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"少年団、クラブチーム、J下部組織の違いと選び方:最適なサッカーチームを見つけよう"
サッカーチーム選びの記事で、少年団とクラブチームの違いについて書きました。
今回はそれぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
*ちなみに、私の息子たちはずっとクラブチームに所属していたため、少年団については、クラブに移籍してきた保護者の話などを参考にしています。また、クラブチームにはJリーグの下部組織も含まれるので、3つのチームを比較しながらご紹介します。
以下の表に違いをまとめてみました。
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それぞれ解説していきます。
目的/理念
サッカー少年団は、地域の子どもたちにサッカーの場と機会を提供することを目的としています。理念としては、試合の勝ち負けよりも純粋にサッカーを楽しむことが第一とされています。しかし、試合になると勝ちを目指すのが人間の性ですので、クラブチームやJ下部に勝利する強豪少年団も存在します。
クラブチームもサッカーを楽しむことが大前提ですが、少年団の活動では物足りず、競技として高いレベルを目指したい子どもが集まる傾向があり、強豪チームが多いです。運営側も公式戦の結果が良ければ、より実力のある子が集まってくるため、勝利を重視するチームが多いです。
Jリーグの下部組織(J下部)は、数百人が集まるセレクションで選ばれたエリートの集まりです。しかし、目先の勝利よりも、将来プロ選手として活躍できる人材の育成に重きを置いています。ジュニア年代で数回のセレクションを行い、チームを編成しますが、全員がジュニアユースに昇格できるわけではありません。中学入学前に再度セレクションやスカウトを行ってチームを再編成し、高校入学前にも再編成が行われます。そのため、ジュニアからユースまで昇格を続け、トップチームに上がれるのはほんの一握りです。
競技レベル
チームによって様々ですが、近年の傾向として、少年団よりもクラブチームの方がレベルの高いチームが多いです。J下部は選りすぐりの選手が集まっているため、極めて高いレベルにあります。ただし、クラブチームに負けない強豪少年団も多数存在します。
特に、サッカー人気が高く人口の多い東京、埼玉、神奈川、千葉、大阪、兵庫などの地域では、J下部に勝つ少年団やクラブチームも多く存在します。
補欠
少年団では、全員がサッカーを楽しめることを重視するため、補欠なしで全員に出場のチャンスがあるチームが多いです。ただし、一部の強豪チームでは例外もあります。また、人数が少ない少年団では、上の学年の試合に飛び級で参加する機会も多いのが特徴です。
クラブチームでは、サッカーを楽しみながらも試合結果にこだわるため、基本的に実力主義で、出場機会にはバラつきがあります。ただし、多くのクラブでは練習試合で全員に同じだけ出場時間を与えたり、Bチームを編成して試合経験を積ませるように配慮するのが一般的です。
J下部は、1学年あたり10名程度の少数精鋭なので、試合に出られないということはほぼありません。ただし、ジュニアからジュニアユースへの昇格が決まった後は、上がれる子とそうでない子でコーチの対応が違うこともあるようです。プロクラブの育成組織であるため、シビアな世界という印象です。
保護者の活動協力
ほとんどの少年団は選手の保護者や地域の有志で運営されており、加入すると保護者も様々な活動に協力を求められることが多いです。サッカー経験のある父親はコーチや審判として、母親はお茶出しやコーチの弁当手配、会計など多岐にわたる仕事があります。保護者の協力で運営している少年団が多く、そのためチーム内の人間関係が濃厚になり、保護者間のトラブルも頻発することがあるようです。
一方、クラブチームでは基本的に送迎のみで、保護者は何もする必要がないことが多いです。私の家庭は共働きで忙しく、サッカーに情熱を持っていたわけではないので、少年団の活動協力が難しいと考え、クラブチームを選びました。クラブチームの活動は全てコーチが行い、保護者はその方針に従うという誓約書を書くこともあります。保護者の中には、自身もサッカー経験者で意見が言えないことに不満を持つ人もいました。
特にサッカー経験者の保護者にとっては、選手起用や練習方法、そしてチームが勝てない時の戦術について、一言言いたい人が多く、『あのコーチは全然わかっていない!』といった会話が保護者同士でしょっちゅう出ていました。ほとんどのコーチが保護者よりも若いため、特にそのような状況は難しかったのではないかと思います。
コーチ
少年団のコーチは、パパコーチがほとんどで、サッカー未経験のコーチもいます。そのため、基礎技術やビルドアップ、連動したプレスなどの高度な戦術指導ができていないチームも多いです。
クラブチームでは、サッカー指導のプロコーチが指導し、専門的なトレーニングが受けられます。ただし、コーチは薄給で若い人が多く、経験を積む頃には辞めてしまうため、学生アルバイトコーチが指導するなど、質が安定しないチームも存在します。
J下部はプロコーチ、特に元Jリーガーなどの高いレベルのコーチが在籍しており、トップレベルの指導が期待できます。しかし、J下部のコーチは単年契約で頻繁に入れ替わるため、チーム自体に明確な哲学がない場合、コーチが変わったことで全く別のチームになってしまうことも稀にあります。
活動頻度
おおむね平日2~3日+土日、週4~5日程度の活動が一般的です。少年団の方がやや少ない傾向があります。
費用
少年団は大体、月5000円以下、クラブチームは月10000~15000円くらいが一般的です。
遠征
少年団はあまり遠征を行いませんが、クラブチームは高学年になるとほぼ毎週県外遠征が入り、宿泊遠征も多くなります。特に6年生になると毎週のように公式戦があり、週末はほぼサッカーで埋まります。遠征費も相当にかかります。
セレクション
少年団には基本的にセレクションはありません。クラブチームもジュニア年代ではほとんどなく、セレクションがあるのは一部の超強豪チームのみです。J下部は厳しいセレクションを勝ち抜く必要があります。
以上が、サッカー少年団、クラブチーム、J下部の比較です。
最初からJ下部を選べる子供は少ないと思うので、まずは少年団かクラブチームかという選択になると思いますが、少年団でもクラブでもチーム毎に事情は違うので、体験練習などに参加してお子さんとご家庭の事情に合ったチームを選ぶのが良いと思います。