自分通信簿でコンディションを把握する
東大卒プロゲーマーであるときど氏の著書「世界一のプロゲーマーがやっている努力2.0」に自分のコンディションを把握するために、ときど氏が実践していることが記されている。
メンタルに大きな負荷をかけない。そのためには、常に自分の状態を知っておくことが必要です。僕らは自分でも気づかないうちに、無理をしてしまうことがよくあるからです。自分のことをモニターするために、僕は1冊のノートを使っています。毎朝、昨日1日の自分の状態を記録する、いわば「自分の通信簿」です。
通信簿にはジム・レーヤー『メンタル・タフネス』(KKベストセラーズ)を参考に、
・睡眠時間
・食事の回数
・脈拍
・ストレス量
・感動の回数
・幸せ度
・タフな行動
・とったカフェインの量
など、25項目を、1〜10の10段階(項目によってはA〜Fの6段階)で評価して記録しています。ノートを書いてみると、昨日のよかったところ、よくなかったところがわかります。つまり頭の中の整理整頓ができるので、気持ちを振り向けるべき点が明確になり、自動的にそれを意識します。この「自動的に意識させられる」ところが、意志の力を使わないので面倒くさがり屋の僕には大変ありがたいです。やることは毎朝、機械的に決められた項目に点数をつけるだけ。採点もあまり厳密なものではありません。先日も練習でいまいち集中を欠く日が続いたことがあり、「最近なんとなく、体調が悪いな。なぜだろう」とノートを見直したところ、どうやらジムワークの時間が影響していることがわかってきました。ジムで頑張りすぎると、翌日の練習や実戦の結果に大きな影響が出るのです。こうした気づきは、記録していたからこそ意識できた貴重な情報です。
私にはいくつかの日課がある。「掃除」「英会話」「プログラミング」「運動」「食事のコントロール」などである。日課と言いつつ、その日のコンディションによって、やったりやらなかったりすることがある。この「やったりやらなかったり」する要因を把握するために、ときど氏の通信簿を参考に「掃除」をやったら「1」、「英会話」をやったら「1」というように、点数をつけることをしている。
これをすることにより、その日の自分の点数を客観的に把握することができ、調子が良い原因、調子が悪い原因の仮説を立てることができるようになる。例えば、睡眠をしっかりとった翌日の点数は高い傾向にある、週末の疲れがたまっているときは低い傾向にあるなど、自分の調子とその要因を把握することができる。
この通信簿をつけることによって気づいたことがある。大切なのは、掃除をする、英会話をするという具体的な行動に目を向けるのではなく、その具体的な行動を引き起こす「心の状態」「身体の状態」に目を向ける必要があるということである。結局、いくら行動を起こそうと思っても、「心」と「身体」が良い状態に保たれていなければ、行動することができない。「心」と「身体」のコンディションが整っていれば、自然と行動することができる。
したがって、特定の行動を習慣化させるためには、「心と身体のコンディション」を整えることに注力すればいい。自分通信簿で客観的に自分のコンディションを把握することにより、行動力を高めていくことができる。