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小さな高速バス会社 コロナ奮闘記

 はじめまして。私が在籍している会社は、とある地方と都市部を繋ぐ高速バス専業の小さな会社です。

新型コロナウイルスと高速バス

 2020年初頭から猛威を奮い続けている、新型コロナウイルス感染症。この記事をご覧いただいている皆様もほとんどの方が経営・経済的な打撃を受けたのではないでしょうか。
 私たちも、緊急事態宣言はもちろん、都道府県をまたぐ往来の自粛要請もあり、大きな経営的な打撃を受け2019年度比で運送収入は30%前後まで減収しました。全国のバス会社とコロナの現状についてオンライン会議を行う機会がありますが、どこの会社も似たような状況のようです。

多額な車内設備や固定費

 コロナ対策は、バス車内の各座席に抗菌カーテンを設置したり、光触媒コーティングの施工、消毒液や衛生用品などをあらゆる箇所に設置といったことを、いち早く取り組み、多くのお客様にご安心いただくことができました。大変うれしく思います。ただし、かかった費用は膨大であり、他にも需要減少による運行休止。使用していないバスのメンテナンス費用や、税金、遊ばせている都市部のバス駐車場・バスターミナルに掛かる経費に頭を悩ませています。

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3列独立シートでの運行と、各席を隔てた抗菌カーテンの設置

大手を振って集客できないジレンマ

 上述の通り収益は少なく、出費が多いのが現状です。また、集客に力を入れようと考えても、都市間高速バスの運行は全国的なコロナウイルスの感染拡大要因となりえない以上、大手を振って集客もできない現状にジレンマがあります。

コロナ過で気づけた大切なお客様

 普段、当社の高速バスは、一日当たり19往復を運行していました。コロナ後は、需要の増減に合わせ一日6往復前後まで減便をしています。それでも1便当たり乗車人員は1桁台の乗車人員が当たり前なのが現状です。
 反面、お客様とのコミュニケーションをとる機会が多くなりました。
その時、コロナ過中でも通院のため、乗車いただいている方や自家用車を持たない交通弱者の方々がコロナ過でも使い続けてくれていることを知りました。また、上記のような方々は利用頻度も多いので、他の交通手段より安い高速バスを積極的にご利用いただいているようです。
 そこで、今は大手を振った集客より、今定期的にご利用いただいているお客様を大切にしたいと思い、以下のような取り組みを実施しました。

接触アプリを提示で割引サービス

 乗車の際に、接触アプリ(COCOA)を提示することで、当社のLINE公式アカウントから入手できる、ショップカード(ポイントカードのようなもの)にポイントが付与され、一定まで貯めると、クーポンがもらえるサービスです。 2020年10月1日~実施

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このサービスを企画する際、今まで述べた問題点をクリアする必要がありました。

① 高速バスが感染拡大を担ってしまわないこと
② コロナ過でも定期的な移動を余儀なくされている方への救済
③ 実施にあたり、経費をできる限り抑える

 ①つめの課題は、接触確認アプリ(COCOA)を導入していただいたお客様を割引の対象にすることで、対策をしました。
 ②つめの課題は、定期的にご利用いただいているお客様に対して「より効果的なサービス」ということで、多く利用していただいたほうが、より割引率の高いクーポンを入手することができ、最終的には、高速バスが1回になる無料クーポンも用意しました。
 ③つめの課題は、経営の厳しい中、うまくいくかも分からない取り組みに予算はつけづらかったので、できる限り経費を抑えるため、LINE公式アカウントを活用することで、解決しました。

ショップカード

詳細設定可能なポイントカードやクーポンサービス、更に顧客の属性を把握出来るマーケティングやメッセージ配信など、これらを日本で普及率の高いLINE上で"無料"で行える。
小規模の法人や個人事業主にはありがたいサービスだ!

 今回、LINE公式アカウントの登録者は約300人と、一般の企業と比較すると微々たる数字ですが、当社にとっては、大成功と言えます。
 また、地方の新聞やテレビ局に報道され、さらには誰もが聞いたことのある、全国的な報道番組でも取り上げていただきました。多くのメディアで取り上げていただくことで、社のイメージや認知度も上がりました。副次的なことですが、本サービスが与えた影響で一番ここが大きかったかもしれません。

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出典:日本テレビ 「NEWS ZERO」 2020年12月12日(土)放送
暮らしを守る新型コロナ情報のQRコード。

逆境でこそ学びが多い

 新型コロナウイルス感染症が流行し、冒頭はネガティブな情報ばかり伝えてしまいましたが、この期間で多くの学びがありました。逆境の時こそ、血眼になり、突破口を探すことによって、見えないところまで目が届くようになるのかもしれません。普段は、観光や帰省といった多数派の属性を追いかけていることが多かったですが、今後は少数派の属性のお客様にもしっかりとスポットを当ててマーケティングを行ってまいります。
 また、LINE公式アカウントは費用がかからず使い勝手がよく、トーク画面でバス現在地が検索できるサービスや、LINEpayの支払いリンク(お客様に支払いをオンラインでリクエストできる機能)を活用し、非対面式の自宅で決済・乗車券の発券ができるサービスも行っています。このあたりは、ご覧いただいている方にも参考にできる部分であれば幸いです。

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お客様からこういった声を頂くことができると、嬉しい…。

さいごに

 こういった記事を執筆するのは初めてで、書いていて自分で何が言いたいのか分からなくなってきたりしました(笑)。読みにくかったら申し訳ありません。もっとバス会社の事に興味があればぜひスキお願いします!
 今後も、機会があれば執筆していきたいと思います。最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

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