シェムリアップ滞在記 ~コロナ下における教育の今~
文科省派遣教員は、現地の教育事情を調査しレポートを提出します。
昨年度は「カンボジアの公教育の実態と教育支援」
今年度は「コロナ下における教育現場と教育支援」
これをテーマに調査をしています。
今回、シェムリアップの旅では、小中学校4校、高校1校を視察しました。
電話をしてもほとんどの学校が繋がらなかったので、観光地移動中に見つけた学校を片っ端から突撃取材☺☺
訪問した5 つの学校全てが快く視察を許可して取材にも応じてくれました。
まずはクーレン山中にある「コンラエン プレア トム 幼小中学校」をご紹介します。
カンボジアの学校は基本的に小中学校が併設されていて幼稚園併設の場合もあります。
山中にもかかわらず、児童・生徒300名、教師12名在籍してます。
今回は、クメール語(国語)教師のサンクーンさんが案内してくれました。
彼は、学校に寝泊まりしているそうです。
校舎の隣にある6畳一間の家はとてもシンプルです。
教師の給与は月250ドル。バッタンボン州のダイタマイ小中学校の教師より50ドル高いです。
この学校視察で驚いたのはカラーの教科書を使用していたことです。
カンボジアでは、教科書の無償給付をしておらず書店で各自購入する必要があります。
カンボジアの首都プノンペンでさえ、みんな白黒の教科書を使っています。
この学校では韓国の資産家が寄付してしてくれていて、カラーの教科書を使うことができるとのこと。
↑↑↑支援者と教師達
↑↑↑これは、5歳以下の幼児の教室。
アットホームな雰囲気で様々な可愛い装飾がありました。
↑↑↑これは、生徒会の組織図です。
生徒会長、副会長がいて、それぞれの委員長がいます。
日本のような放送委員や図書委員などではなく
「昼食委員」
「持ち物委員」
「○学年担当委員」
「登下校委員」
など、普段の学校生活において模範をみせることが主な役割のようです。
この学校の識字率は10歳で約80%。
中学生を卒業する時には、ほとんどの子供が字が読めるようになるそうです。
自転車で登校する児童を発見👍
この学校は中学生はバイク、小学生は主に自転車で通学しているようです。
1番遠い児童は、自転車で1時間かけて通っているとのこと。
教室は全部で6教室。
カンボジアの学校の教室には、児童用のロッカーがありません。
午前と午後に分けて登校する2部制です。
なので、私物を置くスペースを確保することが難しいのです。
今はコロナの影響でカンボジア国内全ての学校がクローズし、授業の動画を配信する形をとってます。
夏休みの間ですが、自主的に勉強したい子供が自由に登校し、友達と勉強したり、先生に質問したりしています。
来月、インターナショナルスクールをはじめとする、20校の学校が開催予定です。しかし、多くの現地校はいつ再開できるか分からない状況です。(11月開始という噂あり)
視察の中で1番楽しかったのは、子供たちと鬼ごっこをしたことですね(笑)
視察した学校の中には、日本の教育機関が寄付して設立したものもありました。
見ず知らずの旅人である私が訪問しても、みんなが歓迎して案内してくれるのは「日本人」という信頼感があると思います。
先人達が築いた信頼のバトンをしっかりと受け継いでいきたいと思います。