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部下の強みを育てるべきか?弱みを正すべきか?

前回は強みを組み合わせてチームでコラボレーションすることについてお伝えしました。

一方で改善が必要な領域はどう考えたら良いのでしょう?


部下のできてない箇所を指摘し、改善を促すことも管理職にとっては必要だと思えます。どう考えるのが良いのでしょうか?今回は「弱み」についての取り扱いについて考えていきたいと思います。


管理職は部下の強みを育てるべきか?弱みを正すべきか?


前回もお伝えしましたが、脳科学的にはすでにニューロンとシナプスの結合が多い部分は、そうでない部分より結合の増加ペースが速いことがわかっています。つまり脳は最も強い部分こそが一番成長しやすいといえます。


脳科学者のジョゼフ・ルドゥーは「脳の成長は新しい枝が増えるというよりすでにある枝に新しい蕾がつくようなもの」といいます。


つまり、「弱みの改善こそが成長」と言う考え方は、最も合理的に聞こえますが、現実的には非常に非合理で非効率な選択といえます。学習と成長の余地が最も大きく、スピードも速いのは強みに関することを強化することです。


弱みにエサを与えてもニューロンとシナプスの結合は弱いまま成長しません。脳の配線が変わらない限り、その考え方やスキルは定着することはありません。


以上より、弱みや嫌いなことは、むしろ機会さえあればやめてしまったり、誰かに任せたほうが合理的と言えます。


強みの研究の第一人者、マーカス・バッキンガムは「文法を正してた所で、文章が美しい詩に変わるわけではない、同様に弱みを正しても卓越性に変わることはない」といっています。


つまり、強みこそが一番効率的かつ効果的な成長開発領域なのです。

弱みは放置すべきか?


では部下の弱みは放置すべきなのでしょうか?


いいえ、何でもかんでも放置は、仕事を進める上で現実的ではありません。程度によります。下の図で説明します。

強みは「帆」のようなものです。育てれば育てるほど大きく風をはらみ、船全体を力強く前進させてくれます。


一方で弱みは「穴」です。もしも空いた箇所に浸水しない状況であれば、強みで押し切って前進するのも良いでしょう。穴を塞ぐ時間があれば、帆を大きくすることに時間を使えばOKです。


しかし、この穴を放置すれば船を沈没させる恐れがあるとしたらどうでしょう?


船長としては絶対に見過ごすべきではありません。会社のカルチャーにもよりますが、一般的には毎日遅刻したり、提出物の期限を守らなかったり、挨拶しなかったり、などの事柄は放置すると仕事になりません。

あるいは常に相手を見下したり、攻撃したり、否定的だったり、人間関係を破壊するような言動を取るようであれば、それも仕事になりません。

「朝が苦手で…」「コミュニケーションが苦手で…」など、仮にそれが部下の弱みや苦手だったとしても、目標達成や役割分担の中で必須の業務であれば、一定の基準で仕上げてもらわないと困ります。


船を沈没させるなら、弱みだろうがなんだろうが、何がなんでもやってもらう必要があります。目標達成の必須業務や、会社やチームのルールは弱みや苦手の対象外として扱うことをリーダーはしっかり伝えるべきです。


もちろんチームで変わってあげられる人がいれば、変わってあげたりタスクの担当を入れ替えたりは検討する余地がありますが、基本的には自分でしてもらわないと困る業務に関しては指導や支援が必要です。


強みとタスクをフィットさせる

弱みは最低限頑張ってもらうとして、強みが人を成長させるなら、できる限り部下の強みにフィットした役割やタスクを与えてあげたいですよね。


実行に移すために、強みとタスクをフィットさせる1on1をお勧めします。手順は以下です。

1. まずは、部下に現在のタスクを洗い出してもらう
2. タスクに対する意欲を好き、嫌い、得意、苦手に分け上記のシートに分類
    してもらう
3. メンバーに分類した理由を聞き、適正と業務量を踏まえてタスクの割り振
 りを検討する(リーダーもタスクの提案をしても良いがやってみるかどうか
 は部下の判断に任せること)
4. 簡単にできるところから割り振りを変える(一気に全て変えなくても良い
    ので、まずは小さいことでも初めてみよう)
5. 後日、タスクをやってみての感想やフィット具合を必ず部下に確認する

1、2は一緒にやってもいいし、事前にやってきてもらってもいいです。3、4はチームで集まって共有してみても良いですね。理想は誰かの嫌い・苦手が誰かの好き・得意になっていればいいですが、100%うまくハマることはないので、


「絶対に希望通りのタスクを振れるかは約束できないこと」「苦手で嫌いな業務でも、誰かがやらないといけない業務は引き続きお願いすることもあること」はメンバーに理解してもらいましょう。


ただ、私の経験上、部下は自分の強みを話せることや、上司のあなたや周りのみんなが関心を寄せてくれていることをほぼ100%ポジティブに感じてくれるはずです。


楽しく有意義なチームビルディングの時間

チームの状態によっては大きなタスク割り振りの変更は難しいこともありますが、変更できる幅がたとえ小さかったとしても、「知ってもらえた」「聞いてもらえた」という喜びや、

今すぐは難しいけど、条件がこうなれば、こういったチャンスがあれば割り振りを検討するという可能性が見えるだけで部下のモチベーションが上がったり、チームの関係性が変わったりします。


以前紹介したクリフトン・ストレングス(旧ストレングス・ファインダー)も使えば、すごく楽しく有意義な時間になることをお約束します。

お互いに感じたことや、気づいたことをシェアしたり、相手の自覚してない強みを伝えてあげたりすると、大いに盛り上がりますよ!
ぜひ試してみて下さい!

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