前線の通過時刻を推理せよ!【第59回-実技1-問3(1) 気象予報士試験の解説】
第59回気象予報士試験の実技1を解説していきます。
全ての記事を無料で公開します。
1人でも多くの人に、気象について興味を持ってもらえたらうれしいです。
問題
温暖前線の通過を推理
一般に、温暖前線が通過した直後は、
地上が暖気におおわれるため、気温が上昇します。
図9(上)をみると、
9時20分に、気温が1℃、不連続に上昇しました。
なお、問題文には、次の断り書きがあります。
9時10分には、10分前と比べて気温が横ばいでしたが、
9時20分には、10分前と比べ気温が不連続に上昇しています。
このことから、9時20分に前線が通過したとはじめて判断できます。
また、その際の気象要素の変化を25字で記述するわけですが、
何について触れたらいいのでしょうか・・・
図9に掲載されている気象要素は、次の4つです。
風向
風速
気温
気圧
この中で、9時20分に明らかに変化があった気象要素は、
1.風向、3.気温です。
それについて記述すると、出題者の解答例は、次のとおりです。
風向が南から南南西に変化し、気温が1℃上昇した。
9時20分に明らかに変化した気象要素を、
指定された図9(上)から読み取るだけです。
変化していない気象要素や、図9から読み取れない事実は、
絶対に書きません。
寒冷前線の通過を推理
一般に、寒冷前線が通過した直後は、
地上が重い寒気におおわれるため、
気温が下降・気圧が上昇します。
その時刻は、14時00分ですね。明らかだと思います。
そして、その際の気象要素の変化35字ですが、
図9の要素すべてに変化が見られます。
風向 =南西から西に変化
風速 =6m/s弱まる
気温 =4℃下降
気圧 =1hPa上昇
今回は、2. 風速には言及しないでおきます。
というのも、風速についての答え方が問題文で指示されていないからです。
結局、1. 風向、3. 気温、4.気圧に言及すると、
出題者の解答例は次のとおりです。
風向が南西から西に変化し、気温が4℃下降し、気圧が1hPa上昇した。
まとめ
いかがでしたか?🙂
数年分の過去問を解くとわかりますが、
アメダスの時系列データから、前線が通過した時刻を推理する問題は、
よく出題されます。
解き方はだいたいいつも同じですので、慣れておきましょう。
また、記述問題で私が何度も述べていますが、
ビビらない。図に書いてあることを読み取るだけです。
図から読み取れないことは記述してはなりません。
(参考)気象予報士ユキ(第59回-実技1-問1(2))
出典など
出典1:気象庁「気象庁|予想天気図の説明」(https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kurashi/FSAS_kaisetu.html)から抜粋して作成
※ 本記事における解答や解法は、個人の見解であり、(一財)気象業務支援センターとは関係ありません。