突然だけど"司令塔"について書いてみた ~僕が行かなきゃ誰が行くんだ?~
こんにちは。こんばんは。
おはようございます!
ご無沙汰しております。笑
今回のタイトルに関しては、最近僕がずっと聴いている曲でございます。
歌詞がめちゃめちゃ良いので皆さんもぜひ。笑
まずは今回この記事を書く経緯について少しほど。
きっかけとなったのはひとつの質問。
「好きな選手は誰ですか?」
まぁ指導者としてフットボールに携わってる以上避けては通れないベッタベタにベターな質問だ。
キーになるのはそれに対する僕の答えだ。
「俺が一番好きな選手はシャビ。日本人で言えばヤットさんで現役ならジョルジーニョかな。」
もうお分かりいただけただろう。
そう僕が好きな選手はいわゆる"司令塔"という括りに部類される選手なのだ。
ただ残念ながら今の小学生で分かる子はまぁ少ない。笑
そんな自分がなぜ司令塔が好きなのか。というところから現代のフットボールにおける"司令塔"とはどんな選手でどんな司令塔が重宝されるのかを自分なりに考えアウトプットしようと思ったのが経緯である。
今回も読んでくれた方のフットボールのほんの少しのワンピースになれれば幸いです。
※注意
この記事は文字だけの強気な記事になってます。
想像脳をフル活用して読んでいただければと思います。
◆司令塔とは
辞書で調べると以下のように出てくる。
しれい‐とう〔‐タフ〕【司令塔】
1 軍艦などで、艦長・司令官が指揮を執る塔。
2 組織全体の指揮を執る部署や人のたとえ。「選挙戦を支えた司令塔」「プロジェクトチームの司令塔」「合同対策本部が災害復旧の司令塔となる」
3 チーム戦を行うスポーツで、チームの要となって試合を組み立てる中心選手。サッカーのミッドフィールダー、アメリカンフットボールのクオーターバック、ラグビーのスタンドオフ、バレーボールのセッター、バスケットボールのポイントガードなど。守備の要となる野球のキャッチャーのこともいう。リンクマン。ゲームメーカー。
※コトバンク 出典
フットボールで言えば、3番が司令塔という言葉では該当するところだ。
1、2、3で共通するところとしては司令塔はチームやグループの中心でリーダー的存在であるということだ。
おそらくこの出てきた意味がそのまま定義になるだろう。
・冷静に考えると…
現代のフットボールでよく聞かれるのが、昔みたいなファンタジスタやゲームメーカーが消えたもしくは必要なくなったという声。
確かに以前のフットボールよりも個々のフットボールのスキルとは別に多様なアスリート能力が求められる時代なのは間違いないだろう。
特に現代ではボール付近の局面局面でのアスリート能力の差は如実に出やすく、そこで負けないことを各ポジションで求められるようになった。
だが冷静に考えてみると、強いチームには必ず"司令塔"と言われる選手がいる。
例えば、昨シーズンのCLベスト4のクラブ。
マドリーならクロース、パリならヴェラッティ、シティならデブライネ、そして王者チェルシーのジョルジーニョとどのチームにも司令塔と言われてパッと名前があがる。
これは決して偶然ではないと思っている。
僕が気になったのは"勝てるチームにいる司令塔"について。
良くも悪くも日本語で話そうとすると簡略化できてしまうので司令塔と言われてざっくりとした共通認識はあっても中身について述べてる人は少ないように感じた。
ニッチと言われればニッチだ。笑
次からはその中身について自分なりに言葉で述べていく。
◆"フットボールの司令塔"に必要なのは?
では具体的にフットボールの司令塔に必要なものは何なのか。
ここからは僕が必要だと思うものを述べていく。
※注意として、これはあくまで僕の見解です。
※ひとつの見解としてこんな考え方もあるんだ程度に読んでいただければと思います。
・"「今じゃない」力"
僕がチームの中で司令塔と言われる選手や司令塔っぽい選手を見るときに意識するのがこの"「今じゃない」力"である。
司令塔と言われれば自然とボールにたくさん関わる選手をイメージすることが多い。ただそれだとボールタッチの多い選手みんな司令塔になってしまう。
もっといえば司令塔は先ほどの定義でいえばチームの中心選手なのでその選手にボールが集まるのは必然であり、タッチ数が増えるのは当たり前だ。
そこで僕が必要だと考えるのは「今、ボールに関わるべきじゃない」と判断できるかどうか。
守備側で考えたときにチームの中心で多くボールに関わる選手にマークを強くするのは当たり前の話である。
言い方を変えれば、一番ボールに関わる選手にはそれだけボールを奪うチャンスがあるということだ。
もちろんその状況下でも1人2人剥がせる選手は魅力的だ。でもそのような選手は僕は司令塔とはちょっと違う気がする。
例えばチェルシーのジョルジーニョ。
彼は典型的な司令塔であると考えている。
チェルシーの試合を見るとビルドアップの場面でCBに対して持ち上がりを促したり、パスする人を指示したりとまさに指揮者のように身振り手振りでチームを動かしている。
そして自分が目指したい目的地に向かえる状態になったタイミングでボールを引き出している。
一時期のチェルシーは各チームの対策でジョルジーニョ切りをされ、彼も活きない、チームも機能しないという状態に陥った。
なぜこうなったのか。
僕はチーム全体が司令塔であるジョルジーニョ"しか"見なかったことが原因だと考えている。
ジョルジーニョという目的地に繋げるための人と繋がれなかったというとイメージしやすいだろう。
・"今じゃない"の伝え方
そこでもうひとつ例をあげる。
マリノスの10番マルコスジュニオールだ。
彼はジョルジーニョと違い身振り手振りで指示を出すタイプではない。
彼はパスで今は自分じゃないというのを伝えていると考えている。
マリノスの試合を見ているとマルコスはわりと簡単にリターンパスをすることがある。
前提として彼はとても上手い選手である。
おそらくやろうと思えばボールを持てば1人2人くらいは簡単に剥がせるくらいのテクニックは十分に持っている選手だ。
だが試合中に彼を見ているとわりと簡単にリターンで返すシーンがある。
加入以降結果を出し続けている彼へのマークが年々強くなっている分、このリターンパスの数も増えてる印象がある。
このリターンパスこそ「今じゃない」のサインだと考えている。
彼の強みを発揮できる場面や状態ではないから「もろても何もできひんよ」っていう合図なのだ。
マルコスほどテクニックのある選手が効率良く、的確に自分の実力を発揮できる場面を選べると回数こそ少なくても決定的なチャンスになる確率は十分上がる。
僕はマルコスシステムと呼ばれるほど、彼がマリノスに欠かせない理由はここだと考えている。
特にボール保持に長けたチームやある程度ボールを握れるチームはこの能力を持った選手が欠かせない。
変な言い方をすれば、もし仮に明確なプレーモデルや原理原則がなくてもマルコスが使いたいスペースをチーム全体で意識できればそこが空くまでボールを動かしてマルコスに使わせるということをすれば点を取ることを考えれば十分機能するだろう。
反対にマルコスはボールを受けてからゴールと最も繋がりの強い選手を選択し、その選手の景色越しにパスを供給することが求められる。
マルコスとの繋がりを作れそうな選手に預ける。マルコスもその間に次の目的地との繋がりを作り、そこに向かう準備ができたらボールを要求するという流れだ。
ただその間にも状況は変わるし、自分が要求したパスが来なかったり、「今じゃない」状況になったときにパスを使って伝えられるのがマルコスジュニオールという司令塔なのではないだろうか。
◆偶然を言い訳にして
ここまで述べてきたものはマルコスに限らず、ブラジル人選手は皆上手いように感じる。
ブラジリアンというとつい足元のテクニックをイメージしがちだがそれ以上に僕は「やってほしいプレー」を的確に選択し実行できる能力に長けていると考えている。
「"今じゃない"を選択し、"やってほしい"を判断する。」
これがどの国においてもブラジリアンが助っ人である理由ではないかと思っている。
ブラジル代表がずっと強い理由はこれをトップレベルのスピードでかつミスなくできる集団であるからだろう。
これ余談なんですけど(某テレビ番組ボイス)、ジョルジーニョとティアゴ・アルカンタラのプレミアのトップを争う2クラブの司令塔であるこの2人は代表こそイタリアとスペインだがどちらもブラジルの血が入っている。
マンシティで長年アンカーとして代えの効かない存在だったフェルナンジーニョもブラジリアンであり、ユナイテッドのフレッジも放出候補といわれながらも試合に出場し続けている。
僕は決して偶然ではないと思う。
偶然ではないが必然でもない感じである。
意識してトレーニングすればできることでもあるが、意識せずに標準装備でパッとできるのはブラジルの血が入っている選手独特なのかもしれない。
紀元を考えるとキリがないのだが、昔からのストリートサッカーは大きな影響があると考えている。
色んな年代の人に混じってサッカーするとなれば体格的に勝算のない相手もいたことだろう。
そういった人たちがいる中でプレーするには自分が活躍できそうなところを選ばないと潰されてしまうというのが感覚的に染み付いているのではないかと思う。
最後のほうは司令塔からは少し逸れてしまったが、司令塔だけに限らずどのポジションの選手もできるに越したことはない能力だ。
こういった視点の強かな選手が増えてくれることを願っている。
※文字だけの記事を最後まで読んでいただきホントにありがとうございました🙇💦