第8話⑤犬のレプトスピラに対するワクチン、どのように接種したらよいの?

 あなたの愛犬のために、過剰なワクチン接種を避けてもらうことが
この note の目的です。
レプトスピラは皆さんご存知のように人にも感染する病原体。だから犬の予防をしっかりしましょうというもの。果たして全頭接種は正しいのでしょうか?

 レプトスピラは多くの場合ネズミが保菌動物であり、尿と一緒に排泄されると水の中で長期間生存します。そのため感染は、山・川・湖、田んぼや畑など水と接触する機会のある場所で起こりえます。愛犬をそのような場所に連れて行くことがなければ、感染の機会はほぼ無くなりますので、接種の必要性はないのかなと考えられます。またレプトスピラの抗体は半年から1年以内に速やかに消失するため抗体検査は意味がなく、もし接種するのであればお出かけ時期が近くなってから済ませましょう。

 さて、ネズミが保菌動物と聞くと、都市部は大丈夫なのか!?と気になる方もいらっしゃると思います。数年前には渋谷駅近くのコンビニ内で多数のネズミが商品を食べ散らかす動画がニュースになっていました。レプトスピラは大丈夫なのでしょうか。
 都心部の感染リスクに関しては、現状大丈夫と申し上げることができます。その理由は農林水産省のホームページに公表されている『監視伝染病発生状況』をみると分かります。レプトスピラは『届出伝染病』に指定されていて、感染が特定あるいは感染の疑いがあれば役所に届け出ることが義務付けられています。そして届けられた情報は県別にまとめて公表されています。しかも毎月毎の発生状況が分かるのです。
 お住まいの地域はどうなのか?ぜひ参考にしていただいて、果たして自分の愛犬が接種の必要があるのかどうかしっかりと考え、かかりつけの獣医師と相談してみてください。

次回はレプトスピラの国内で利用できるワクチンについて詳しくお話します

様々な届出伝染病の発生状況が農林水産省のホームページで確認できます。(一部抜粋)

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