【映画】ロシャオヘイセンキ

新年早々、傑作である。子供ができてから、子供がでてくる映画の涙腺がゆるくなってしまった。昨年では、「ジョジョ・ラビット」がそうである。子供が荒波に放り出され、成長し、壁を乗り越えていく。このような物語には、自分の子供たちを重ね合わせてしまう。

本作は中国製作のアニメである。中国製作のアニメは初めて鑑賞したが、素直に面白かった。今後、中国アニメがどのように市場に展開していくか興味深い。

本作の物語は、「生きて帰りし者の物語」である。このタイプの物語は、エンディングをどう着地させるかに作品のクオリティが左右される。近年の「生きて帰りし者の物語」タイプの映画で、エンディングが素晴らしかった作品は、「2分の1の魔法」である。この作品のエンディングの”構図”は映画史に残る傑作であった。さすがピクサーである。

本作「ロシャオヘイセンキ」もエンディングが感動的であった。旅を通じて生まれたシャオミとムゲンの関係に、自分と子供たちの関係を重ね合わせてしまった。やはり、一緒に壁を乗り越えて生まれた信頼関係は強い。私も子供たちとそのような信頼関係を築いていきたい。

エンドロールで作品の回想シーンとともに流れるLMYKの「Unity」も最高であった。音楽が素晴らしい映画は、作品を何倍にも魅力的にする。早速、2021年のプレイリストに追加した曲である。

エンドロールで印象的なイラストが一瞬映し出される(以下リンク先参照)。私は、それはシャオミが出した答えだと思う。
劇中、シャオミがムゲンに「フーシーは悪い人なの?」と問い、ムゲンが「お前の中にちゃんと答えはあるだろう」と答えるシーンがある。ムゲンはシャオミに答えを教えるのではなく、シャオミに自分の心と向き合うことを促す。このイラストの通り、シャオミはフーシーとの共生を選んでいる。それがシャオミの答えであると解釈する。

中国作品恐るべしと言わざるを得ない傑作である。是非劇場で見ていただきたい作品である。

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