第8話③犬にとって抗体検査が有効なウイルスとは?

抗体検査が有効なウイルスは特にジステンパー、パルボ、アデノという3種類です。その他の病原体に対する抗体を測定しても、その量(いわゆる抗体価)と防御力との関連がハッキリと分かっておらず、検査する意味はほとんどありません。
また、アデノウイルスには致死率の高い伝染性肝炎を発症させる1型と風邪様の症状となる2型がありますが、アデノウイルス抗体は1型も2型もどちらも防御してくれます。ということから、実際には抗体検査が有効なウイルスは4種ということになります。

さて、よく耳にする「5種混合ワクチン」や「6種混合ワクチン」、それ以上に多種類の病原体情報を含むワクチン、人にも感染する人獣共通感染症レプトスピラ、これらについてどのように考えて接種することが愛犬のためになるのでしょうか?

続きは次回にお話します。

※補足:海外渡航の際は、出入国時に狂犬病抗体価を測定していなければいけませんが、日本の法律では『すべての飼い犬は接種しなければならない』と義務付けられており、抗体検査は法律上規定されておりませんので、検査したとしても接種はしなければなりません。またそもそも国内検査機関での検査能力では、1年かけても国内の犬を全頭検査することは不可能です。現状では毎年の接種が義務づけられているというものです。


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