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GK分析 アルバン・ラフォン

こんにちは!
今回のGK分析はフランス人のアルバン・ラフォン(Alban Lafont)について分析していきたいと思います。

この記事は夏にあったU20ワールドカップ期間中に書いたものですが埋もれていたので引っ張り出しました(笑)
なので今分析したらまた違う結果になるのかもしれませんが、当時の僕はこう見えていたということで発信したいと思います。

  
Alban Lafon Career

彼は、フランス人の父とブルキナファソ人の母の間に、ブルキナファソの首都であるワガドゥグーで1999年1月23日に生まれました
彼の家族はスポーツファミリーであり、母方の祖父はサッカー選手、母もまたハンドボールのナショナルチームメンバーでした。また父はテニスをしているなど、その運動神経が遺憾なく引き継がれています。彼が9歳の頃に父と一緒に暮らすためにフランスのエロー県へと移住をしたことからサッカー選手としてのキャリアがスタートしました。

16歳でプロデビューし、すでにキャップ数は100を超えています。
昨シーズンからイタリアのフィオレンティーナに移籍しドンナルンマとは同い年で経歴が似ていることからよく比較対象にされています。それではプレーに入っていこうと思います。  

構え

彼の構えの特徴は二点あります。
その二点とは

・構えの重心が低い
・スタンスが広い

この二点があげられます。
まず一つ目、構えの重心の低さですが、映像を見ているとかなり低いです。他のGKだったら一対一の状況かなと思うほど低く重心を保っています。
これはおそらく彼の体形が関係していると思います。彼は193cmと大きめですが、特に手足は長いです。
足が長いGKは特にゴロなどの低めのボールに弱い傾向があり、それは体を一本の棒としたときにその棒を回転(コラプシング)させる時の固定位置(回転の中心)が高くなるため、反応、アクションが遅れるという点があるからだとおもいます。デ・ヘアやクルトワがその部類で、低めのボールに弱いというのはイメージしやすいのではないでしょうか、しかし逆に彼らは重心が高い分、パワーを活かしたダイビングで高めのシュートには滅法強いというのがよくあるパターンです。
これでいくとラフォンはデヘアのように低めは弱いが、高めに強くいわゆる神様コースをスーパーセーブするタイプかと思われそうですが、実際違います。
彼は低めに弱いという身体的アドバンテージをなくすために重心を低くしています。もちろんその分上への対応には影響する部分もありますが、彼は物理的に下が弱くなってしまうことを補うというのを取りました。そして彼は見た目に寄らず俊敏でなおかつパワーも弱くはないのでこの構えは彼にとってはあっているなと思いました。

二つ目のスタンスですが見てわかる通りかなり広いです。これは単純に足が長いのでベストなスタンスが人より広いのですが、それに加えて前述したとおり重心を下げたいのでさらに広くなります。


セービング

セービングに関して僕が一番最初に思ったのは『綺麗』ということです。
彼はダイビングのフォームが綺麗で美しい飛び方をし、その飛び方は守備範囲を広げるテクニックの一つでもあります。
彼は特にダイビングの際足が綺麗に揃って、なおかつ伸びており、空中で体が地面と平行になっています。
なぜこれが大事かというと、足がバラバラで飛ぶよりも、足をきれいに揃えて体を一直線にして飛んだ方が重心も安定し、空気抵抗も少なくなるのでより早く、より遠くにダイビングすることが可能になります。
彼はそこが非常にきれいで、ジャンプ力が特別高いわけではありませんが、隅のシュートに対してもしっかり対応することができています。
このダイビングの技術は日本人に特に足りない部分だと僕は思います。足をきれいに伸ばす部分はできている選手もいますが、体がダイビングの際地面と平行にできない選手が多いように感じます。ジャンプ力のない日本人はこのような技術をしっかり身に着けて、効率よく理論的にプレーする必要があると思います。足をきれいに伸ばすであったり、空中で体を一直線にする、地面と平行にするという部分は個人的に体操などからヒントを得られるのではないかと思いました。

そして彼の特徴としてもう一つ上げたいのがコラプシングです
彼は前述したとおり、重心を低めにし、低めのシュートに対して有利な構えをしているだけあって、やはり低めのシュートに対しては強いです。その中でもコラプシングは特にうまいです。
スピード、足の抜き方、手の出し方など19歳とは思えないほどコラプシングうまいです。
もしかしたらコラプシングが得意だからそれを生かすためにあのような亀になったのかもしれません。
かれはコラプシング以外にもローリングダウンなどのゴロのセービングの対応が良く、低めのボールに飛び込んでセーブする際は体を沈ませて、重心を低くする動作が必要ですが彼はその動作がとてもスムーズです。だからプレースピードも速く、低めのセービングが得意なのだとおもいます。もちろんそれを助けているのは前述した構えの特徴があることはイメージしやすいかとおもいます。

感想


今回ラフォンを見て一番気になったのはやはり、構えです。かなり極端な構えをしていたのでこれはストロングポイントとウィークポイントが分かれそうと思ったのですが、いざ見始めてみると、結構理にかなっているなと思いました。低い構えですが、その分有利になる低めの対応は彼にとってのストロングポイントになり、上への対応は厳しいだろうと思っていましたが、彼は重心移動がうまくプレーが非常にスムーズで早いのでしっかりと対応できていました。GKを経験してる人は構え方はこうと教わったかと思いますがあの構えはそれに反している部分があると思います。しかしそれが彼にとっては最適な構え方であり、強みを生かしてくれる構えだったのです。コーチが教えることはあくまでセオリーです。基本的にこれがいいだろうというものを教えていますが、GKは特に個人差が出やすいポジションですし、自分なりの構え方があると思うので、皆さんも教わったことを元に色々試行錯誤して自分に合っている構え方を探してほしいと思います。そこが個性につながる部分でもあると思います。

そしてかれは本当にコラプシングがうまい。彼のセーブ集を見ているとコラプシングで止めるシーンがとても多かったです。足を抜くと同時にしっかり上半身も持ってこれる。ぜひコラプシングに関しては彼を参考にしてほしいと思いました。

ここまで見るとこいつ相当スゲーじゃん弱点ないじゃんと思われるかもしれないですが、安心してください、弱点ちゃんとあります笑

弱点

まず彼の弱点として粗削りな面があります。やはりまだ19歳ということで、キャッチングのミスは特に多いです。あとは弾き方、弾く方向や状況判断コースの変え方などの技術面はまだまだだなと思います。
もう一つは、高めのボールにもしっかり対応できると書きましたが、あくまでそれなりのボールにしっかりと対応できるというところまでということです。
物理的なハンデも背負っているので高めの早いシュートに関しては反応できないシーンもありました。
なので彼と対戦するときはコースを狙うというよりも強いシュートを心掛けた方がいいかもしれません。
この部分が弱点としてあるわけですが、技術的な面がほとんどで、どれも改善可能なので、今後コンスタントに試合に出続けて、イタリアはGKの育成には定評があるので今後がとても楽しみな選手です。
ちなみに僕はドンナルンマより最終的に優れた選手になると思っています笑

今回はここまでになります、御一読いただきありがとうございました!
質問や、ここはこうじゃないのということがあればお気軽に連絡よろしくお願いします!

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