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童貞だった俺が「薄顔ネキ」に純情を捧げようとした話

そう。チャンスは唐突にやってきた。
あれは同じ学科の一年生と先輩二年生の新歓コンパ後のことだった。

沖縄料理屋で打ち上げをした際、意気投合した薄顔ネキに、唐突に聞かれた。

薄顔ネキ「どうする?おうちくる?」

スペックニキ「おお源。お前いっちゃえよ!家行っちゃえよ!」

スペックニキは、慶應に在学していたが、ワイの国立でやりたいことが見つかったらしく、なぜかランクを下げてまでも再入学した最強スペックニキだ。ちなみに同期。

そして後のスペックニキいわく、

薄顔ネキはマジでちょうどいいレベル。(何がとは聞かないでくれ。)

そしてそのままスペックニキに押され、薄顔ネキが抱きついてくる。

(わお!女の子ってやわらけぇ...)

そして横を見ると、同年代女子からの侮蔑の目。

多分処女であろう地方育ちの女子からは、「何あの先輩?」「うわ、チャラ」などと言われる始末である。


俺は葛藤した。

天使源「ダメだよ源!こんごよねんかんすごすなかまをたいせつにしようよ!」


悪魔源「やっちゃえよ!気持ちいいぞ〜おせっせは!!」


無垢な源(え?俺今日童貞卒業できるんすか??ww)

???「ダメだこりゃ」


しかし、やはり4年間がちらついた。
ここで薄顔ネキに純情を捧げることもできる。
しかしそれは学科での死を意味する。
そして数多の可能性を捨て去ることにもなる。

そう俺はこの時から傲慢で、不器用で、

心も童貞だった。

そう、スマートにことを進めるなら、そん時は軽く濁し、後日そういうことすればええやんってことだ。

葛藤源「...先輩!すいません、俺やっぱり、今から、こいつらと飲み行きます!」

スペックニキ「....うわ...お前...。」

薄顔ネキ「....えー、分かった。じゃあねー」

スペックニキ「...お前なんで断ったんだよ。もったいねー」

源「....。いいんだこれで。」

地方女子たち「私はちゃんと、こっちに来てくれるって信じてたよ。」

そう。俺はこれから過ごす友人をとったのだ。これは吉だったと思っている。....思っている!!!


そして大学3年生。


1番耀かしい3年生になっても

童貞だった。

後輩ウケが良く、テニサーのサークル合宿の「面白い人ランキング」第1位になったのに

童貞だった。

全テニサー民「なんでやああああああああ。」

そう。一人の子に一途に行きすぎたのだ、(これだから童貞マインドは。)


そんな童貞にも秋が来た。

薄顔ネキ「あれ、源くんじゃーん。今暇?」


そして俺たちはオレンジデイズばりの隠れ家の吹き抜けスペースのベンチで語らいあった。

秋風が吹いていて、半袖だと少し肌寒いが、秋の日が当たり気持ちの良い日だった。


薄顔ネキ「いや、お前テニサー入ったのに、まだ童貞なのかよwww」

???「お願いやめて!もう源のライフはZEROよ!」

苦しい笑いをしている俺に薄顔ネキはこう耳元で囁いた。

薄顔ネキ「どうする?ウチとしてみる?」

!?!?!?!?

童貞の心臓のPPMを190にするには、赤子の手をひねるように簡単だった。僕はロックなんて聞かないのに。

逡巡した。

秋晴れの中純情を捨てるか逡巡した。

そしてムラムラしながら、バカな俺はこう答えた。

源「いや、初めては....本当に好きになった人に捧げたいっす!」


これだから童貞は!!!!


と全読者が声に出して叫びたいだろう。分かる。

俺も数年後めっちゃ叫んだ。


薄顔ネキ「....それがいいよ!でもしたくなったらいつでも言ってね!じゃ、私用があるから!」

そう、ヤリマンに見えて、実はこれは俺への猛アタックだったのかもしれない。

薄顔ネキの背中は少し寂しそうだった。


....いや、ヤリマ○だったと思う。


この後も何度か誘いがあったが、結局薄顔子ちゃんとおせっせすることはなく、俺は大学は卒業した。

そう、大学は卒業できても、童貞は卒業できなかった。

まとめ

Q:童貞を守ることに何の意味があったのだろうか。

解:リア充を見返すための挫折と努力を知ること。


人の痛みは、その痛みを感じたことがある人間にしかわからない。

俺は小学生時代、あまりにも出る杭すぎていじめられた。なんなら執念深くいじめたやつに復讐した。

だからいじめられる人の気持ちは分かる。

俺は中学時代、夏休みに遊びすぎて部活で最下位になった。

だからドベの気持ちが分かる。

高校時代、直前でE判定まで落ちた。だから勉強で挫折した気持ちが分かる。

いろんな痛みを知るからこそ、分かる。

特に、俺は恋愛弱者と童貞の気持ちが痛いほど分かる。

だから、何もかも成功した人間よりも、

たくさん失敗して挫折した経験をできた人間で本当に良かったと思っている。

今も童貞だったり、マッチングアプリで連敗したり、お見合いがうまく行かなかったりしている方も多いだろう。

俺はお前らの味方やぞ。頑張ろうな。終わり


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