【映画】新感染半島 ファイナル・ステージ

抜群に面白いエンターテイメントの傑作であった。やはり、韓国映画恐るべしである。飽きさせないストーリー展開、手に汗握るアクションシーンなど、エンターテイメント作品として一級品であった。

とにかく脚本が素晴らしい。監督のヨン・サンホが共同脚本を務めている。ヨン・サンホは1978年生まれの韓国出身の監督である。本作のもとになる『新感染 ファイナル・エクスプレス』(16)やアニメーション映画『ソウル・ステーション/パンデミック』(16)で、数々の栄えある映画賞を受賞している実力派監督である。上映中終始飽きさせないストーリー展開であり、数々の伏線も見事に回収され、ラストは圧巻の締め方である。人物の描写も巧く、魅力的に描かれている。『パラサイト』といい韓国映画の脚本力の高さは世界一なのではないかとさえ思う。

撮影にも度肝を抜かれた。ゾンビにより荒廃した街、その中で無放地帯と化した631部隊の要塞は、リアリティに溢れ、とてつもない資金と才能が注ぎ込まれているのがわかる。そして、その中で繰り広げられるカーチェースシーンは、映画史に残る圧巻である。この世界観を作り上げたヨン・サンホ監督の類まれなる力量を感じることができる。

俳優陣も素晴らしかった。主人公・ジョンソクを演じるカン・ドンウォンはスクリーン映えする映画スターのオーラがある。強さと弱さをうちに含んだ悲しき主人公を見事に演じ切っている。そして、この映画の俳優陣を語る上で欠かせないのが、子役の二人である。生き残るためにハンドルを握るジュニを演じたイ・レとその妹ユジンを演じたイ・イェウォンである。この2人の存在のおかげで、絶望的な物語に希望とユーモアをもたらしている。この2人のおかげで物語の幅が広がっている。

めちゃくちゃ面白い脚本、圧倒的な撮影技術、魅力的な俳優陣、面白い映画の条件が全て詰まっている映画である。

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