等圧線、一方は高圧・他方は低圧だよ!【第59回-実技1-問4(2)①②③ 気象予報士試験の解説】
第59回気象予報士試験の実技1を解説していきます。
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1人でも多くの人に、気象について興味を持ってもらえたらうれしいです。
問題
①②シアーライン東西の相当温位の考察
さて、地上のシアーライン付近での、相当温位の分布の様子を聞かれました。
地上(1000hPa)で、▲印付近を見てみると、315K線があります。
そして、そのすぐ右(東側)には316K線、さらに右には317K線があります。
一方で、▲印の左(西側)は、どうなんでしょうか?
315Kよりも低いのでしょうか?高いのでしょうか?
結論からいうと、▲印の左(西側)は315Kより低いです。
等値線の基本をおさえよう!
等値線、たとえば等圧線や等相当温位線の基本事項として、
等圧線の片側が高圧であれば、もう片側は必ず低圧です。
上の図(正しい例)でいえば、
等圧線1000hPa上に車があり、
進行方向右手に高圧1004hPa線、左手に低圧996hPa線があります。
一方で、誤っている例は次のとおりです。
1000hPa線上の車からみて、
右手も左手も高圧の1004hPaということはあり得ません。
そもそも等圧線1000hPa線の引き方を間違えています。
等圧線は、等圧線2本の間に引けばいいという単純なものではありません。
等圧線からみて、一方は必ず高圧、もう一方は必ず低圧になります。
さらにこのことは、等圧線のみならず、等相当温位線など、
あらゆる等値線にいえます。
今回の場合
もう一度、図12をみてみましょう。
▲印付近に315K線、その右(東側)は316Kが明らかです。
したがって、315K線の右(東側)に高相当温位があるので、
左(西側)には低相当温位があると、自動的に決まります。
決して、315K線の右(東側)も、左(西側)も、
315Kより高いということはありえません。
したがって、解答は、
シアーライン東側の相当温位は、西側より①高く、
西側には②低相当温位気塊があることになります。
③西側の低相当温位気塊の厚さ
問題文と②から、シアーライン西側では、
地上からある程度の高さまで、低相当温位の気塊があります。
また、気塊の上端は、
等相当温位線の混んだ部分の上端に等しいそうです。
図12をみると、シアーライン(▲印)の西側では、
等相当温位線集中帯の上端が316K 、950hPa付近にあります。
したがって、気塊の厚さは、
地上(1000hPa)から上端950hPaまでの、
③50hPaといえます。
まとめ
いかがでしたか?😁
今回は、等値線の引き方を取り上げました。
たとえば、等圧線を引いたとき、
一方は必ず高圧、もう一方は必ず低圧になります。
ここは意外と見落としがちなポイントなので、
しっかりマスターしましょ!
出典など
※ 本記事における解答や解法は、個人の見解であり、(一財)気象業務支援センターとは関係ありません。