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J下部についての考察

 サッカー少年に将来の夢を尋ねると、多くがプロサッカー選手と答えるでしょう。日本でプロになる一般的な道はJリーガーになることです。

Jリーグ所属チームは、優秀な選手を育成するためのアカデミーを持っています。
これがいわゆる「J下部」です。

 育成年代は、小学生がジュニア(4種)、中学生がジュニアユース(3種)、高校生がユース(2種)と分類され、トップチームは1種(大学生以上、社会人を含む)となります。 

 J下部に入るためには、厳しいセレクションを突破するか、スカウトされる必要があります。入団できた選手は、その年代や地域でサッカーエリートと呼べる存在です。多くのサッカー少年にとって憧れであり、目標の一つとなっています。

入団ルート

クラブによって選抜方法は異なりますが、一般的な情報を以下にまとめます。

ジュニア

J下部のジュニアチームは、早いところで小学3年生からチームを編成するため、小学2年生の秋頃に最初のセレクションが開催されます。その後、毎年セレクションで選手を補強するチームもあれば、同じメンバーで6年生の終わりまで活動するチームもあります。

 ジュニア年代でのスカウトは稀であり、基本的には自らセレクションに応募することが一般的です。

ジュニアユース

 ジュニアユースへの入団ルートは、ジュニアチームからの昇格、セレクションでの合格、スカウトのいずれかとなります。

  • 昇格: 既にジュニアに所属している選手は、6年生まで活動した後、中学進学前にジュニアユースへの昇格可否が伝えられます。昇格できない選手は他クラブを探すことになります。

  • セレクション: 6年生の夏頃、ジュニアユースのチーム編成のための大規模なセレクションが行われます。

  • スカウト: J下部のスカウトは、近隣の大会や地域クラブの練習試合、時には練習にも足を運び、優秀な選手を探しています。スカウトされた選手は、セレクションを経ずに入団が決まります。

 スカウトのタイミングはクラブによって異なりますが、高学年になると保護者の間で「〇〇クラブの▲▲君は、あのJ下部から既に声が掛かっている」などの噂が広まります。

 しかし、これらの情報は伝聞であり、誇張や誤情報が含まれることも多いため、話半分に聞くのが良いでしょう。

 実際、息子の街クラブでも、ジュニアチーム卒団後、毎年2〜3人がJ下部にスカウトで入団しています。
 一般的には、5年生の冬から6年生の初めにスカウトされて入団が決まるケースが多いようです。
 最も早いケースでは、4年生の春頃に声が掛かることもあります。
一方、何度も練習会に呼ばれながら内定が出ず、一般セレクションを申し込んだ後に合格を言い渡されるケースもあります。
 
 特に優れた選手はいきなりスカウトされることもありますが、多くの場合、まず「練習会」に呼ばれます。
 これは近隣の有望な選手を集めて行われ、大勢のクラブのスタッフが見守る中で行われるため、実質的には事前セレクションのようなものです。

ユース

 ジュニアユースは中学年代の3年間活動します。その後、ジュニアからジュニアユースへの昇格時と同様に、ユースへの昇格可否が伝えられ、昇格できない選手は高校サッカーの強豪校などにスポーツ推薦や特待で進学することが多いです。

 ユースへの入団ルートも、昇格、スカウト、セレクションのいずれかですが、ジュニアユースと異なるのは、セレクションで入団する選手が非常に少ない点です。
 この年代になると、昇格組の選手はクラブのサッカースタイルを深く理解し、必要なスキルを身につけています。そのため、外部からの入団は、街クラブで飛び抜けた実力を持つ特別な選手が数人、スカウトで入団する以外は、ほとんどが昇格組というのが実情です。

 したがって、セレクションでのユース入団は非常に狭き門と考えられます。

J下部のメリット/デメリット

 J下部でサッカーをする事は多くのサッカー少年の憧れであると書きましたが、子供が街クラブでサッカーをしていると、様々な意見が聞こえてきて、意外にも必ずしもJ下部を賞賛するものばかりではありません。

 では、J下部入団のメリット、デメリットとはなんでしょうか?

メリット

・チームメイトのレベルが高い
J下部の選手は何百人もの中から選抜された選手で構成されており、技術、身体能力、サッカーIQが高い選手が揃っています。そのため、日々の練習から高い競争環境に身を置くことができ、さらなる成長が期待できます。

・充実したサッカー環境
多くのJ下部クラブが天然芝や人工芝のグラウンドを所有しており、街クラブと比較して優れた練習環境が整っています。また、専属のトレーナーが帯同し、選手の怪我防止や成長期のスポーツ障害に配慮した科学的な練習が行われます。

・プロを身近に感じられる
トップチームと同じユニフォームを着用し、クラブのエンブレムを背負うことで、高い意識を持ってプレーできます。さらに、トップチームの選手と交流する機会があり、プロサッカー選手をより具体的な目標として捉えられることが大きなモチベーションとなります。 

デメリット

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