夢【歌詞】

頑(かたく)なに瞑(つむ)った眼を開けた

夜空に見えた星が眼の中に写った

これが永遠の夢だと知っていた

永遠の子供、ピーター・パンのように

この世界じゃ、思いのままに何でも出来る

この夜を、僕始発の列車に乗って、あの満月の『月の駅』まで行ける

だってこれは僕の夢だから

列車のお供(とも)は言葉を喋る兎(うさぎ)

だって、駅の中間点に『不思議の国駅』があるからさ

ここからなら、逢いたい人に会える

もう星になった少年とか、木星になった父親とかにね


ジャンプして列車に乗る

空気の上に連なってる線路を不思議そうに、仕組みを知りたがってる切符が無くて列車に乗れない蛙(かえる)

『君は僕が許可しないから乗れないよ』

僕を恨めしそうにジッと見てる

だってこれは僕の世界の僕専用の列車だからね

進めば線路は列車の下だけを導いていくからすぐに線路すら見えなくなるけどね

けどね、月の兎(うさぎ)に列車の影がきっと遠くからでも見えるよ

嘘付き蛙(かえる)くんバイバイ


僕は装いを変える

制服にスプリングコート

兎(うさぎ)くんは懐中時計を持って、2足歩行

そして、執事のような服

真夜中のドアを叩いた僕らの窓から見える景色

星たちは歓迎の輝き

マウンテンバイクに乗った少年が夜空を通っていくよ

荷台に宇宙人を載せて

懐かしい物語の光景

すべてが僕の想い出と僕の願望で出来ている


目を閉じれば、夢から醒めてしまう

だからね、僕は永遠に起きているんだ

永遠の夢

ほら下を見てご覧、土を耕す男が居るよ

『雨ニモマケズ風ニモマケズ雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ丈夫ナカラダヲモチ慾ハナク決シテ瞋ラズイツモシヅカニワラッテヰル』

永久に土を耕しているんだ

僕の夢の土台は彼無しでは崩れてしまう


嗚呼、もうすぐで月に着くよ

僕の地球で初めての月面着陸

旗を立てに行こう

何時(いつ)だったかアポロ11号は人類初の月面着陸をしたね

真空なのに旗が揺らめいて、映像は造り物かって話題になってたね

真空でも揺らせば揺れるらしいね

アポロ計画は取り敢えず成功ってことで

さあ、僕らの月面着陸で僕印の旗を立てる

揺れてるとか、それは秘密


君の懐中時計が動き始めた

兎(うさぎ)はソワソワし始める

もうすぐ『不思議の国駅』が近いってこと

何でそんなに時間を気にしてるの?

アリスも招いているから、あの名場面が再現出来るね

僕は楽しみだ


さて、道中はまだまだ長い

因(ちな)みに終着駅は無いんだよ

そこで何もかも終わってしまうからね

僕の世界は真夜中の中に有るんだ

朝の駅も存在はするんだけど、降りる予定は無いかな

これが僕の全貌(ぜんぼう)の一部

すべては僕でも理解出来てない

意識レベル無意識化の世界も存在するからね

すべてを僕が僕自身で網羅(もうら)することは無理だよ

だから、旅は楽しい

未知なる世界がそこにあるんだから



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