私の座標
私はいま、どこにいて何をしているのか。
どこに向かって歩いているのか。
進んでいるのか止まっているのか。
完全なる迷子になってしまった。
進むことも止まっていることにも疲れてしまった。
鬱々としていた昔の嫌いだった自分にそっくりだ。
いつどの地点から道を外れてしまったのかさえ、もうわからない。
どうすれば身体に力が湧いてきて、どうすれば前向きに考える自分を許せて、どうすればポジティブな言葉が口から出てくるのか、すっかり忘れてしまった。
もっとはやく動きたいと考える頭に体が全然ついてきてくれない。
がむしゃらに頑張っていた仕事。毎月一位の成績で居たくて、一番で居続けたくて頑張っているということすら忘れるくらい夢中で頑張っていた。
それが当たり前の毎日を何年も続けてきた。周りをなくすほどに。
本当はもう疲れきっていた。苦しかった。
それがコロナ禍で強制的にストップがかかり、プツンと糸が切れてしまった。もう業界に戻りたくない。それでも前に進まなくてはと思うのだが、考えれば考えるほど体調は悪くなる。
私の光だった恋愛。失恋したのがきっかけでnoteを始めて、なんだかんだと言ってもいつものようにそのうちに好きだった人も忘れて、その人の居ない毎日が普通になっていくものだと思っていた。
このままではいけない、と何人かの男性と食事をしてみたり、敬遠していたマッチングングアプリにも手を出して新しい胸の高鳴りを探してみたりもした。こんなふうに積極的に出会いを探したのは生まれて初めてだった。
そう簡単にはいかないもので、恋愛的な意味で心が動かされる人には出会えなかった。行動したということについては自分を褒めてやりたいと思う。
しかしいまだにSさんは私の心に棲みついていて、ふとした瞬間に恋しくて仕方なくなってしまう。こちらもまだ少し時間がかかりそうだ。
誰にも言えないからここに脈絡無視で言う。大好きだ。ほんと大好きだ。
湧き上がってくる孤独感。友人と出かけたり食事したり電話したり。仕事したり勉強したり、趣味など自分のための時間を過ごしたり家族との時間を噛み締めたり。
それでも家でひとりになったときや、眠れない長い夜、窓の外から聞こえてくる他所の家族の生活の声に自分だけがこの世界から放り出されたような気持ちになる。
この寂しさにはいつか終わりが来る。そう信じて前に進もうとしても、どこが前なのか分からないのだ。