人事の姉が、弟のキャリア面談をしたら「全く知らない一面」が出てきたという話。
人事を始めて、1年もすぎ、ありがたいことにたくさんのキャリア面談や、カジュアル面談をさせていただいていますが、
今回は極めて私的なキャリア面談である、わたしの3歳年下の弟との面談の話を記録しておこうと思います。
目次
・私が思っていた弟の像
・実際にこれまでの人生をヒアリングしたら
・家族だからって全部分かるなんて、幻想
・赤の他人はもっとそうなんだから、対話って大事よね
私が思っていた弟の像
まず、私が弟のことをどんなやつだったのか、思っていたのかをご紹介しますと、いい子でいたかった私とは、『正反対な弟』というのが学生時代の弟への印象で、これまでずっとその認識でした。
前提として、我が家のカルチャーを紹介しておくと、
父は、地元静岡で教師をしており、「先生の子供なんだからと言われるから」と小さい頃に言われて育ちました。小さな頃は、父の方針が強い家だったので、模範的・常識的であるべき、規律を重んじる家でした。弟が3年生のときに両親が再婚し、血がつながらない家族ができました。この経験はわたし含め、弟の価値観にも大きく結びつくことに。
さて、そんな家で育ってきた弟ですが、わたしの目から見た弟は、
小学校時代には、修学旅行で友達にお金を借りてお父さんから怒鳴られ、
同級生と揉めて母が学校に呼び出されるなんてことも頻繁で、問題児というイメージ。
中学校に入っても、せっかく入った野球部も半年くらいでやめてしまい、
勉強をしているのに高校受験では第一志望の公立に届く成績にもならない。
高校時代にもアコギ部に入っても半年でやめ、なんにも続かないし、親や再婚した兄とは言い合いの喧嘩の末、家出騒動(近所の川に)を起こすし、努力とは無縁だし、人とうまくやっていくことも出来ない子なんだと思っていました。
今思えば、当時のわたしの当たり前は両親の価値観が大きく影響していて、「問題児」という両親の発言によるフィルターがあったのかもしれません。
とはいえ人間的に根が曲がったやつではないので、その部分には言及せず、
当時大好きだったAKBの話で盛り上がったり一緒にフリを覚えたりする仲の良い兄弟でした。というより、事実以上に怒られすぎる弟が、可哀想で、家族で一人くらいは味方でいてあげなきゃという義務感の方が強かったかもしれません。
実際にこれまでの人生をヒアリングをしたら
今回、彼が初めてきちんとした転職活動を始めたいと相談をくれたので、これまでの人生史をヒアリングしてみることに。
姉「人生で一番後悔していることは?」
弟「中学校で”野球”をやめちゃったこと」
姉「え?!(あれ後悔してたんだ‥)」
悪びれもなく辞めたと思っていたことが、彼にとって一番後悔していたことであったことが衝撃でした。
詳しく聴くと、中学の部活を半年経たずに辞めた原因は、部活の中でハブられていてキャッチボールするにも相手がいなかったこと、練習以外でもコミュニケーションがうまくとってもらえなかったことがあり、耐えられなくて辞めてしまったとのこと。
でも両親にはまさかそんなことがあったなんて話せなくて隠していたんだそうです。たしかに当時、理由は言わずに怒られていた記憶はありました。
その他にも、小学校時代から遡って話を聞いていけば、彼の行動の裏には全部本人の考え方があることばかりで、いい加減に見えていた部分も、話していないから人からしたら分からないということが多かったと気がつきました。
話しているうちに、はじめに思っていたいい加減なやつという印象はなくなりました。
家族だから全部分かるなんて、幻想
家族だったらなんでも知っているよ、小さい頃から知っているもの。
という言葉をよく聞きますが、今回の面談を通じて、わたしは弟のことを何も知らなかったんだなと思いました。
家族で一番仲がよくて、一番連絡も取っているのに、です。
それは、「なぜ」「どうしてそう思うの?」という面談ではいつも取っている価値観を問うようなコミュニケーションや、起きたことに対してどう考えたのかを深く話し合うコミュニケーションが、うちの家族にはなかったからかなと思っています。(もちろんうちの弟が自己開示できてないという問題もありましたが、、)
人はいろんな経験を積むうちに、勝手に外すことが難しい色眼鏡をかけてしまっていることがあり、それは家族であっても同じで、全部を話して理解しない限りは事実は一生伝わらないままかもしれません。
解釈は、ダメ絶対!
なにが言いたいって、面談を繰り返していると、
つい、こういう価値観の人はこうかもしれないというフィルターがかかってしまうことは
採用や人事に係る人はあると思います。
けど本当にそうなのかな?と疑い、気がしれている人であっても決めつけることなく、対話するのが大事だのだということです。
家族とのコミュニケーションに悩む人も、ぜひどんなことがあって、そのときどうしてその子がそう感じたのか深堀すると今まで見えてなかった部分が分かると思うので、ぜひ一度話し合ってみてほしいです。
きっとうちだけではなくて、いろんな関係性のコミュニケーションの間でよくある話だと思います。
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