シャニマスのコミュ全部読む【Part19】
はじめに
ノクチルGRADとか、イルミネLanding Pointとか、読むものがめちゃめちゃ多くて凄くないですか最近?それでいてライブとかもあるからかなりシャニマス漬けという感じで嬉しいです。
その辺読んでるならそれ書けば?という話はあるんですが、美琴とかにちかのWINGは読んでもよく分かんない部分があったり、納得いかない部分があったりしたからこそ文章が書けたっていうのはあって、読んでそのまま納得だな、っていう感じのものは文章書くのやっぱ難しいです。そこから時間置くと積み重ねで何か言えたりはするんですが。
概要
・全カードのコミュを少しずつ読んでいく。
※ただし自分の持っているカードに限る。
・コミュを見て感想を書く。ある程度まとまったらnoteにアップする。
※多い、少ない、正しい、間違ってるは気にしない。思ったことを書く。
・絞込み機能の「リリース順」「昇順」を使い、サポート→プロデュースの順番で見ていく。
※ただし【283プロのヒナ】など同時実装のカードは適宜ユニット順序を整理して読む。
・文中ではカード名を【ほわっとスマイル】のように【】で、共通コミュやイベントタイトル、セリフや公式プロフィールからの引用は「ほわほわアイドル」のように「」で、イベントシナリオについては『Light up the illumination』のように『』で表記する。
この企画の記事は下記リンクのマガジンにまとめているので、最初から読みたい方はこちらから読んでいただけると嬉しいです!
今回見たカード
・【バッドガールの羽ばたき】西条樹里
・【想ひいろは】杜野凛世
・【ストイックトレーニング】有栖川夏葉
【バッドガールの羽ばたき】西条樹里
キューティー・バッドガール?
「樹里が色んな服を着て、色んな表情を引き出せば
アイドルとしての魅力にも繋がる」
「それに魅力を引き出すのも、プロデューサーの務めなんだ」
「だから、付いてきてもらうぞ」
素直になれない樹里の背中を押すプロデューサー、ちょっと他にないくらいのパワープレイ。プロデューサーさん、樹里には割と気安いというかぐいぐい来ますね。ただここの樹里って果穂の服探そうとしてただけなので、樹里が「そんなんじゃねえ」という通り、プロデューサーの早とちりです。
「...この前、果穂が
『大人っぽい服を着てみたい』って言ってたんだよ」
「だから果穂に似合いそうな、可愛いけど
ちょっと大人っぽい服を探してたんだ」
もうシンプルにグッドガールなんだよな。プロデューサーが「遠慮なく言えよ」とかいうのも珍しい言葉遣いですね。ラストの「いいかも、な」とか大分肩を預けてくれてる感があって良い。
マイ・スタイル
「...ファンレター開けるたびに、思うことがあるんだ」
「アタシのことを好きって言ってくれる人が、
本当にいるんだなって」
「ちゃんとアイドルに近づけてる実感があるっつーか」
樹里って意外と物思いにふけるタイプですよね。それだけファンのことをしっかり考えてくれるアイドルでもあって、推しがいがありそうです。
仕事で必要なら、やらなくちゃいけない
「ここまでアイドルやってきたんだ、半端な気持ちでやってるわけねー!」
「その気持ちがあれば、どんな仕事でもやっていけるさ」
「そ、そうかな?」
「いや、そうだな。アンタの言うとおりだ!」
非常にキレイな流れだった。プロデューサ―が「その気持ちがあれば、どんな仕事でもやっていける」とか言いながら樹里にメイド服渡してるの想像するとちょっとおもしろい。
樹里には、樹里らしさがあるよ
「ファンのみんなは、樹里の見た目だけじゃなくて、
樹里そのものに惚れてるんだ」
「アタシ...そのものに?」
「ああ、つまりファンのみんなは、
樹里のこと全部合わせて好きってことだ」
「だから、ボーイッシュな樹里も、
キュートな樹里も好きになってくれてるんだろ?」
あ~、この選択肢好き。樹里が可愛い衣装を着てるから好きなんじゃなくて、樹里が樹里だから好きなんですよね。『Star n by dew me』でのめぐるにも通じるところがあります。
アイデンティティの承認っていうのは、アイドルマスター、さらに言えばギャルゲー全般において頻出の概念ではあるんですが、シャニマスはその中でも行動への承認と存在への承認が描き分けられていて、丁寧さを感じます。
本当にそれでいいのか?
「でも似合ってなかったら、ファンから
「キュートな衣装の樹里も好き」なんて言われないだろ?」
「それに、似合ってない衣装を、
俺がアイドルに着せるわけがないだろ?」
「わ、わーったよ!
これからもいっぱい、可愛い衣装着てやるって!」
トラディッショナルな褒め殺しですね。自分に可愛いのが似合うと信じられなくても、樹里には可愛いのが似合うと信じているファンやプロデューサーのことは信じられる、グレンラガン的な精神。
サムデイ・マイ・ハート...
「ちょっ...き、急にこっちくるな!」
「おっ、前に撮った宣材写真じゃないか」
プロデューサー、樹里の照れ隠しを全く意に介さないやん。初期のカードながら照れたり、ふてくされたり、そこから自然なテンションに戻って話し始めたり、声の演技の幅が広く聴いてて楽しいですね。
「...言い訳になるかもしれねーけどさ、
家族以外で男と接することがあんまなかったんだ」
「アイドルっていうのに不安があったのも確かなんだけど、
アンタともどうしたらいいのか、わかんなくて...」
ちょっと意外というか、女子校という訳でも無さそうですし、スポーツも得意な樹里なら男子の友達が出来てもおかしくはなさそうですが、見た目などから敬遠されてしまっていたのでしょうか。
「だから...ア、アタシのことを、その...」
「全部、知って欲ーー」
「...だーっ!やっぱやめだ!」
大声でごまかしてますがかなりキワドいこと言ってますね...。正直この辺は今はもうちょい落ち着いた関係になってることもあって、ちょっと判断し辛いですね。
[変化]いろんなアタシ
衣装名:ロッキンバッドガール
特別この衣装についての感想ではないんですが、樹里はどの衣装でもほぼ確実に何かしらのブレスレットを着けているという特徴があります。左手にブレスレットを着けるのは、【アイドルロード】などで確認できるミサンガ(この辺はまた【オフデーゲーム】とかで触れたい)の名残でしょうし、右手の場合は【意地っ張りサンセット】で確認できるリストバンドなどを運動時に着けていたことの名残かな、と思います。それらが当たり前になるくらい、バスケに打ち込んでいたということが読み取れそうです。
【想ひいろは】杜野凛世
想いぬれど
日本家屋での撮影中、急な打ち合わせが入ったプロデューサーを待機する凛世。緑色の庭園がバックにあることで、朱色の着物と凛世の赤い瞳が映えるのは補色ってやつですかね。
髪飾りになっている花は多分ホトトギスですかね。花言葉は「永遠にあなたのもの」「秘めた意志」。さり気ないアピールに余念がない。【アイドルロード】や【283プロのヒナ】の際もホトトギスの髪飾りを付けていることからも、単なる偶然ではなくプロデューサーに想いが伝わればいいな、という意思が込められていると見ていいでしょう。
「...はっ、すまん!思わず見とれてしまった」
「ええ... 素晴らしい、お庭でございますね...」
凛世がぬか喜びしちゃう、みたいな方向性をいつも見てるので、こっちの方向性のすれ違いは結構珍しい気がします。あとプロデューサーがいつになく軽率。
智代子から借りた少女漫画を読んでいる凛世ですが、撮影場所に漫画9冊も持ち込んでるのストロングスタイルすぎないか?
「貴方さまと、永遠に、添い遂げたいのです...」
(あ、ああ! さっきの少女漫画の台詞か! びっくりした...)
「こ、こほん、緊張はしていないようだな...それじゃあ頑張ろう、凛世!」
「...はい、プロデューサーさま」
「...はい...」
こういうディスコミュニケーションは定型的なラブコメではあるんですが、こういう互いの不理解(プロデューサーは「凛世が漫画の台詞を言ったと思っている」という自分の理解を凛世に伝えることが出来ていない)をきちんと描いてるからこそ、もっとお互い気持ちを伝えあっていくというその後の展開が生きる訳で、やりたいことのための不可欠なステップなのかなという気はします。
最後の凛世の「...はい...」は微笑みの後に改めて返事をする、という感じの演技であり、プロデューサーの不理解を理解した上で「伝わらなかったけど一歩踏み出せた」ということへの喜びなのか、「頑張ろう」と言われたことで「伝わらなかったけどアイドルとプロデューサーという強い関係は残っている」ことへの安心とか素朴な嬉しさなのか、ちょっとあんまり判断付かないです。プロデューサーの不理解への不理解、つまり「伝わった」と思ってるのならかなりのホラーではあります。
「いえ...凛世は、幸せでございます...」
「本日は...ずっと、ご一緒できましたので...」
どうやら2つ目の感じですね。一緒にいられるだけで満足という、凛世のこの欲の浅さは、何か諦めのようなものも感じさせます。ここには8歳の頃にお姉さんが遠方の家に嫁いで行ってしまった、という経験が影を落としている部分もあると思っていて、「自分の気持ちとは関係なく、自分の大切な人がどこかに行ってしまう」という経験が、凛世に高望みをさせないのではないでしょうか。
「もっと理解し合いたい、もっと近づきたい」という気持ちと「今のままで十分」「好きな人と一緒にいられるだけで幸運」という、過去の喪失から来る現状を保ちたい気持ちとの葛藤。そういうせめぎ合いが凛世の中にはあるのかもしれません。
雨宿り
「――くしゅん」
(中略)
「いえ...プロデューサーさまに、ご迷惑はかけられません」
くしゃみ助かる。
「プロデューサーに迷惑はかけられない」っていう台詞は凛世がよく言う印象があるんですが、ここもお姉さんとのことが絡んでくると思ってます。お姉さんが嫁いでしまった後、「凛世がもっと良い子だったら」「凛世が迷惑かけるようなことがなければ」とか幼い子だと考えちゃうと思うんですよね。そういう感覚が未だに残っていて、特に好きな人に対して迷惑をかけることを忌避するっていうのもあると思います。
...なんか、誰もいないな
「凛世と、プロデューサーさまが、
この世にふたりきりになったようで...素敵です」
(中略)
「そうか?じゃあ、このあいだ読んだ漫画の話なんだが...」
「...ふふ」
素敵なのはお前の感性定期。お姉さんとのことは凛世に影を落としつつも、こういう他愛もないひと時を本当に大切に出来るという凛世の魅力の一つにもなっているわけで、思い出とは「悲しい」とか「嬉しい」とかよりももっと重層的な想いが積み重なったもの、というのは灯織のLPでも扱われたところですね。
やっぱり上着を貸そうか?
「凛世も、プロデューサーさまにお風邪をひいてほしくないのです...」
(...そうか。凛世も俺を心配してくれていたのか)
プロデューサーは凛世の言葉を「遠慮」から来るものだと思っていたけれど、プロデューサーへの「心配」から来るものだったことに気付く、こういう気付きは王道ながら良いですね。
「凛世は、何も...」
「いや、なんていうか、
凛世の言葉で、体もあたたまったって感じがするよ」
(中略)
「それに、凛世も...」
「とてもあたたかいのです、プロデューサーさま」
ここのやり取り、お互いの気持ちをお互いが受け取れた、分かり合えたという感じがしてとても好き...。凛世はこういう素朴なことばで気持ちを伝えてくれるのがグッと来ます。
早く晴れてほしいよな
「...プロデューサーさまは、そうなのですね...」
「そりゃ、凛世に風邪をひかせたくないしな
凛世は、晴れてほしくないのか?」
「やっぱり上着を貸そうか?」と比べて地獄のような不理解。(...凛世は雨が好きなのかな?)じゃないんだわ。凛世は「早く晴れてほしい」という言葉から「一緒にいたくない」という間違ったメッセージを読み取ってしまっています。
二人ともお互いを慮っているのは確かなのですが、ちょっとした言葉のチョイスでこうした誤解が生まれてしまう。『青のReflection』にも近いテーマだと思うのですが、想いを「どう伝えるか」が大切というのはありますね。
この選択肢による結果の違いは、「思ってるだけで相手に伝わるなんてことはない」というクールな態度と、「だから自分の気持ちをどう伝えるか、ちゃんと考えないといけない」というテーマを一貫してやっている、ということの一つの証左になってると思います。
これからのふたり
「凛世が、こうしたいのです... 今、お茶を、お持ちいたします」
「いや、そんなこと頼めないよ... でも、気持ちはありがとうな」
んあ~~~。微妙にモヤるところです。【われにかへれ】でやることではあるので、今全部書くことでもないんですが。「アイドルがやりたいことを応援する」というのがプロデューサーのスタンスですが、「やりたいこと」の中にプロデューサー自身が関係してくると普通にスタンスと矛盾したこと言い出すっていう特徴はありますね。
ここはプロデューサーの自己評価の低さや、先入観が影響するんでしょうが、かなり完璧なプロデューサーの自己評価が異常に低いの、そろそろプロデューサーメインのシナリオイベント見ないと納得いかん部分がある。
[らうたし、凛世]想い一葉
衣装名:ルリイロフレア
髪飾りはネモフィラですね。ネモフィラは瑠璃唐草とも表記されるので、「ルリイロ」というのは衣装の色と花の名前をかけているのでしょう。また、ネモフィラの花言葉は「可憐」であり、思い出アピールのらうたし、というのも「かわいらしい」という意味なので、ネモフィラから二つ意味がかかってるんですね。
想い一葉というのは「これからのふたり」で凛世が家族に送った葉書のことと思われます。とすると、[らうたし、凛世]というのは凛世の可愛さの客観的評価というよりは、凛世のご家族から凛世への気持ち――可愛い凛世がアイドルをやるなんて心配――を表しているものと言えそうです。
【ストイックトレーニング】有栖川夏葉
一石二鳥
「...夏葉?鉄アレイ片手に勉強とは、驚いたよ...」
「あら、プロデューサー 別に不思議なことでもないでしょう?」
かの有名なダンベル君主論。どのタイミングでノート書くのかがあんま分かんないな。背景に緑を置いて髪色と対比させるのは【想ひいろは】と同じく補色を使って夏葉を際立たせるような意図でしょうか。
夏葉は「トップになるためには誰よりも努力しないといけない」「このくらいは当然」というストイックさと、子供のような純粋さ、そしてプロデューサーに見せる年相応の弱い部分と色んな面を併せ持っていますが、シャニマスが夏葉を描くにあたって、それぞれの面を描くバランス感覚が上手いと思います。ダンベル君主論もキャラの統一性を守る上でギリギリ範囲内(もしくはギリギリ範囲外)の辺りに抑えていて、これを超えるクレイジーさを見せるようなコミュは無いですし。
息抜きショッピング
夏葉が楽しそうでよかった
「誰かとするショッピングというのも、いいものね」
「また、時間ができたら... 今日みたいに付き合ってくれるかしら?」
「誰かとする~」という台詞は軽く違和感はあって、智代子の【283プロのヒナ】では学校帰り、友人とテーマパークに遊びに行く夏葉の思い出が語られますし、夏葉がアイドルを目指すのも「友人の誘いで見たアイドルのライブのスケール感に衝撃を受けた」ことがきっかけです(ファーストガイドブックより)。要は自分の鍛錬のために友人付き合いをないがしろにするタイプではないので、友人とショッピングしててもおかしくはないんだけどな、という違和感です。
自分なりに理解するなら、「自分に似合うものぐらい、見たらすぐにわかる」「時間は有限なんだから早く次の店にいきましょう」という夏葉のショッピングのスタイルが、あんまり友人たちとペースが合わなかったのだろうと思います。ただ、夏葉って別に友人たちにペースを合わせることとか出来そうだし、やっぱ謎。
俺は何もしてないよ
「帰ってもよかったのに、付き合ってくれた」というのは直前の選択肢でもあった台詞で、それだけ夏葉が感謝を感じてるということですかね。
「プロデューサーがいたから、自分の判断だけじゃなく
客観的な意見も聞くことができたのよ」
会話見た限りあんまプロデューサーの意見を意に介してないように見えたんですが、採用するかどうかは別として参考にはなってたんですね。自覚があるかは分からないですが、自分が感じたことをきちんと相手に伝えられるというのも夏葉の大きな強みです。
息抜きになったか?
「役に立てたならよかった 今日買ってたもの、夏葉によく似合ってたぞ」
「と、当然よ 自分に何が似合うかなんてわかりきってるもの」
褒められて照れる夏葉はなかなか貴重な気がします。かわいい。
さらなる高みに
「本当に、感謝してるわ」
「アナタがいたから―― 今の私があるって言っても、過言じゃないのよ」
「お、おお...」
夏葉が素直に感謝の言葉を言うことにプロデューサーは意外さを感じてて、それに対して夏葉も「私だってお礼ぐらい言うわよ」と返してます。今の印象から見るとこのやりとり自体が意外というか、「息抜きになったか?」でも褒められたら普通に「ありがとう」とか言うかなと思ってたくらい、素直に思ってること言える子、という印象を持っていたのですが、これは時期的にもうちょい後のコミュを特に読んでるからのような気がします。
最初期とはちょっと違ってきてて、意地っ張りな部分が少しずつ丸くなってきている、という流れっぽいので、この辺は注視しようと思います。
[息抜き]それだけじゃないわよ
衣装名:グリッターバブリー
グリッターは「キラキラ輝く」みたいな感じ。宝石や毛皮のイメージから言っても、かなりSHHisに近いテーマの衣装ですね。SHHisの衣装は「ゴージャス」くらいのイメージで見てたんですが、この衣装で「バブリー」と名付けられているように「一時代前の」というようなイメージも表現してるのかもしれません。
そうすると、SHHisは一時代前にあったようなイメージを、前と違ったかたちで「やり直す」ことを意図したユニットということになり、自分の中で整合性が一個足されたような感覚があります。
おわりに
次回アルストをやると初期実装分がPS共に終わるのでなかなかの達成感があります。シャニマスはPS合わせると476枚のカードがある(!)ので、今回までで大体その一割ぐらいの感想を書いた計算になります。まだ一割なのか一割行けてれば結構やってるのかはあんま分かりませんが、楽しみながらやっていきたいと思います。
次回は
・【似合うかな?】大崎甘奈
・【秘密のだらだらタイム】大崎甜花
・【マイフェイバリット】桑山千雪
です。