「爪切り屋さん」が目指すもの
1月の半ばも過ぎましたが、遅ればせながら…
新年あけましておめでとうございます。
新年早々、悲しい出来事が続いています。
被災された方々には心からお見舞い申し上げるとともに、復興に尽力されている皆様には安全に留意されご活躍されることをお祈りいたします。
今回の災害の出来事を受け、私自身も多くのことを見つめることができました。
今、私に出来ることは何なのか。
そして、今回の災害から何を学び、どう次に繋げていくのか。
◉爪切り屋さんが目指すもの
突然ですが、「爪切り屋さん」の目指す先は「地域の繋がりをつくること」です。
なんのこっちゃ?( ˙-˙ )
爪切り屋さんがなぜ、地域のつながりを??( ˙-˙ )
と思う方は少なくはないと思います。
爪切り屋さんのパンフレットは、このように記しています。
◉爪切り屋さんの出発点
「爪切り屋さん」は2023年8月より、「別府温泉×フットケア事業」として、別府温泉のスペースを活用して、
・足の爪切り
・タコ・魚の目ケア を行っています。
私がこの活動をするきっかけはこちらに書いてます。
◉「地域の繋がりの必要性」について考えたきっかけ
みなさんご存知の通り、私は大分県別府市出身です。
大学進学と共に、別府市を離れ大分市に移り、そして就職で福岡に転居し約8年間過ごしました。
2022年2月に足に関わる知識・技術を深めるために東京に拠点を移すことを決めたのですが、その引越し前に一時別府に帰省。
…ふと、気付くわけです。
住み慣れた地域を歩いても「高齢者しか居ないこと」に。
約12年間、別府市から離れて暮らしていたため、12年前まで過ごしていた地域と違った景色に驚きました。
もちろん、平日の昼下がりだったから、多くの若者世代が仕事や学校に行っていたからかもしれません。
私が歩いた日にたまたま見かけなかっただけかもしれません。
しかし、別府市の小学校や中学校、そして高校まで、多くの学校が閉鎖・合併している状況。つまり、少子高齢化が加速しているのです。
2025年の別府市の高齢化率は34.2%に上昇します(2.9人に1人が65歳以上)。
そして、私の住んでいるエリアの高齢化率は別府市内でもワースト1,2位を争うほどなのです( ; ; )
少子高齢化、核家族化が進み、独居(1人暮らし)の高齢者も年々増えてきています。
また、日本は長寿大国が故に認知症高齢者も増えてきています。
認知症が深くなること自体は、長生きの証拠でもあり、歳を重ねていく上では致し方ないことです。しかし地域の過疎化に伴い、助け合う関係性が高齢者同士になっている現状もあります。
では、何が問題なのか?
◉認知症高齢者の行方不明者数が増えている
みなさんご存知でしょうか?
認知症での行方不明者数は、全国で年間1万8,709人です(2022年)。
参考:警察庁生活安全局人身安全・少年課「令和4年における行方不明者の状況」https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/fumei/R04yukuefumeisha.pdf
10年間で2倍以上も増えている状況です。
少子高齢化が進む中、一人暮らしの高齢者が多い中、誰がその方の安否を確認するのでしょうか。
地域包括支援センターをはじめ、地域で生活している高齢者支援を行っている機関はありますが、全ての方の把握は現実難しいです。
◉爪切り屋さんの可能性
爪切り屋さんは「別府温泉×フットケアー人生最期まで歩き続ける足作りー」事業として2023年8月〜立ち上がりました。
別府市民のお風呂である別府温泉のスペースを活用して、足の爪切り、タコ・魚の目ケアを行っています。
特定の箱(店舗)を持たず、温泉施設のスペースを活用することにはいくつか意味があります。
・温泉はみんなが裸足になる場所だから、足に意識が向きやすい。
・温泉に入ったあとは爪や皮膚が柔らかくなっているので、足のケアがしやすい。
・いろんなエリアの温泉施設で開催することで、その地域周辺住民が通いやすい。
※「(店舗であれば)遠いから来れない層」を減らすことができる。
…など
こちらは、表向きの意味になるかと思います。
しかし、私の中での本来の目的は、店舗を持たず、なおかつ別府温泉のスペースでオープンに実施することで、「名前は知らんけど顔は知っちょん」繋がりを増やす事なのです。
( ˙-˙ )???
となる方が多いと思います(言葉足らずで申し訳ない‼︎‼︎)。
爪切り屋さん開催による、人との繋がりの最初は「私」と「爪切り屋さんのお客さん」でしょう。
爪切り屋さんに来店いただき、まずは私とお客さんが繋がる(顔見知り/知り合いになる)。
その他には、別府温泉のスペースで爪切り屋さんを開催することによって「爪切り屋さんっち何?」と興味を示す方も多いです。現に、直接「何やっちょんの?」と私に聞きに来る方もいます。つまり、「温泉に来たお客さん」と「私」が繋がることも可能になるのです。
もちろん、お客さんへの爪切りを実際に行っている最中(施術中)に「爪切り屋さんっち何?」と聞きに来る温泉客の方もいます。その場合、「爪切り屋さんのお客さん」と「温泉に来たお客さん」が繋がることも可能になります。
過去に、「私」と「爪切り屋さんのお客さん」と「温泉に来たお客さん」の3人で話しながら爪切りを行ったこともあります。お客さん同士が同世代だからこそ出来る共通の話題で、大いに盛り上がったのを覚えています。
◉爪切り屋さんの仕掛け
爪切り屋さんは、施術スペースにパーテーションなど隠すものを設けていません。
もちろん個室でもなければ、むしろ誰もが見ることのできる場所で行っています。
「足を見られるのが恥ずかしい」と思われる方も中にはいると思います。これも承知です。
しかしそれ以上に、せっかく「爪切り屋さん」と出会った人たちが、爪切り屋さんを行っている温泉で私以外の人と出会うことに意味があると思っています。
もちろん、爪切り屋さんのお客さんには、私としか話さない方もいます。
私が強制する理由もないので、それで構いません。
ただ、温泉に足を運ぶことで、誰かから「名前は知らんけど顔は知っちょん」存在になると思うのです。
◉これからの社会に「顔見知り」が必要
もしもの時に備えて、顔見知りを作ることが必要になってくると考えています。
コミュニティをわざわざ創ることでもなく、ただ顔見知りであるだけで良いのです。
居場所を創るのではなく、「1つの居場所がある」という選択肢を持つことで良いのです。
これから、自然災害も増えてきます。
被害にあった際、誰が自分の生存、安否を確認してくれるのでしょうか。
事件や事故に巻き込まれた際、誰が有力な情報を持ってくれるでしょうか。
認知症になって自分がどこに居るのかわからなくなった際、そして家族がそのために行方不明になった際、誰がその存在に気づき、本人に声をかけてくれるのでしょうか。
これは、高齢者に関わらず、子供から高齢者まで全ての人が対象だとも思ってます(ここでは深く言及しませんが)。
「(顔見知りの)あの人は何をしているのだろう?」
その疑問1つで、何か解決できるものがあると思います。
そして、見ず知らずの人であれば、何かあった時に声をかけにくいかもしれませんが、顔見知りであれば、声をかけるという行為のハードルも下がると思っています。
◉おわりに
私の、まだまだ未完成な思考ですが、理解していただけたでしょうか。
語彙力のなさに恥ずかしさもありますが、2024年1月の私が考えている事を書かせていただきました。
なかなか理解されにくい事も多いかと思います。
でも、それで良いと思ってて。
ただ、少しでも多くの方々に私の考えている事を知ってもらうことで、自分ごととして考えてくれる人も居るのではないかと思います。
まだまだ、走りたての私ですが、一歩一歩前に進んでいきたいと思いますので、こんな私を応援してくれると嬉しいです^^
2024年1月16日