アラサーがペ〇ーズに課金してみた。(再最終回)~ガッキー答え合わせ編~
~前回までのあらすじ~
マッチングアプリペ〇ーズで、「ガッキー」と4回デートを重ね、5回目デート目前というところで、
「ちなみになんですけど、私彼氏できたんです~。これからもよろしくお願いします。」
「え・・・・・?」
時が止まった。体感1時間くらい。
思い当たる節もありまくり、意気消沈。
しかし、この後いろいろやりとりがあり、結局池袋で焼肉を食べようということになった。あくまでも友達としてだ。
この際、色々聞くかwwwww
そして、多分これが最後になるであろうとなんとなく予感していた。
もう失うものはないしな。
そう、失うものはもう何もないのだ。
ガッキーとのデート改め、友人との夜ご飯当日
19時池袋だったので、やや郊外に住んでる俺は、定時には仕事を切り上げ、行く準備をしていた。その時、
「急な仕事で・・・21時にしてもらってもいいですか??」
・・・仕事ならしょうがない。
とくにやることもなかったので、ネトフリを見ながら、適当に過ごした。
そして20時くらいにラインが来る。
「すいません。23時過ぎそうです。やっぱり今日やめましょう…」
あぁ・・・・早く言ってくれwww
しかしすぐに、向こうから電話が来る。
「…実はまだ職場で・・・・、急な仕事を頼まれちゃって・・・、明日にしてもらうことはできますか?」
そもそも、職場にいるのか定かでもないし、彼氏持ちだし、彼氏持ちだし、彼氏持ちだったので、正直気乗りしなかったのだが、
「アラサーさんちの駅近でいいんで!」
とのことで、次の日の夜に会うことにした。
次の日
ガッキーから到着時間の15分前に、「もう着きました。」と連絡が来る。
駅から徒歩2分の好立地に住んでるのでダラダラしていたが、はっと我に返る。
「この子、時間はきっちり守る子だった!」
着きましたラインの前には、「この曲いいよ!」というメッセージとともに、髭男の「subtitle」の動画が添えられていた。
添えられた曲を、軽く流しながら行く準備を整え、出発。
8:25 ガッキーと合流
ポニーテールにしていたガッキーは可愛かった。3回目の横浜デートの時だったなあとふと思う。またドタキャンされる可能性もあったので、店は特に予約していなかった。
その結果、
郊外のくせに、空いてる店がねぇwwww
いや、郊外だから数少ないお酒屋に人が集まるのか。
5軒くらい周った末、ボードゲームバー的なところに決める。
ガッキー「なんとかなんとかで!」ハイボールを何かで割ったやつ。
オレ「あー--。この、なんとかなんとかで。」こなれ感を出して、柑橘系のリキュールを頼む。
店主「割り方はどうされますか?」
オレ「ソーダ割で(ドヤッ)」
ガッキー苦笑。
こればっかりは、キャパ的に強がれないところだ。
ガイスターという、お化けを取り合う初心者向けのボードゲームをやりながら乾杯した。
しかし、元心理学科のアラサー選手。心理ゲームに火が付き、ガチでやって勝ちに行く。アラサーこういうとこだぞ。
相手と会話したり、手元の動きを見たりしながら、お化けの種類を推測し、確実に詰み状態まで追い込み、最終的にアラサー選手が勝利。
「すごくいい勝負だったね!」
ガッキーは満足そうで安心した。
「ほんとに危なかった。ガッキーちゃんボードゲーム強いね~!楽しかった!」
「いや、これ実はもう君詰んでるから、確実に勝てたんだよなぁwwwなぜなら・・・」というサイコパス発言をしなくて本当に良かったと心から思う。
バーのお酒2杯目(アラサー体感4杯目)バーの度数は高いのだ。
最近の話とか、仕事の話とか、他愛のない話をした後、ずっと気になっていたことを切り出した。
「んで、いつ彼氏できたの?」
「んー、9月かな」
これ、もしかして家来た時じゃないよな・・・?笑
「どんな人なん?」
「実は、街コンで1年前に出会ってて、結構一緒に遊んでた人。何度も「好き」って言われてて、この前告られたの!」
まあ、そりゃあ、同時並行しますよねぇ!!!!
二杯目の強い?酒(ソルティーライチ?みたいな味)を飲み終え、プライドもかなぐり捨てたオレは聞いた。
「もしかしたらの話だけど、俺がもっと早く告ったりしたら、可能性はあったの?笑」
ガッキー「・・・・・うーん、そうですねぇ。それはタイミングですよねー。」
ていうか、
「私のこと一度でも好きって言ったことあります?」
・・・・・・。
ああ。たしかに。
ぼうっとした頭で思った。一度も伝えたことはなかった。
髪型とか、所作とか、褒めることはあったかもだけど、確かにそうだった。
多分、もしガッキーを手に入れるなら、3回目の横浜のみなとみらいだった。
みなとみらいの夜景という、用意されたような最高のロケーションがありながらも、オレは甘い言葉の一つもかけていないのだ。
バーからの帰り際、ガッキーがおもむろに財布を出し、札を手にねじこんできた。
「わざわざ来てもらったし、ここは出すよ!ありがとう。」
「さすがに今回はもらってください。」
「いやほんと大丈夫だから!」「払います!」の攻防の末、
無理やりポケットにねじ込まれた。
そういえば、こういうところはきっちりしようとする、いい子だなと思うと同時に、
これは手切れ金かなとも、ふと思った。
月がすごくきれいだった。
ガッキー「今日の月きれいですね。」
「たしかに、めっちゃ輝いてる!」思わず写真をとった。
駅前についた。
「ここでいい。」
振り向くことなく、ガッキーは去っていった。
家に帰り、コンタクトをはずし履いてた黒スキニーを投げ捨て、ガッキーが好きなんだよねと送ってくれた髭男の「subtitle」を聴いてみた。
言葉はまるで雪の結晶
君にプレゼントしたくても
夢中になればなるほどに
形は崩れて溶けていって
消えてしまうけど
でも僕が選ぶ言葉が
そこに託された思いが
君の胸を震わすのを諦められない
愛されるよりも愛してるが届くまで
もう少し待ってて
すごくいい曲だった。
思い上がりかもしれないが、ガッキーは、最後に「好き」というたった一言が欲しかったのかもしれない。言葉の大切さを伝えたかったのだろうか。
そう、言葉にしないと伝わらないのだ。
明日は何しよう。好きなことをして過ごそう。そうだ、そろそろ髪でも切りに行こう。
ペ〇ーズに課金してみた。ガッキー編。今度こそ完結。
後日談
まずい。本当にまずい・・・・。
行きつけの美容院に行く直前で、財布を忘れたことに気付いた。急いでいたのもあるが、まさか財布を忘れるなんて。
「いやぁ、オレ現金の方がいいんだよね。カードとかだとカード会社に金取られるやん。だからオレペイペイとかもやんないの!」
昔店長が得意げに話していて、聞き流していたが、まさか今日俺が困ることになるとは・・・!
ふと無意識にポケットをまさぐると、
あっ・・・。
きれいに折り畳まれた5000円がポケットに入っていた。
まさかこんな形で使うことになるとはな。笑
会計の時に、実はこれその時の5000円です。笑
と店長に話すと、
「うわー、なんか嫌だなあ。早く誰かにあげようwww」
と大爆笑していた。多分、またこの5000円をおつりとして、「実はこれwww」と、誰かに笑い話としてあげるのだろう。
万が一もらい手がいなかったら、1か月後に行ったときに、
「こんなの誰もうけとらねえよ!」と笑いながら怒られるだろう。そしたら、また俺がおつりとして受け取ろう。そして、すぐにどこかでさっと使おう。
今だ。今この瞬間だ。
過去と未来には今はない。