仕事が楽しくなるまでには時間がかかる

面白い本に出会った。ジョージタウン大学准教授のカル・ニューポート氏「今いる場所で突き抜けろ!」である。

自分の仕事を天職だと考える職員の最大の特徴は、その仕事に費やした年数だった。職員の経験が長ければ長いほど、自分の仕事を心から好きである傾向が強かったのだ。
レズネフスキーの研究によると、もっとも幸福で、もっとも熱心な職員は、「やりたいこと」を追い求めた結果として職に就いた人ではなく、自分の仕事のスキルが上達するまで長い時間をかけてがんばってきた人であった。

仕事が楽しくなるまでには時間がかかる。仕事は、実力がついて初めて楽しいと思えるからである。「好きなことを仕事に!」という言説が巷で流行しているが、カル・ニューポート准教授が述べているように、仕事は時間をかけなければ楽しいとは思えない。

転職を検討しはじめる際に悩ましいことは、当たり前のことであるが、「今の会社にとどまる」か「別の会社に移るか」ということである。転職を考えるということは、今の会社に何かしらの不満を感じているということである。「仕事が楽しくなるまでには時間がかかる」というカル・ニューポート准教授のメッセージを考慮すると、もしかしたらこのまま今の会社で働いていたら仕事が楽しくなるかもしれない。

転職することは悪いことではない。転職してもやり甲斐を見つけられず転職を繰り返す人もいれば、転職によりキャリアアップして充実した仕事人生を送る人もいる。だから、「仕事が楽しくなるまでには時間がかかる」からといって転職をしてはいけないということではない。「仕事が楽しくなるまでには時間がかかる」ということを頭に入れた上で転職する決断をすることは全然ありである。

仕事が楽しくなるまでには時間がかかる。このメッセージを頭の片隅に入れて今後もキャリアを試行錯誤していきたい。

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