#11 本質的な愛情ってなんだ? ~櫻坂3期生楽曲特集②~
こんにちは。
多摩川車庫前です。
本日もnote、出庫します🚎
【2024.10/23(水) 本日の1曲】
♪本質的なこと/櫻坂46 3期生
(作曲:yoss・尾上榛、編曲:TomoLow、センター:遠藤理子)
本日、10月23日(水)リリースの櫻坂46 10thシングル『I want tomorrow to come』。
今回もc/w曲として、3期生楽曲が収録されることになりました。
タイトルは『本質的なこと』。
今日は遠藤理子ちゃんが初めてセンターを務めることになった新曲について、色々と書いていきたいと思います。
[三期生ライブ]
本題に入る前に、9月~10月に開催された、櫻坂46の『三期生ライブ』について。
9月12・13日に、渋谷区神南二丁目の『国立代々木競技場 第一体育館』において東京公演が、10月8・9日には“追加公演”として、『大阪城ホール』において大阪公演がそれぞれ開催され、9日の千秋楽公演はライブ配信も行われました。
東京公演の開催が発表された当時、櫻坂46では『4th YEAR ANNIVERSARY LIVE』と『9th Single BACKSLIVE!!』の開催も同時に発表されており、チケットの応募期間が重なっていたこともあって自分は応募できず…
大阪公演の千秋楽のみ、ようやく配信で見ることができました。
アンコール終了後に流れたティザームービーで、3期生の新曲『本質的なこと』の配信先行リリースがアナウンス。
センターが遠藤理子ちゃん(以下、えんりこちゃん)であることも明かされ、大きな話題に。
個人的に、今回の三期ラを見ていて一番印象的だったのが、えんりこちゃんのパフォーマンス。
『マモリビト』で見せた、歌詞を噛みしめるような表情。
『Dead end』で見せた、村井優ちゃんとの力強くカッコ良いペアダンス。
3期生の中でも、ひときわ成長を感じていただけに、センターを務めると聴いた時は、自分も嬉しかったです😊
[曲について]
作曲はyoss氏と尾上榛氏の共作曲、編曲はおなじみTomoLow氏。
yoss氏は櫻坂46では初、尾上氏は前作の収録曲『イザベルについて』の編曲も担当されていた方で、お二方とも主に乃木坂46界隈で有名な作曲家、杉山勝彦氏の一門に所属されているそうです。
サウンド感は実に軽やかで、飾らない素朴さと、アコースティックギターのフレーズが気持ちいい。
アコギサウンドの大ファンである自分には最高すぎます😌
噂では、アコギの音は生演奏で収録したそうで…
そりゃ最高なわけですよ。 笑
この曲のベースにあるEDMサウンドのような『打ち込みの音』も良いですが、どうしたって生音の質感には敵いません。
そして、久しぶりの歌から始まる楽曲。
えんりこちゃんのソロはやっぱりきれいですね😌
編曲にTomoLow節を感じつつ、杉山楽曲のDNAも感じられるようなサウンド。
個人的に、Cメロのメロディラインが好みです。
[歌詞について]
作詞はおなじみ秋元康氏。
出だしはこのような歌詞で始まります。
君は今さらどういうつもりなのか?
あんな別れ方をしたくせに…
とあることから、何年かぶりのLINEを送ってきた相手は、主人公の元恋人であるという設定でしょうか。
(ここのえんりこちゃんの歌い方が好き。)
何年かぶりのLINEの内容は『あの頃の彼と別れた』というもののようです。
(灯りを消した~は、『静寂の暴力』との繋がりで意図的にえんりこちゃんに歌わせてると思います笑)
これらの歌詞から考えると、主人公は優しすぎる性格なのかもしれません。
或いは、1サビに“まだ愛は続いている”とあるように、少しの未練を残しているか。
この辺の感覚は、恋愛不適合者たる自分には分かりかねるところです。 笑
そんな歌詞を、ちょっと違う見方で考えてみましょう。
『過去でも未来でも 君らしさをひとごとと思えないんだ』
『まだ 愛は続いている』
『離れていた時間も 踏み絵に思える』
これらの歌詞がキーワードです。
櫻坂46の3rd Single収録曲『Dead end』が投げかける、永遠のテーマ。
『過去』と『未来』。
櫻坂46における『過去』とは、欅坂46と考えられるでしょう。
今から4年前、欅坂46は5年の歴史に幕を下ろし、現在の『櫻坂46』という名前に変わりました。
グループの形も変わり、楽曲における方向性なども大きく変化したそのタイミングで、ついていけずに離れてしまったファンも多くいると聞きます。
一方で、3期生の加入と6th Single『Start over!』を境に、一度離れていたファンが少しずつ戻ってきている、という側面もあります。
そんな中で、今回、10th Singleという一つの節目となるタイミングで、このような歌詞の3期生楽曲が収録されることは、大きな意味を持つのではないでしょうか。
『欅坂らしさ』から『櫻坂らしさ』へ。
受け継がれたものもあれば、全く別の要素から“らしさ”に繋がったものもある。
『改名』という経緯を辿った櫻坂46。
その3期生=『未来』が提示する、新たな『君(櫻坂)らしさ』の一つの答えがこの曲なのかな、と。
ほかにも色々な捉え方がありそうなので、別の考察も聴いてみたいものです。
個人的に好きだなあ、考えさせられるなあと思うのが、2サビのフレーズ。
この楽曲には、3期生11人全員が参加できているわけではありません。
8月末に開催された『9th Single BACKSLIVE!!』。
全3公演の終了後、小田倉麗奈(れいな)ちゃんと向井純葉(いとは)ちゃんの2人が、腰に複数箇所、怪我を負ったというアナウンスがありました。
三期生ライブの東京公演は2人ともに欠席となり、比較的軽傷だったとみられるいとちゃんは、大阪公演でステージに復帰しましたが、小田倉ちゃんは一時、自力で立てないほどだったことから、怪我の程度も大きいと思われ、大阪公演も欠席となったほか、今回のシングル制作にもアートワーク以外参加しないことに。
そんなタイミングで聴くこの歌詞は、一人の3期生推しとして考えさせられるなあ…と感じます。
『ここにはいなくたって そう いつだって…』
自分の中で上記の歌詞に続くフレーズを、言語化してくれたメンバーがいます。
3期生、中嶋優月ちゃんです🌻
(なかしま ゆづき)
ここにはいなくたって
そう いつだって…
“あなたのことを想っているよ”
推しメンではないけれど、一人の三期生推しとして、小田倉ちゃんのことを想い続けているよ、という気持ちも、ほんの少し伝わればいいなと思います。
[MV・振付について]
監督は金子恵利香氏、コレオグラファーはおなじみTAKAHIRO先生。
栃木県のゴルフ場を舞台に撮影された今回の作品は、3期生が『使用人』の姿となって、葛藤を描いていくもの。
バレエの要素も感じる美しくも儚い振り付けが、映像・楽曲ともよく似合います。
最初に見た時、質感や振付に『桜月』(5th Single 表題曲)っぽさを感じるな~と思ったら、監督が同じ方でした。
(桜月のほか、4th Single c/w曲『僕のジレンマ』も制作)
自分の中での櫻坂46の一推し曲が『桜月』なので、再びこの質感の作品が戻ってきてくれたことは素直に嬉しいです☺
そして何より、初めてセンターを務めるえんりこちゃんの圧倒的“主人公”感よ。
ラストサビ明けの20秒、彼女が一人で舞う姿は何度見ても感動を覚えます😭
noteを始めるきっかけにもなった3期生ドキュメンタリーで、ダンス未経験だったえんりこちゃんが悔しさに涙する姿は、見た者なら誰もが覚えていることでしょう。
あれから1年半、センターに立ってパフォーマンスする姿は、見違えるほど立派でたくましく、自信を感じるものになりました。
負けず嫌いな性格が、彼女を強くさせたことは間違いありません。
えんりこちゃん、改めておめでとう♪
・MVにおけるストーリーの考察
さて、 今回のMVにおいては、一つひとつのシーンにちゃんと意味合いがあるそうです。
(by えんりこちゃんブログ)
すでにBuddies考察班の方が色々な捉え方を挙げていますが、自分なりにこのMVに込められたストーリーを紐解いてみた時に、3つの大きなポイントが挙げられます。
①えんりこちゃんの帽子
②絵画
③受話器と電話機
以上の3つから自分が考えた答えは『独り立ち』。
イントロで、えんりこちゃんが②の絵画を持ちながら頭を抱えるシーンがあります。
そこ映るものは、おそらく主人公にとって大切な誰かの姿。
のちのシーンから考えると、それは『推しメン』でもあるかもしれません。
やがて、2番ではえんりこちゃんをはじめとする3期生が煌びやかな衣装を纏ってパフォーマンス。
華やかに見える一方で、2サビに入る前には、えんりこちゃんが③受話器を電話機に掛けるシーンも。
これがコンセプトにもある『葛藤』を描いた部分と考えた時、一つの可能性が浮かび上がります。
櫻坂46の3期生は、特に西日本からの上京組が多く在籍しています。
その一人、表題曲のセンターを務める京都府出身の山下瞳月(しづき)ちゃんは、アイドルになって以来『寂しくなってしまうから』と一度も実家には帰っていない、というエピソードも。
えんりこちゃんは東京のお隣、埼玉県の出身ですが、今回の楽曲・MVは、実家を離れて『アイドル』として一人東京に出てきた彼女たちが通ってきた『葛藤』を描いてもいるのではないか。
自分は、なんとなくそう感じるのです。
櫻坂46の3期生として、アイドルとして活動するその姿を、ずっと見守るよ。
そんなメッセージを表すかのように、Cメロではえんりこちゃんが一人だけ別のところにいて、谷口愛季(あいり)ちゃんを中心とした3期生のメンバーが、離れた彼女に手を差し伸べるようなパフォーマンスを見せます。
ラストサビ前の間奏で、えんりこちゃんは①被っていた帽子を手放し、ラストサビとアウトロでは自由に舞う姿が印象的な一方で、衣装は『使用人』としてのものに逆戻り。
この『帽子』と『衣装が逆戻り』することについて、XのポストやMVのコメント欄で見つけて“なるほど”と思った捉え方があります。
・理子ちゃんがつけてる白い帽子(ホワイトブリム=メイドさんが作業の邪魔にならないために着けるものらしい)が『後ろ髪を引かれないために髪を隠している』みたいなことを表してるならすごいなぁ
・主人がいなくなり、誰にも仕える必要が無くなった主人公が、使用人としての今までの自分を否定するように自らを華やかに着飾ってみるも、愛する人のために尽くすことが自分なりの幸せだったのだと気づく。
ボロボロの使用人でいることは必ずしも惨めなことではなく、自分の意思でそれを望むのであればそれこそが幸せなのだと、本質的なことに気づかされる。
シンデレラストーリーだけが幸せの形ではないのだと。
最後にえんりこちゃんが背中を向けて歩き出すシーンは、きっと、“本質的なこと”に気づいた主人公からの『もう振り返らずに歩いていく』というメッセージ。
それは、彼女たち3期生一人ひとりの『独り立ち』をも表している、と感じるのは自分だけでしょうか。
[総括・あとがき]
ということで、櫻坂46 10th Single収録の3期生楽曲『本質的なこと』について、自分なりに考えてみましたが、如何だったでしょうか。
軽やかさ、切なさ、美しさ、儚さ、強さ、たくましさ。
サウンド、映像、パフォーマンスから、それら全てを感じさせてくれて、音源だけで聴くのとMVを見ながら聴くのとでは、また印象も変わる1曲。
『踊る』というよりも『舞う』と表す方がしっくりと来るパフォーマンスからは、かつての『五月雨よ』や『桜月』に通ずるものを感じます。
表題曲『I want tomorrow to come』などとはまた違う、もう一つの『櫻坂らしさ』が大好きな身としては、そのDNAがこうして3期生楽曲にも受け継がれたことが嬉しいのと同時に、本質的な愛情、やさしさについて改めて考えさせられるなあ…と思う作品でした。
推しではなくとも特別な、えんりこちゃんのセンター。
Buddiesにとっても、3期生にとっても大切な楽曲・作品が、これからも末永く愛されるものでありますように。
~追伸~
今回の10th Singleは、表題曲を山下瞳月ちゃんが、BACKS曲センターを村井優ちゃんが、3期曲センターをえんりこちゃんが務めています。
3人とも、3期生ドキュメンタリーでは特に印象的だったメンバーです。
『本質的なこと』のアウトロからは、壮大なエンディング感も感じましたが、この10枚目という節目のタイミングで、3人がセンターを務めることは、ドキュメンタリーから続く3期生の軌跡における“一つの大きな節目”にもなるのかな、なんて思いました。
では、長文となりましたが今回はここまで。
~お読みいただき、ありがとうございました。 多摩川車庫前、終点でございます。 ~
[お乗り換えのご案内]