復習しよう!ウィンドプロファイラ【第59回-専門-問3 気象予報士試験の解説】
第59回気象予報士試験の専門知識を解説していきます。
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1人でも多くの人に、気象について興味を持ってもらえたらうれしいです。
問題
(a)電波の発射方向は5方向 → 正
問題文のとおりです。
特に、ウィンドプロファイラにおいて、
電波を発射する方向は4方向でなく、5方向という点は、
意外によく問われます。
以下の図を脳内に焼き付けておきましょう。
(b)温暖前線通過時の層 → 誤
ここが最も悩んだかもしれません。
前線周辺の大気の断面を、模式図に表してみましょう!
前線とは、【地上における暖気団と寒気団の境目】のことです。
この図では、地上に温暖前線があり、東方向に(右へ)移動しています。
バンザイする虎🐯から見てみましょう。
0時の時点では、温暖前線はまだ遠くにあります。
その後、2時、3時と、時間が進むと、
しだいに温暖前線が右に移動し、虎🐯に接近します。
それと同時に、上層にある暖気が厚くなっていきます!
その後、虎🐯の付近を温暖前線が通過していきました。
通過と同時に、虎🐯の上空は全層が、南からの暖気でおおわれます。
したがって、通過後は、南よりの風の層が、
時間とともに厚みを増すことはありません。
通過した瞬間に、下層から上層まで、南よりの風に暖気におおわれるのです。
前線が通過した時点で全層が南よりの風となるので、(b)誤です。
(c)降雨時の観測データ → 正
問題文のとおりです。
ウィンドプロファイラの上空で雨が降っていない場合は、
大気の上昇流・下降流を捉えます。
一方で、上空で雨が降っている場合は、
雨粒の動きを捉えたものになってしまいます。
まとめ
以上の検討を踏まえると、解答は②です。
いかがでしたか?
(a)と(c)はウィンドプロファイラの基本です。
一方で、(b)は前線の知識を必要とします。
この機会に、前線の知識、立体構造を復習するといいかもですね!
出典など
出典1:気象庁「気象庁|ウィンドプロファイラ」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/windpro/kaisetsu.html)から抜粋して作成
出典2:気象庁「気象庁|予想天気図の説明」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/FSAS_kaisetu.html)から抜粋して作成
※ 本記事における解答や解法は、個人の見解であり、(一財)気象業務支援センターとは関係ありません。