中で消えてしまっても新しく使用することができます。
山で作業するときは荷物をできるだけ減らしたいので重宝しています。
②ダニ対策として フマキラー『スキンベープミスト』
いわゆる虫よけスプレーを選ぶときに私が重視していることは次の2つです。
ダニに対して効果があること
一番怖い虫がダニです。草が生い茂ったところに入るといつの間にかくっついていることがあります。噛まれると感染症のリスクを含んでおり、ダニに噛まれたことが原因で毎年お亡くなりになられる方も出るほどです。
効能に「マダニ」に有効かどうかは確認すべきです。
基本的には肌に直接つけるのではなく、服に吹きかけるタイプ
山に入るときは長袖長ズボンに手袋をして、肌の露出はしないようにしています。
また、肌につけるタイプはどうしても汗をかくと流れてしまって効果を実感できないので避けています。
いくつか試して使っているのですが、今のところ一番効果があるかな~と思っているのは、「スキンベープミスト」です。
個人的にガスをスプレーするタイプはむせたりするのであまり好きではありません。
勝手に噴射しないようストッパーがついているのも、車や歩きでの移動中に漏れないのでうれしいです。
※虫よけ効果のあるディートという成分には
・12歳未満のお子様に対する使用の制限
・目や口などの近くには使用しない
などの使用制限が設けられております。
購入・使用の前には使用上の注意事項をよく読んでお使いください。
③蜂の巣ができてしまったら… フマキラー『ハチ・アブバズーカジェット』
作業中、特に夏の時期である7月の下刈り(山での草刈り作業)や8月の伐倒の作業時、10月の植林作業時はハチ対策が重要です。
ハチが巣を作って活発になる時期と人が山の中に踏み入って作業する時期が重なるからです。
特に、山にいるハチは草むらや切り株、さらには地面の中に巣を作るものもおり、巣を見つけて対処することが難しいという特徴があります。
有効成分が最大12mの距離からでも届くので、ハチから離れた安全な位置から
殺虫という意味ではとてつもなく有効なので、使用方法には注意が必要です。
「どうしてもここを通らないといけない」「ここで作業しなければいけない」ところでしか使用しません。いわば、「安全を確保するための最後の手段のお守り」として持ち歩いています。
必要な場合は、この3つの虫対策を携帯して山に入っています。
「森林香」
→ カラビナを付けて腰にぶら下げて置けば歩いていてもそこまで邪魔にはなりません。
「スキンベープミスト」
→ 林内に入る前に上着・ズボン・靴(地下足袋)にまんべんなく吹き付け
「ハチアブバズーカスプレー」
→ リュックのサイドや中に入れて携帯
※今回は歩き回る作業だったので落ちないようにリュックの中にしまっています
終わりに 虫との付き合い方を考える
虫対策として用いているグッズを紹介させていただきましたが、心構えについて少し書かせていただきます。
肌をできるだけ露出しないこと
山や森に入るときは長袖長ズボンを履くことで、肌の露出をできるだけ避けましょう。
忘れがちなのは、くるぶしと首の部分。
靴下は長めのものを履く、首にはタオルを巻く、などしてカバーしましょう。虫だけでなく、枝などによる擦り傷の防止にもなります。
一方で熱中症に気を付けることも大切なので、通気性の良い機能の付いたものやインナーをうまく使いましょう。
黒っぽい服や強いにおいのするものを避けること
ハチが好む色として「黒色」ということがよく言われます。
服装を選ぶときに黒っぽい服装は避けることはもちろん、髪の毛にもよってくることがあるので、帽子もかぶるようにしましょう。
また、ワックスなどの甘いにおいがするものを身につけるのも虫を呼び寄せる原因となりますので、避けるようにしましょう。
大切なのは、「お邪魔させていただいている」という気持ちを持つこと
山や森は、いわば虫たちの家であり、人間はそこにお邪魔させていただいているという気持ちをもつことが大切だと思います。
共存することはなかなか難しい部分もあるかもしれませんが、自分で虫が寄ってきたくなるような原因を作っていないか考えることは大切だと思います。
夏場に虫が出てくるのは当たり前です
少しでも被害にあわないよう、活動する前に十分に注意することが何よりも大切です。
少しの準備で、快適な山生活をエンジョイしてください!
今回はここまでとさせていただきます。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
著者:おおだいら
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?