中尾のひとりごと2
多分こんなクソタグで辿り着く猛者はいないとは思うが、
初めての読者のために説明してあげよう。
中尾のひとりごとは、薬屋のひとりごとを
「楽屋のひとりごとっておもしろいよな?」としたり顔で言ったことが語源である。
そんな中尾と都内の温泉に行くことになった。
先についた中尾からお怒りのライン
「飯食おうと思ったのに空いてないんだけど。
ここは上流階級のための空間だろ?どうなってんだよ。」
そう。某温泉は、何も買わずに帰る下民。
自販機のジュースを買って、休憩スペースで飲む平民。
そして、なかなか本格的な料理を味わう座敷スペースの上級国民ゾーンに分けられているのだ(らしい。)
かわいそうだったので、時間通りに到着してあげると、
平民スペースで壁によりかかりながら、カタカタパソコンを打つ中尾。明らかに機嫌が悪そうである。
中尾「俺、昼から飯食ってないんだよね。」
源「マジか!そんなに忙しかったのか!」
今日の中尾の予定は、午後は美容院だけだった気がするが、多分忙しかったんだろう。
源「まあ、先に風呂入ろうか。」
更衣室、めちゃくちゃ混んでいる。
中尾「チンパンが占領してやがる。」
説明しよう。
俺らは某リア充御用達系お風呂スパジャポで、迷惑な陽キャに大分苦しんだので、有害陽キャを、チンパンと呼んでいる。
着替え中、ロッカー越しの多分イキってる系の男が、ヴァーっクションと大きなくしゃみをした。
でかいくしゃみだなぁとふと思ってたら、
右斜め後ろ「うるせぇよ...ボソッ」
は?
ちょうど周りの声が止んだ瞬間につぶやきやがったので、まあまあ響いた。
そう、中尾だ。
中尾のひとりごとがでかすぎるのだ。
(いや、ひとりごとうるせえよ...!)と、目線と口の動きで指摘すると、ニヤニヤしている。
俺はどういう顔で着替えりゃいいんだ。俺もクソ野郎なので、思い出し笑いを堪えながら、何も言わずに黙々と着替えた。
シャワーを浴びながらその件に触れた。
「中尾のひとりごとがでかすぎるのよ!」
中尾「いや、でも考えてみん?くしゃみがでかい方が悪くない?」
「いや、くしゃみは生理的現象だろ。」
中尾「くしゃみもうちょい調整できるだろ。」
源「確かに、手で押さえる配慮はできるわな。あいつが悪いな。」
風呂上がりに、飯屋をのぞくと列が増えている。
あぁ合掌。
今日1日災難だからchill out買ってやるか。
しばらく庭園見ながらchill outしてると、
中尾「そろそろ出ないか?」
「もうこの枯山水はいいのか?」
中尾「ここにそんなに居座っちゃったら、並んでた時間に入れたかもしれないやん。それは悔しい。」
なるほど。
だが時刻は20時半。
都内といっても辺境地なので、空いてるのは、チェーン店くらいだ。
中尾「やべぇ、これは優勝だわ。これは上級国民の味。」
とリンガーハットに海鮮トッピングして、うまそうに食べる中尾であった。