学びのつぶやきプロジェクト #2
どうも、主任やまもです。
幼稚園教諭をしたり、大学で講義をしたり、主任やまもの園内研究室を運営したりしています。
「学びのつぶやきプロジェクト」というのをゆるゆると進めております。新任の保育者や実習生に伝えたい言葉をツイートから探していく企画です。
最終的に冊子になればいいなと思っています。
学びのつぶやき解説
本日のつぶやきはこちら。
「切り替え」について解説します。その中の大きなテーマが「切り替えるか、そのまま寄り添うか」だと思うので、そのあたりも語ります。
まずはツイートをもう一度読んでみます。
「切り替えよりも、気持ちに寄り添うことが大切だと思います」
子どもへの優しさをとても感じます。
現場を見ていると、切り替えることに一生懸命な姿を見かけることがあります。おそらく泣いている状態を解決したいのだと思います。
ここが考え方の分岐点ですね。
「泣き止ませることを優先するかどうか」です。
あなたはどう思いますか?
泣き止ませることを優先させたいと考えた時に、一番の策は気持ちを切り替えることです。ツイートにある遊びやおもちゃの提供ですね。(カッコ書きにしておきますが「泣かないの」や「泣くのをやめなさい」という言葉もありますね。私は不安や悲しみで泣いている子どもには使いません。)
一方、泣き止むことを急がない場合は、気持ちに寄り添う心の余裕(余白)ができます。「寂しいね、不安だね」という言葉をかけられるということです。
あなたはどちらを選びますか?
ちなみにもう一つ説明を加えます。泣き止むまでの時間です。
「泣き止ませる考え方」と「気持ちに寄り添う考え方」で、子どもが泣き止むまでにどのくらい差があると思いますか?
統計があるわけではなく私の経験ですが、泣き止むまでの時間に差はありません。
これ、面白くないですか?
泣き止ませようと大人が思ってあれこれやっても(もしくは泣くのをやめてと言っても)、泣き止ませようとしなくても、結果は同じなのです。
では、結果が同じだとしてあなたは子どもの気持ちに寄り添いますか?寄り添いませんか?
…ちょっと聞き方がずるくなってきました。すみません。
共感的な関わり
子どもに”寄り添う”という態度についてキーワードを挙げてみると、「共感、傾聴、うなずき」あたりでしょうか。
この態度は泣いている子どもに限らず、すべての子どもに対して有効であり、大切であり、基本だと私は考えています。
寄り添う態度をより現実的で実践的な言葉にすると、「そうなんだ、なるほど、さすが、○○だね(子どもの気持ちの代弁)、わかるわかる、おうむ返し」などです。私が多用している言葉たちです。
私たち保育者や大人が、子どもと一緒にいる時にできることは色々あります。指導や指示や命令、共感に放置、注意、否定…いろいろです。場面によって使い分ける必要はありますが、普段は共感に合わせておくべきです。
例えば、遊んでいる子どもに対して「これはこうやった方がいいよ」「次はこうしなさい」と保育者が言うと、子どものためになりません。子どもが考えることを楽しめなくなるからです。
ただ、遊びが発展したり、見栄えが良くなったりする可能性があるので、厄介です。成功することや失敗することを遊びのゴールにすると、指示や命令はうまくいく手段です。
ですが、やはりそうではありません。私は子どもが自分なりに考えることをたくさんさせたいです。
その時に、共感です。「ほうほう。それでそれで?あー!なるほど!」と子どもに山ほど喋らせて、考えを言語化させて、受け止める。これがいい。
まとめ
遊びの時間の共感の話に逸れましたが、生活時間の子どもへの共感はやはり大事です。切り替えよりも受け止め。覚えておいて損はないと思います。
おまけに、切り替えを助けた方が良い場面も説明します。
それは、子どもが気持ちを切り替えられなくて困っている時です。
支援児に多いと思いますが、思い通りにいかなくて気持ちが崩れる場面があります。怒ったり泣いたりしますね。そんな時は、共感もしながら切り替えられるように手助けをします。
なぜなら、その子の子は「自分で気持ちを切り替えたいけれど、それができなくて困っている」状態だからです。
健常児の多くは自分で自分自身を「我慢」や「納得」させて感情や行動を調整しますが、子どもによってはまだ難しいことがあります。
そんな時に共感されても、子どもは「わかってくれた」とは思いません。おそらく「どうにかして気持ちを切り替えさせてくれ!」と心が叫んでいます。
なので、そういう時は共感や我慢や納得の代わりに、気持ちを切り替えられる視点や言葉をかけるようにしています。
「昨日の○○のテレビ見た?」
「さっき遊んでた○○って誰が作ったの?」
「あ、飛行機飛んでる」
処理できない感情や状況から頭を切り替えてもらいます。
賛同しなくてもご理解いただけると嬉しいです。
ではでは。
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