謙虚 vs オパール色の輝き 種類別の対決
種類別のルールで特に難しいと言われている[[オパール色の輝き]]と[[謙虚]]の相互作用。ミドルスクールでは補充デッキとランドスティルが対戦した時に実際に発生することがあった。そのため、この2枚の相互作用は、種類別を復習しながら覚えておきたい。
その内容を、種類別の詳細を交えながら説明する。
①種類別とは
種類別とは、MTGにおけるもっとも厄介なルールの一つであり、以下のように7種類に分類されている。そして、番号が小さい順番に適用される。また、同じ種別が複数適用される場合は、タイムスタンプのルールに基づき、戦場に遅く出たなどの理由でタイムスタンプ順が一番最後の物が適用されることとなる。
第1種:コピー可能な値を変更する効果
第2種:コントロール変更効果(例:支配魔法/Control Magic)
第3種:文章変更効果(例:幻覚/Mind Bend)
第4種:カード・タイプ・サブタイプ・特殊タイプ変更効果
第5種:色変更効果
第6種:能力追加効果、キーワード・カウンター、能力除去効果、能力を持つことを禁止する効果
第7種:パワー・タフネス変更効果
7a:パワーやタフネスを定義する特性定義能力の効果
7b:パワーやタフネスを特定の値に置換する効果
7c:パワーやタフネスを修整する効果
7d:パワーとタフネスを入れ替える効果
[[オパール色の輝き]]の能力は、単一の能力の中に、
「エンチャントをクリーチャー化(第4種)」と
「クリーチャー化したエンチャントのサイズはそのマナ総量(第7種b)」のミックス
[[謙虚]]の能力は、単一の能力の中に、
「全てのクリーチャーの能力を失わせる(第6種)」と
「全てのクリーチャーは1/1になる(第7種b)」のミックス
というものである。単一の能力の中に2種類の種類別が含まれている点が重要である。詳細は後述。
②依存関係
種類別の他に、依存関係についても押さえておく必要がある。結論から言えば、[[オパール色]]と[[謙虚]]の間には依存関係が無い。要は、依存関係が無い関係だからこそ、ルールの適用が複雑になってしまうのである。
逆に依存関係がある事例として、[[血染めの月]]と[[ヨーグモスの墳墓、アーボーグ]]の例を挙げておく。土地を[[沼]]にするか[[山]]にするかで第4種同士となっているが、依存関係により、戦場に出た順番に関係なく[[血染めの月]]の方が最終的に適用されるのである。[[血染めの月]]は[[アーボーグ]]に直接能力を失わせる効果を課すことができるが、[[アーボーグ]]は[[血染めの月]]に対して何も影響を与える能力が無いからである。そのため[[血染めの月]]が優先されて[[アーボーグ]]は能力の無い[[山]]となり、[[アーボーグ]]の[[沼]]化の効果は完全に無効になるのである。
しかし、依存関係が無い[[オパール色]]と[[謙虚]]の場合は、完全に能力を適用しようとすると、戦場に出ている枚数に関係なく、矛盾ループとなってしまう。
以下のように、その矛盾ループは[[オパール色]]が1枚か2枚以上かで内容が多少は変化するが、結局、[[オパール色]]の第4種を適用し、次に[[謙虚]]の第6種を適用するだけで生じてしまう。つまり、矛盾そのものには、どちらが先に戦場に出たのかは全く関係がない。
2-1 [[オパール色]]が1枚、[[謙虚]]の枚数は問わない場合の矛盾
1. [[オパール色]]の第4種で[[謙虚]]が全てクリーチャー化
2. [[謙虚]]の第6種で、自分自身が能力を失う
3. [[謙虚]]の能力が適用されなくなることで、自分自身の能力を取り戻す
と、2.と3.のループになり、矛盾が生じてしまう
2-2 [[オパール色]]が2枚以上、[[謙虚]]の枚数は問わない場合の矛盾
1. [[オパール色]]の第4種で、[[オパール色]]と[[謙虚]]が全てクリーチャー化
2. [[謙虚]]の第6種で[[オパール色]]も[[謙虚]]も能力を失う
3. [[オパール色]]が能力を失ったため、[[オパール色]]と[[謙虚]]は普通の
エンチャントに戻り、それで[[謙虚]]の影響を受けなくなり、能力を取り戻す
と、1.~3.のループになり、矛盾が生じてしまう
そのように完全に適用しようとすると矛盾ループが生じる場合に重要になるのが、①で述べた種類別なのである。矛盾が生じる時は、種類別を以下の2点で厳守することで解決するのである。
Ⅰ. 種類別の順番で適用し、一度適用した能力は第6種の段階でその能力を失う場合も、取り消さない
Ⅱ. 第6種以前に適用した単一の能力内に第7種の能力が含まれる場合は、例え第6種の適用により能力を失っていた場合もしっかり適用する
2-3. [[オパール色]]第4種と[[謙虚]]第6種の正しい適用方法
1. [[オパール色]]の第4種で、[[謙虚]]を含む他のエンチャントが全てクリーチャー化
2. [[謙虚]]の第6種で、自分自身を含む全てのクリーチャーは能力を失う
3. 従来のクリーチャーは全て1/1のバニラになるが、[[オパール色]]でクリーチャー化した
エンチャントはバニラにはなるものの、第7種bのタイムスタンプ順でサイズが決まる
要は、[[謙虚]]や[[オパール色]]がクリーチャー化して能力を失っている場合でも、第4種と第6種の段階でそれぞれの単一の能力を適用しているので、それらの一部である第7種bの部分もしっかり適用させる必要があるのだ。第7種部分の適用手順を、場合に分類しながら詳しく述べるとする。
③[[謙虚]]と[[オパール色]]の共存時のクリーチャー化したエンチャントのサイズ
②の手順により、[[謙虚]]と[[オパール色]]の共存時は、エンチャントがバニラ・クリーチャーになることは決定した。あとは、タイムスタンプに基づいてサイズを決めるだけである。そのサイズが[[謙虚]]優先で1/1なのか、それとも[[オパール色]]優先でマナ総量のサイズなのかである。
実は[[オパール色]]が1枚か2枚以上かの違いにより多少複雑にはなるが、考えるパターンはたった3通りのタイムスタンプ順だけでいい。
まず、タイムスタンプの基礎は以下のようになる。
・タイムスタンプは、基本的に一番最後の物が優先される
・同じプレイヤーが複数同時に出した場合、そのプレイヤーがタイムスタンプ順を決める
・[[実物提示教育]]等で複数のプレイヤーが同時に戦場に出した場合は、アクティブ
プレイヤーから順番にタイムスタンプが押されるため、アクティブプレイヤーから見て
一番ターンが遅く来るプレイヤーの物が優先されることとなる
それでは、3通りのタイムスタンプ順に分けて、サイズの決定方法を述べることとする。
3-1 [[謙虚]]がタイムスタンプで最後の場合
[[謙虚]]がタイムスタンプで最後になった場合は、自分自身も含め、全てのエンチャント
が1/1のバニラ・クリーチャーになる。[[オパール色]]が1枚の場合は、それ自身は普通の
エンチャント、2枚以上の場合は全部1/1のバニラ・クリーチャーになるのである。
3-2 [[オパール色]]がタイムスタンプで最後、その次が[[謙虚]]の場合
[[オパール色]]がタイムスタンプで最後になった場合は、その他のエンチャントはその
マナ総量のサイズとなる。[[オパール色]]がその最後の1枚だけの場合は、自分自身は
普通のエンチャントのままだが、2枚以上戦場にある場合は[[謙虚]]のタイムスタンプ
も考える必要が出てくるのである。
タイムスタンプ[[オパール色]]が最後、次が[[謙虚]]で、さらにその前に1枚でも
別の[[オパール色]]が存在する場合、最後の[[オパール色]]だけは1/1となり、他の
エンチャントはマナ総量のサイズになるのである。[[オパール色]]は自分自身には
効果がないため、最後の[[オパール色]]に対しては、最後から2番目の[[謙虚]]の効果
を最終的に適用するからである。
3-3 [[オパール色]]がタイムスタンプで最後、その次も[[オパール色]]の場合
2枚以上の[[オパール色]]がタイムスタンプで最後を占めた場合は、最後の2枚の
[[オパール色]]同士が[[謙虚]]より優先されて適用し合うため、すべてのエンチャント
がマナ総量のサイズとなる。
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